雲龍院には、さまざまな感情を奮い立たせる雰囲気がある。心の運動ができる妙なる場所だと思っている。屋内にいながら外の風景をみせてくれる。写経道場や悟りの間もさることながら、「蓮華の間」や廊下の隅々にも繊細で妙なる情緒感性があふれている。
その「蓮華の間」に入ると、奥に4枚の窓ガラス付の雪見障子がある。お客様を迎えたとき、茶席で言う寄付き待合いの部屋のようでもある。その4枚の窓から庭が目に入る。ある位置(写真で言うなら、左側手前)に座り窓を通し眺めると、春なら一番左の窓からは椿、そして順次右の窓からは、灯篭、楓、松が見られる。彩の異なる風景を窓越しに味わえる。これを「色紙の景色」と呼ばれ、訪れた人々を楽しませている。
また、雲龍院の廊下の隅々には幻想的な活け花がしつらえてある。歴史と伝統ある空間に、自然の領域をも超えた現代の創作美が絶妙にマッチしている。
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