今月はじめ、北国から来た客人たちを、うちひとりのたってのリクエストで、「むろと廃校水族館」へ連れて行ってさしあげた。
「ホントにいいの?」
と念を押すわたしに、「どうしても行きたいのだ」と彼は言う。
なぜわざわざ念を押したかにはわけがある。
この「むろと廃校水族館」。いわゆる水族館として見れば、その施設は貧弱だ。したがって、「な~んだたいしたことないじゃない」という感想をもらす人もいる。しかし、あの施設の素晴らしさはそういった部分での勝負ではなく、関係者の予想を超える大きな反響を呼び、一躍人気スポットになった理由もそこではない。
目で見て感じて判断してもらえばそれで済むことなのだが、なにせ遠来の客人だ。いちおう念のために「ホントにいいの?」と確認した。というわけである。
ところがどっこい「そのひとり」は、ちゃ~んとリサーチ済みで、そんなことは百も承知のうえで「どうしても行きたいのだ」と彼は言う。
ということで、やって来ました「むろと廃校水族館」。
客人たちにはしっかりと堪能してもらい、南国土佐の高知の土産話にと持ち帰ってもらったが、それはさておき、ここへ来るのは二度目のわたしが前回は気づかなかったこの展示物。
題して「学習の規律」
その一、「聞き方」。
・話す人の方に体(目とへそ)を向けて聞く。
・人の話を最後まで聞く。
その二、「話し方」。
・みんなに聞こえる声の大きさで話す。
・場所や目的にあった声の大きさで話す。
・最後まではっきりと話す。
・みんなの方を向いて話す。
・理由づけして話す。
その三、「学級集団」。
・発言の少ない人に発言をゆずる。
・全員発言ができるように励まし合う。
・友達の中で、進んで発言する。
・小集団の中で、司会者を中心に話し合う。
ありゃりゃ・・
声に出さずに読んでみて、なかでも「聞き方」と「話し方」に書かれてある項目について、いっさいできてはいない自分に気づき、「なんてこったい」と舌打ちひとつ。恥ずかしさを押し殺しながらその横に目をうつすと、小学校低学年とおぼしき少女の画像に3つの注釈が入っている。
せなかはぴん
あしはぺったん
おなかとせなかにぐうひとつ
上の方に「じをかくしせい」と小さくタイトルが書いてある。
初見初耳だ。その場で調べてみた。
「ぐーぺたぴん」と呼ぶのだそうだ。「正しい姿勢」の保健指導のため全国的に行われているものらしい。
とある小学校の資料によると、このようなことが書いてある。
まず正しい姿勢は「グーペタピン」
そして「よい姿勢」で過ごすと・・・
・やる気が起こる
・脳の働きがよくなる
・集中力がでる
・内臓の働きがよくなる
・バランス感覚がよくなる
・見た目もかっこいい
対して、「悪い姿勢」は
・背中ぐにゃ~
・足を組む
・ほおづえ
・ねこ背
・背もたれにもたれる
・からだがななめ
などなどで、「こんな姿勢を続けていると・・・」
・悪い姿勢のくせがついて、背骨もゆがみやすい
・肩こり・腰痛の原因になる
・視力低下の原因になる
・疲れやすい
・内臓の働きが悪くなる
・集中できない
・あごがゆがんだり、歯並びが悪くなる。など
むむむむむ
おっしゃること、イチイチがごもっとも。何から何までが、まことにもって正しい指摘。わが身を省みてオジさん胸がイタイ。
「小学校教育、侮るべからず」
そう独りごちながら、廃校水族館を歩く。
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