いのりむし日記

いのりむしの備忘録です。

Nakajima Hisae

鎌井松石の三重本草展

2012-01-29 | 四日市情報

 鎌井松石の三重本草展が、今年も四日市博物館で開催されている。
 鎌井松石(1816-1892)は、河曲郡十日市場百々川(現在の鈴鹿市神戸)に生まれ、医学を学んだ後、三重郡小山田村西山(現在の四日市市)に移住した。
 50歳の時に書き上げたと思われる『本草正譌』は、磯野直秀『日本博物誌年表』によると、「異名や方言と注釈の大半は『本草綱目啓蒙』の丸写しで、誤りを正すという題名にふさわしくない。独自といえるのは植物に線画を添えることが多い点」と指摘されている。しかし、これはおそらく松石初期の著で、その後、県内を精力的に調査し、伊藤圭介・山本亡洋・飯沼欲斎や丹波修治など同好の人びとと交流を深めながら、次々と著作を発表した。

 今回の展示では鮮やかな挿絵の三重本草の稿本などが展示されていて、50歳代以降調査と研究を楽しんだ松石を、近くで感じることができる。

Syousekihonnzou

“鎌井松石の三重本草”展
2012年1月4日~2月12日
四日市市立博物館 3階 サルビアギャラリー
三重本草稿  三重本草稿附録  再査三重本革博物地誌稿  紀伊・志摩水族写生 乾・坤  大椙渓大台山巡回紀行  三重古事記稿  神風古誌  鉱碩品頬見本  岩石等標本

 上記以外の松石の著作は、『三重県史 別編 自然』で『三重県博物図稿』の影印を読むことができる。また、国立国会図書館が所蔵する明治・大正・昭和前期刊行図書のデジタル画像をインターネットで提供している近代デジタルライブラリー(もちろん無料)から、以下の資料を読むことができる。残念ながら画像が白黒なのは、デジタル化に使用した資料がマイクロフィルムであったためだろうか。
  澳国博覧会物品点検録 / 鎌井松石著,写(自筆), 1872 
   三重管内博物誌. 巻1-16 / 鎌井松石著,鎌井松石, 明治13 

近代デジタルライブラリー

http://kindai.ndl.go.jp/index.html

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