「キーワードはフロントローディング」。
そう書いたことについて、少しばかり説明をしておきたい。
この言葉、知らなかったわけではないが、口にしたことはない(はずだ)。
だが、これからちょくちょく使わせてもらおうと、そう思っている。
ということで、フロントローディングとはでググってみた。
上位3件を紹介してみる。
まず、栄えある第1位は、日経BP社の『Tech-On!』ーものづくり用語ー。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20061207/125107/
製品開発プロセスの分野でフロントローディングと言った場合は、一般に業務の初期工程(フロント)に負荷をかけ(ローディング)、作業を前倒しで進めることをいう。
特に製品開発における、初期段階での品質の作り込みのことを指す場合が多い。できるだけ早いうちに問題点を洗い出してこれをつぶし、初期段階から設計品質を高めておこうというものだ。従来は試作後に実施していた検討を、試作品のない設計初期にデータを使って検討するのである。
続いて、『情報マネジメント用語辞典』から
http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0808/19/news139.html
製品製造やシステム開発のプロセスにおいて、初期工程(フロント)に重点を置いて集中的に労力・資源を投入して後工程で発生しそうな負荷(仕様変更など)を前倒することで、品質向上や納期短縮を図る活動をいう。
3番目は、『PreSight』というサイトの「用語集」。
http://www.presight.jp/glossary/detail/post-30.php
一般的にモノづくりのプロセスにおいては、不具合発生による設計変更はそれが下流の工程で見つかるほどコストと時間が必要になる。また、製品コストの大部分は設計の初期段階で決まってしまうため、その後の価格低減の余地は小さい。これらのことから出来る限り、製品開発の初期工程にリソースを投入することでコスト、品質を作りこむ必要がある。これをモノづくりにおけるフロントローディングという。
これを公共土木建設という分野にあてはめてみると、家入さんが書いているようにこうなる。
CIMの世界では、「フロントローディング」という言葉がよく使われます。土木構造物の仕様は、初めのうちは概略しか決まっていませんが、プロジェクトが進むにつれてだんだん詳細かつ具体的に決まっていくのが普通です。
そこでよく起こりがちなのが、問題の先送りです。例えば、鋼橋の橋桁で点検用通路の支持位置が最初に決まっていなかったために、後で一定の勾配が必要な排水管とぶつかることが判明することもしましばあります。この場合、通路を曲げるなどの手直し工事が発生してしまいます。
こうした問題を前倒しで検討し、解決しておくことを「フロントローディング」(業務の前倒し)と言います。(『CIMが2時間でわかる本』P.58)
ひるがえってこの私。
じつはこの初期工程というやつを非常に大切にする人なのである。
記憶は曖昧なのだが、この仕事について5~6年目でそれに目覚め、
爾来、(個人的にも現場的にも)「初めに追い込め」をモットーとしてやってきた。
(もちろん、独りで発見したわけではないですよ。ある大先輩の仕事を見ていて気がついた)
そこへ持ってきて、7年前のCCPMとの出会い。
つまりそれを極々かい摘んでいうと、
複数で細部にわたる工程を組み優先順位を把握してリスクを先読みし早め早めに問題に対処、クリティカルチェーンを注視しつつバッファ管理をしていく実践のなかでも、常に優先順位を把握してリスクを先読みし早め早めに問題に対処することで、工期の短縮や品質の向上につなげる、
ということであり、それすなわち「段取り八分」。
で、つらつらこう並べると、私的には符牒が合う。
誰が何と言おうと(誰も何にも言わないが)ピタリと合っているのである。
もちろん、いち施工業者のいち技術屋である私なんぞがいくら気張ってみたところで、発注前にどうこうすることは出来ないし、
ましてやそれ以前の事業の計画設計段階に口を挟むことが出来るはずもなく、
してみると、フロントローディングなどと言うもおこがましいということになってしまって「ハイそれまでよ」なのであるが、
そこはそれ昨日も書いたように、私(たち)は私(たち)なりに、である。
自分の土俵でできることをやればいい。
小さなことからコツコツと、なのであるな。
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