鹿児島中央駅を6時すぎに出発し、福岡空港経由で高知空港に着いたのが10時すぎ。
早くなったもんだと感心したのだが、そこから車で1時間かけねば、会社へはたどり着けない。
まあだいたい、午前中はつぶれるとしたものである。
帰社した私を待ち構えていたのは書類の山・・・・・・、
なんて想像は見事にハズレ、見慣れない本が置いてあっただけだった。
「おい、それオレからのプレゼントや」と部屋の向こうから聞こえる声は、ボスのものである。
「これ、ジョークですか?(しかも2冊あるし)」
と私が問い返したのは、ひとしきり笑い転げたあと、やっと言葉が出るようになってからのことだった。
追い打ちをかけるように”若”が、
「部長、中身はいらないんじゃないですか、これだけあれば」と私に差し出したのは、
「帯」。
まったく親子で笑わせてくれるではないか。
となりに座るエースさんはさらに、「本読んで性格が直るわけないやんか」とボソリ。
「オレかよ」と言いながら、また笑い転げる私なのだが、
どうも社長は、いたってマジメな気持ちでこれをプレゼントしてくれたようで、ボスからの贈り物とあれば読まなければならぬのだろうが、
私はこの種の本が大嫌い、ときている。
ジョークだとすればかなりイケテルのだが、本気であればちと複雑、
どちらかといえば私は、「怒らない技術」よりは「(感情的にならずに)怒る技術」を教えてもらいたい人だからである。
嶋津良智
フォレスト出版