のれんをくぐってみたいがくぐれない。とくに京屋敷風の建物にかかるのれんは鉄の扉のように重い。予約のお客さんか常連さんしか、気軽に押せない。どうぞ、入いておくれやす!という気軽さとは裏腹にのれんの格式はいまだ高い。
のれんは日本独特の文化で海外ではあまり見たことはない。元々は日除けや風避け、塵除け、人目避け、防寒などの目的で使われていたようだ。鎌倉時代以降には商標などが描かれ、徐々にのれんにメッセージ性を持たせるようになったといわれている。江戸時代ころからお店の屋号や商標が入り、文字を染め抜いて、看板のような役割を果たすようになった。
また、お店の開店時にのれんを出すことで営業していることを示す合図にもなっている。
京都を歩いているとのれんに目が留まってしまう。ついついここはどんなご商売のお店かな? と想像をしてしまうほどである。メッセージ性の強い粋な商標が目立つことも、足止めの理由である。ただし、物見遊山的に中に入ることはほとんどない。
リポート&写真/ 渡邉雄二
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