替え歌
ジュンコ
心の扉をノックしないでノックしないでノックしないで
してません
ノックしないでノックしないでノックしないで
してないってば
ノックしないでノック
してない
ノック
してない
ノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてない
完敗
(終)
替え歌
ジュンコ
心の扉をノックしないでノックしないでノックしないで
してません
ノックしないでノックしないでノックしないで
してないってば
ノックしないでノック
してない
ノック
してない
ノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてないノックしてない
完敗
(終)
萌芽落花ノート
〈設定〉
萌芽落花と書いて、ホガラカと読む。喫茶店の名前だ。
店内にはノートが常備されている。客は、それに好き勝手なことを書いていいことになっている。
レジの近くの客席の後ろの棚には、古いノートが何冊も並んでいる。それを読むのが楽しみで訪れる客もいる。ずっと以前に自分が書いた文章を読み返すために遠くからやって来る客も、たまにいる。
大方の客は、書かない。読まない。手に取るのさえ汚らわしく感じる人さえいる。
店のお奨めは、田舎者のココア。苦くて甘い。
時は、昭和の後半。所は、ありふれた地方都市。
1 人間はいないのか
「人間はいないのか」と
真昼にカンテラ提げて歩く君
「人間はいないのか
それとも 私には見えないのか」
鏡の前で佇むほど愚かでない君は
叫ぶしかない
「人間はいないのか
それとも 私には見えないのか」
「もしも 出会えたら?」
ぽっと頬を赤らめればよい
(終)