「勘竹庵」evnc_chckの音楽やそれ以外

音楽の話題が中心になるかもしれませんが日々の雑感など書いていけたらと思っています。

ヒレから翼へ・・・(最終回)

2009-07-31 00:03:30 | 古生物
少し前の記事ですが恐竜に関して新たな発見のようです。

恐竜と鳥つなぐ“手” 中国で新種の化石発見
(06/18 02:07)

 鳥類は恐竜から進化したとする「恐竜起源説」が有力で、翼は手の進化の結果と考えられている。だが骨格部分となって翼を支えている鳥の手と、恐竜の手には、起源が同じとは見なせない大きな違いがあり謎だったが、最大の疑問だった手の構造の違いを合理的に説明できる重要な発見である。

 化石はジュラ紀後期の約1億6千万年前の地層から出土、恐竜の体長は約1・7メートルの獣脚類の仲間とみられ、「リムサウルス」と名付けられた。
(一部抜粋)

==========================

人類が知る限り、過去、脊椎動物は3度空を飛んでいます。「翼竜」「鳥」それから哺乳類の「こうもり」です。

前回までは爬虫類である翼竜と、我々と同じ哺乳類のこうもり、そして鳥の翼について少し説明いたしました。

それでは今回の発見である「リムサウルス」が、恐竜→鳥への進化にどのような意義を持っているのでしょうか?

鳥が恐竜、特に獣脚類恐竜から進化した。とする説はほぼ確実というのが現状なのですが、アンチ「恐竜=鳥」派はまだまだ根強いのも事実です。これら反対派の根拠は「鳥にあって」「恐竜に無い」特徴を一つ一つ挙げて、「化石証拠を見せろ」というものです。かつては「羽毛」の、また鳥の胸にある「叉骨」というV字型の骨もそうでした。これらは時間が進む中で次々と化石証拠が見つかり、「恐竜=鳥」説は真実味を色濃くしていっています。

現生の鳥が持つ指の特徴も反対派が挙げるものの一つでした。

鳥は前述したとおり人間で言う第二、三、四指の3本の指を持っており、恐竜も初期のヘルレラサウルスのような4本指や、後期のティラノサウルスのような2本指のものもいますが、多くの獣脚類恐竜は3本指です。しかしこれがどの指が退化して、どの指が残って3本なのかがよくわからなかったのです。
ところが今回の発見であるリムサウルスは3本指ですが、第一指は甲まで骨がありながらも指の部分は退化してなくなっています。と言う事は恐竜は第五指から退化し、次に第一指が退化したため、残りの3本指は鳥と同じ第二、三、四指である証拠となりえるわけです。

もちろんこれはリムサウルスに限ったことかもしれませんが、ひょっとすると今後の同様の化石証拠が発見されて、より強固な説となっていくのかもしれません。

「恐竜=鳥」の物的な証拠は今後も調査が進むにつれ、次々と新しい事実によってより強固なものになっていくことでしょう。

しかし鳥が地面から飛び上がって飛ぶようになったのか?木や崖など高いところから飛び降りて飛ぶようになったのか?未だ議論が続いています。

ヒレから翼へ・・・(4)

2009-07-29 00:03:39 | 古生物
少し前の記事ですが恐竜に関して新たな発見のようです。

恐竜と鳥つなぐ“手” 中国で新種の化石発見
(06/18 02:07)

 鳥類は恐竜から進化したとする「恐竜起源説」が有力で、翼は手の進化の結果と考えられている。だが骨格部分となって翼を支えている鳥の手と、恐竜の手には、起源が同じとは見なせない大きな違いがあり謎だったが、最大の疑問だった手の構造の違いを合理的に説明できる重要な発見である。

 化石はジュラ紀後期の約1億6千万年前の地層から出土、恐竜の体長は約1・7メートルの獣脚類の仲間とみられ、「リムサウルス」と名付けられた。
(一部抜粋)

==========================

人類が知る限り、過去、脊椎動物は3度空を飛んでいます。「翼竜」「鳥」それから哺乳類の「こうもり」です。

前回まではこのうちの爬虫類である翼竜と、我々と同じ哺乳類のこうもりの翼について少し説明いたしました。

では鳥の翼はどうなっているのでしょうか?

