三省堂の大辞林が改訂されたついでに「土木」という言葉の解説が変わったというニュースを目にした。
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(日刊建設工業新聞2019年9月25日より)
従来は土木について、「道路などを造る事業」という断片的な定義だったが、5日発売の第四版では土木が担う役割に目的を追加。2番目の解説に、「道路・橋梁・鉄道・港湾・堤防・河川・上下水道など、あらゆる産業・経済・社会等人間生活の基盤となるインフラを造り、維持・整備してゆく活動」と記した。
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「へーそうなんだ」と興味をひかれたわたしは、ちなみに・・と従来の第三版を引いてみる。
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1.土と木。
2.土石・木材・鉄材などを使用して、道路・橋梁・鉄道・港湾・堤防・河川・上下水道などを造る建設工事の総称。〔従来は家屋などの建築を含んだ〕
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してみると、「あらゆる産業・経済・社会等人間生活の基盤となるインフラを造り、維持・整備してゆく活動」という文章が追加されたということになる。土木を生業(なりわい)とする人間にとっては、ごくごく当たり前のことだが、遅まきながらでも記してくれたのは、なにはともあれよいことだろう。
それはそれでよいとして、くだんの第四版では、1番目の解説として従来の「土と木」に加えて「また、飾り気のないことのたとえ」という言葉が入ったという。
あらあら、「土木」が持つ意味のひとつとして「飾り気のないこと」があるなんて・・浅学にして初耳だ。
また調べてみる。お次は精選版日本国語大辞典で「土木」を引いてみた。
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1.土と木。比喩的に、飾らない粗野で素朴なものをいう。→けいがい(形骸)を土木にす。
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こうなると止まらない。
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(goo辞書より)
形骸を土木にすの解説
《「晋書」嵆康伝から》容姿を気にかけない。身の回りを飾らない。
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そうか。そんな意味があったのか。またひとつ賢くなった気がして独り悦に入る。
それにしても、「土木=飾り気のないこと」とは・・・
「イイじゃないか、悪くない」
そう独りごちようとして、あわてて否定する。
そんなことを言って喜んでいた日には、いつまで経っても「私と私の環境」は救えない。
「あらゆる産業・経済・社会等人間生活の基盤となるインフラを造り、維持・整備してゆく活動」を知ってもらうためには、「飾り気」もまた、大いに必要なのだもの。
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