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壽量院に伝わる精進料理は、まさに日本のおもてなし最高傑作。

2020-08-09 15:56:42 | 伝統食

壽量院での「文化想造塾<壽量院>-精進料理を楽しむ-」イベント当日はあいにく朝から雨になった。前回、壽量院を訪れ、ちょうど二か月後である。
姫路の書写山ロープウエー乗り場に11時30分に集合、雨に濡れる書写山に登った。雨のせいか人出は少ない。ロープウエーを降り圓教寺大講堂までの道程で、最初の塔頭が今回の訪問地「壽量院」である。

前回紹介したように、壽量院は圓教寺の迎賓館の役割を果たすお寺である。壽量院は国重要文化財の一つで、当時全国から集まる高僧や公家の宿にもなり、おもてなしをする場所として栄えたお寺である。その役割としてその当時の接客用の精進料理がいまに伝わったといわれている。

精進料理といえば、想像するのが一汁一菜、二菜というイメージがある。僧の日頃の食事を精進料理と思い込んでいた。写真にあるこのような華やかな料理も接待用の精進料理である。正確には精進本膳料理というらしい。今回、楽しませていただいた精進本膳料理は、第一膳、第二膳、第三膳が目の前に並んだ。膳に入りきれないお品もその都度運ばれてきた。食前酒の梅酒を入れると全部で19品である。品数もさることながら驚嘆の見栄えである。薄味もあれば、梅酒に合う少し濃味も全体にそれぞれの味がバランスよく調えられている。盛り付けられている器や膳はすべて書写塗りである。その器に旬の野菜類が色とりどりに添えられている。

料理をいただきながら、料理長から精進本膳料理について、そしてメニューや食材、さらに “寺院と食” について聞かせていただいた。

一品ずつの説明はまたの機会にして、この壽量院に伝わる、500年前に書かれたといわれている古文書で伝承されている調理法に基づき作られた料理を堪能させていただいた。作り手の思いが見事に表現され、最高の精進料理を楽しませていただいた。これぞ、おもてなし料理の最高傑作。

霞かかる山々、雨に濡れる木々を眺めながらいただく食事は俗世を忘れさせてくれる時間となった。


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