奄美の酒「まんこい」。
「まんこい」とは手招きをする行為を指し、「招き入れる」「迎え入れる」「千客万来」などの意味があるという。
6月に彼の地へ行った際に数多く呑んだ黒糖焼酎のなかで、わたしがもっとも気に入ったものだ。
以来、わたしの晩餉の友は、多くの場合、ソーダ割りの「まんこい」である。
90ミリリットルの焼酎を180ミリリットルの炭酸水で割ったものを2杯。
これで十分酔えるのだから、わたしもかわいくなったものである。
と・・
一升瓶の底に微妙に残ってしまった。
さて・・
呑むべきか
呑まざるべきか。
瓶の底の液体が
まんこい、まんこい、とわたしを誘惑する。
少しだけ考えた。
そして・・
結局呑まずにおいた。
ほぉーずいぶん賢くなったじゃないか。
自分で自分を褒めてやった。
「まんこい」よ。
その誘いにはのらない。