前肢が翼へと変化したことは翼竜やこうもりと同じです。しかし鳥は指や脇の部分の膜を発達させる方法では無く、指や腕に「羽」を付けることで翼を作り出しました。

鳥には第二、三、四の3本の指がありますが、指の関節を支える中手骨、所謂手のひらの骨は人間で言う中指の分だけの1本しか無く、指自体も殆ど棒のような形状です。から揚げでお馴染みの手羽先を思い浮かべてください。手羽先を食べるときにもち手代わりにつかむ細い部分が指で、そこから「ツンッ」と飛び出ている棘のようなのが第二指です。柔らかくておいしい部分は下腕(前腕)です。

羽はこの3本の指のうち第三、四指に付いており、この部分の羽を初列風切羽と呼びます。だいたい10枚前後あります。

下腕にも羽がはえていますがこの羽を次列風切羽と呼び、小型の羽ばたいて飛ぶスズメのような鳥と、アホウドリのようにあまり羽ばたかずもっぱら滑空する鳥とで、6枚から37枚まで枚数はまちまちです。

上腕から胴体にかけての羽は三列風切羽と言います。

鳥の翼の構造について簡単ではありますが説明させていただきました。

それでは今回の発見である「リムサウルス」が、恐竜→鳥への進化にどのような意義を持っているのでしょうか?

次回、ようやくその意義を説明させていただきます。

スーパーモデルって・・・?

2009-07-28 00:07:51 | Weblog
朝、テレビのニュースを何気に見ていたら「第一回東京スーパーモデルコンテスト」の優勝者の紹介をしていました。

コンテストの主旨は特に興味も無いので存じ上げませんが、いつから国内で大量に刊行されているファッション雑誌のモデルに、「スーパーモデル」という言葉が使われるようになったのであろう?

職業に貴賎はありませんので、モデルという職業に限らずそのステイタスが向上するのは結構なことですが、1990年代に持て囃された単語を今更ここで持ってくるのは混乱を招くような気がします。

そもそもトップモデルとして、世界一流のファッション・ショーや、国際的に評価の高いファッション誌を舞台にされている方々と混同してしまうような報道のされ方や扱い方は少々気になりますね・・・。

あまりにも適正さを欠く言葉使いに思え、珍しく気になっていろいろ書いてしまいました。

ヒレから翼へ・・・(3)

2009-07-27 00:09:00 | 古生物
少し前の記事ですが恐竜に関して新たな発見のようです。

恐竜と鳥つなぐ“手” 中国で新種の化石発見
(06/18 02:07)

 鳥類は恐竜から進化したとする「恐竜起源説」が有力で、翼は手の進化の結果と考えられている。だが骨格部分となって翼を支えている鳥の手と、恐竜の手には、起源が同じとは見なせない大きな違いがあり謎だったが、最大の疑問だった手の構造の違いを合理的に説明できる重要な発見である。

 化石はジュラ紀後期の約1億6千万年前の地層から出土、恐竜の体長は約1・7メートルの獣脚類の仲間とみられ、「リムサウルス」と名付けられた。
(一部抜粋)

==========================

人類が知る限り、過去、脊椎動物は3度空を飛んでいます。「翼竜」「鳥」それから哺乳類の「こうもり」です。

ところで翼竜とこうもりの翼の違いはご存知ですか?

