南海トラフのほぼ全域のプレートが破壊された宝永地震（１７０７年）は、高知、大坂、尾鷲など各地に甚大な被害を及ぼした。
四日市市史によると、四日市の被害は家屋の倒壊１５２軒、大破損５２４軒といわれ、津波にも襲われた。津波の規模は不明だが、四日市町、浜田村、浜一色村の新田や、馳出・六呂見あたりにあった塩田が破壊されたという。塩田は、その後再建されることなく、新田に姿を変えた。
尾張藩士朝日重章の日記『鸚鵡籠中記』には「四日市家五百三十軒流」とあるから、家屋の倒壊１５２軒とは揺れによるもので、大破損５２４軒は津波が原因だろうか。
先日発表された内閣府有識者会議の中間発表では、東海・東南海・南海地震の想定震源域が大幅に見直され、新たな想定では沿岸部にコンビナートの広がる四日市も含まれている。設備の老朽化、液状化、津波、津波火災など、対策の見直しを急いでほしい。
今年を観光元年と位置付けている四日市市の観光戦略会議（座長 服部敦）は、先日「Weicome to City ４３」を発表した。戦略会議は「４３」という数字に注目、４３にちなんだ企画を提案している。
「戦略」とは何と戦うのかわからないが、キーワードが語呂合わせな数字だなんて、長島温泉と鈴鹿サーキットの間に位置しながらも、観光資源が乏しく数字を獲得できない当地へのジョークかと思ったわ。このゆるゆるを、面白がることができるかどうかの軽さ加減が、“ミソ”でしょうか。
尾張藩士朝日重章の日記『鸚鵡籠中記』に、宝永地震（１７０７年）の体験が記されていると知り、さっそく宝永４年１０月を読む。
地震発生当日の名古屋での様子の他に、各地の被害状況も記されている。紀伊半島沖で発生した巨大地震の津波は、各方面に大きな被害をもたらしたが、重章の記録では、知多や四日市にも達したようで、「四日市家五百三十軒流」とある。どこだろう、本当だろうか。当地の記録も調べてみよう。
