写経を日課としている人も多いだろう。私のように思いついたときにする人などさまざまであるが、
書き終えたときは不思議とスッキリする。
仏画曼荼羅アート教室では、仏画と般若心経が一体になった作品づくりをしている。
生徒の皆さんは般若心経を書くことが普通になっているが、残念なことに私は写経をする機会が減っている。
そのためか、京都に出かけた折には、たまにではあるが雲龍院を訪ねるよう心がけている。
京都で写経をするのは雲龍院に決めている。それは、私のとって心地よい写経所だからである。
通常は本尊薬師如来像が祀られている本堂(龍華殿)で写経するが、
最近は諸事情で歴代の天皇や皇子や皇女の尊牌が奉安されている霊明殿が多い。
閉ざされた神聖な拝殿での雰囲気はなにせ最高である。
雲龍院では写経をする前にちょっとしたルールがある。
それは、口から発することを清めるために丁字(ちょうじ)の木の花のつぼみを乾燥させたグローブという
香辛料(漢方薬にも使う)を口に含み、さらに手を清めるために香木や漢薬などの香原料である塗香を手にすり込む。
最後に心を清めるために洒水を頭にほんの少し注いでから写経に臨む。これらの所作が神聖な気持ちを高めてくれる。
写経が終わると書院にて庭園を見ながら抹茶と茶菓子をいただくのも珠玉である。
庭園や書院、方丈を見て回るのも楽しい。
そして、雲龍院の美しいおもてなしとして、
廊下の隅々に飾られている花が写経とおなじように心を解きほぐしてくれる。
それがまた嬉しい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます