1950年代のジャズはバップ期でした。以前に私のこの場でもご説明したとおり「個人のアドリブ・ソロ」に重点を置いたジャズは、「もっと個性的に。もっと先進的に。」と和声を複雑化しました。このムーブメントは従来のジャズに貼られていたイメージ
・クラシックやブラバンの楽器を使い
・有名な流行歌などをモティーフに
・黒人がローカルで楽しんでいたリズムや旋律の崩し方を適用して
演奏している音楽。つまりはある種のパロディーと言うかリミックスと言うか、とにかく他の音楽要素をかき集めた音楽から、ジャズをより明確な存在感を持ったジャンルに昇華させた。という意義があります。
ただしより先鋭的になれば和声は限界まで複雑化しました。従来のジャズの基本「Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」やブルース進行から大きく離れ、ついにはジョン・コルトレーンの「GiantSteps」のようなそれまでバルトークぐらいしか考え付かなかったような展開の曲が出現しました。バップがもはや進化の限界に到達したような曲です。
これ以上の進化はバップに残されていないのか?ジャズが選んだ進化として一般に語られるモード・ジャズですが本当にそうであったのか?次回に引き続き考察したいと思います。いつになるかは・・・???。
以前にも紹介させていただいたのですがハード・バップとしてだけで無く、もはや音楽史に輝く名曲「GiantSteps」の初録音が収録されたアルバムです。