まわりみち極楽論 (朝日文庫) | |
玄侑宗久 | |
朝日新聞出版 |
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我慢はいけません。これは七慢といわれる増上慢の一つですから、決してしてはいけない。無理無体な現実に直面したとき、心をそれに適応させる努力をしないことを「我慢」というんです。心や意識を変容させることで「我慢」などせずに済むのに、それをサボって怠慢してるのが「我慢」です。だから「我慢」は子供のすること。「我慢」を卒業したら大人といってもいいんじゃないでしょうか?
(kindleの位置No.2256-2261)
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読むなり、ムムム・・とうなり目を白黒させる。
こいつは難しい。難しすぎる。
書いている言葉は平易だが、書いてある内容が難解だ。
何度か読み返してみても理解不能だったため、少し寝かせておき、今朝またトライしてみた。
すると、おぼろげながらに掴めかけてきたが、「わかる」にはほど遠い。
確実に「わかった」のは、その実行がおそろしく困難だということである。
無理無体な現実に直面したとき、心をそれに適応させる努力をしないことを「我慢」というんです。心や意識を変容させることで「我慢」などせずに済むのに、それをサボって怠慢してるのが「我慢」です。
これほど難解で困難なテーゼには、久しく出会ったことがない。
考えてみるにそれはたぶん、わたしにとって自分自身を肯定的にとらえた言葉が「我慢」だからであろう。自分自身を「我慢の人」として規定することが、「大人」たるわたしの拠り所なのである。
あゝソレナノニそれなのに、
だから「我慢」は子供のすること。「我慢」を卒業したら大人といってもいいんじゃないでしょうか?
とは・・・。
拠って立つところを根底からひっくり返されたような気分だ。
であれば、「そんなことできるわけないじゃねえか」とうっちゃっておけばよさそうなものだが、わたしにとって、そのまま通り過ぎるにはあまりにも魅力的なテーゼでもある。
う~ん・・・
悲しいようなうれしいような・・・
スキンヘッドをボリボリと掻きむしるオジさんなのであった。
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