ポエ活

村田活彦 a.k.a.MC長老のブログ。ポエトリー・スラム・ジャパン代表。ラップスクール2期生。

空気人形

2009年11月16日 00時02分51秒 | 映画・アニメ・動画
映画「空気人形」観てきました。


また泣かされちまったよ、是枝監督に。
しかも
ARATAとペ・ドゥナが
バイトしてるビデオ店のウィンドウを両側から磨いてるっていう
なんてことはないシーンで
ぐすぐすっと。


スクリーンの景色がね、いちいち魔法がかかってるみたいに
東京ってこんなに美しい街だったんだって
気づかされる。

冒頭で板尾創路が
ゆりかもめ(だと思うんだけど)に乗ってる場面からして
外国映画かと思ったし、
コンビニにさえ情感がただよってる。

(これけっこううちの近所で撮ってるんだぜ)


こういう、美しくてエロティックで滑稽で残酷な物語
かつてフランス映画で
いっぱい観た気がする。


そう、風景は光にあふれていて、ラストの悲劇さえも鮮やかで。




むかしむかし、つきあっていた人が
悲しい結末の映画や小説を観たり読んだりするたびに
憤慨していた。

「どうして悲しいまま終わらせるんだろう。
お話のなかくらい幸せにしてあげればいいのに」って


その言葉はときどき思い出す。


その頃の自分は、なんて答えていいものかわからず
「それはあれだよ、作者の意図としてさ…」なんてことをもごもご言って
でも彼女は不服そうなままで。


この映画をみた今なら
ちょっとは上手くは答えられるかな。