近ごろどうも「愚直」という文字が気になって仕方がない。
自らを指して愚直、もしくは愚直に繰り返す、というその「愚直」がである。
私は嫌だ。
愚かかも知れないが、真っ直ぐでも正直でもない私に、自らをそう評する資格は当然のようにないし、
そもそも、他人さまがおっしゃることであれば、人それぞれの好き好きである。
だが、愚直というのは、自分で自分を形容する言葉ではなかろうと私は思うのだ。
人が人をそう評するのは、(褒めているにせよ揶揄しているにせよ)それはそれでいい。
だが、自分自身を「愚直」と呼ぶのはどんなものか。
ええかげん齢を重ねた人がその言葉を使うのを止めさせようとは思わない。
何度も言うが、人それぞれの好き好きだ。
だが、お節介ながら言わせてもらうと、
若い人は早いうちに、そんな物言いは止めたほうがいい。
だいいち、「愚直に繰り返す」だけでは進歩がないではないか。
ねえ。
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