今回はこのうちのこうもりの翼について簡単に書かせていただきます。

こうもりの場合は第一指(人間で言う親指)以外の4本の指が長く伸び、翼竜と同様に腕から後肢にかけて薄い膜がはって翼になっています。普通の長さの指は第一指だけのため、物をつかんだりはできません。よくこうもりが逆さになって後肢で木の枝や、洞窟の天井にぶら下がっている写真などを目にしますが、この状態で排便したりすると、体や顔についてしまいそうです。運が悪いと口や鼻に便が流れ込んで、それはそれは大変なことに・・・。

実は排便時などは普通の長さの第一指一本でぶら下がり、ちゃんと下に向かって便を排出することがあるそうです。

さて翼の話ですが、こうもりは翼竜と違い4本の指に膜がはられた形状をしているため、我々が手の指を関節や筋肉の許す限り自由に動かせるのと同様に、この4本の指を動かして細かく翼をコントロールすることができ、翼を閉じるのもまさにこうもり傘をすぼめるようにできます。
空中で信じられない角度で急旋回できるのは、この巧みな翼のコントロールのおかげです。

さて長くなりましたが爬虫類である翼竜と、我々と同じ哺乳類のこうもりの翼について少し説明いたしました。
ここでようやく本題です。

次回は本題である鳥の翼について簡単に書かせていただきます。

ヒレから翼へ・・・(2)

2009-07-24 00:06:43 | 古生物
少し前の記事ですが恐竜に関して新たな発見のようです。

恐竜と鳥つなぐ“手” 中国で新種の化石発見
(06/18 02:07)

 鳥類は恐竜から進化したとする「恐竜起源説」が有力で、翼は手の進化の結果と考えられている。だが骨格部分となって翼を支えている鳥の手と、恐竜の手には、起源が同じとは見なせない大きな違いがあり謎だったが、最大の疑問だった手の構造の違いを合理的に説明できる重要な発見である。

 化石はジュラ紀後期の約1億6千万年前の地層から出土、恐竜の体長は約1・7メートルの獣脚類の仲間とみられ、「リムサウルス」と名付けられた。
(一部抜粋)

==========================

人類が知る限り、過去、脊椎動物は3度空を飛んでいます。「翼竜」「鳥」それから哺乳類の「こうもり」です。

ところで翼竜とこうもりの翼の違いはご存知ですか?

今回はこのうちの翼竜の翼について簡単に書かせていただきます。

地上の脊椎動物は元々は海に棲んでいた魚から進化した生き物が、勇気をふりしぼって陸に上がったのが始まりです。ですから全ての脊椎動物の手(前肢)は水をかくための鰭が形状を変えたものです。
人間は現在5本の指を持っていますが、陸生を始めたばかりの両生類の祖先は6本以上の指を持っていたものも発見されていますが、現在の人間や猿のようなものをしっかり掴む機能を持ってはおらず、最近の復元では殆ど魚の鰭のような膜でつながった形状で描かれています。
それがやがては陸生に完全に適応するにつれ、エサを取ったり、敵と戦ったりするために手(前肢)は道具としての機能を高め、やがて必要に応じて指の数が減っていきます。

人間は5本の指を持っているために、それを基準に指の退化を説明することが普通ですが、親指を第一指として数えると翼竜は第五指が退化して無くなっています。
そして第四指、つまり薬指だけが長く伸びており、この長い薬指と腕から後肢にかけて薄い膜がはって翼になっています。残りの第一指から第三指は翼の中間あたりに鉤爪のついた普通の指として残っており、これでエサをつかんだり木に登ったりできたと考えられています。

何にしても膜を支える骨が実質1本しか無いわけで、イメージとしては旗のようなものです。これでは羽ばたいたり広げたり閉じたり、といったコントロールが十分にできないのでは?という根拠から以前は翼竜は高い木や崖にえっちらおっちらと登って、そこから滑空することしかできなかった。と考えられていました。
しかし、化石を観察していくうちに膜の表面に筋肉の付いていた痕や、血管が走っていた痕が判断でき、それらを使って複雑に膜をコントロールして巧みに飛行したと、現在では考えられています。

次回はこうもりの翼について簡単に書かせていただきます。

ヒレから翼へ・・・(1)

2009-07-22 00:04:53 | 古生物
少し前の記事ですが恐竜に関して新たな発見のようです。

恐竜と鳥つなぐ“手” 中国で新種の化石発見
(06/18 02:07)

 恐竜と鳥類、両方の手の特徴を持つ新種の恐竜化石を、中国科学院や米国、カナダなどの研究チームが新疆ウイグル自治区で発見し、18日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 鳥類は恐竜から進化したとする「恐竜起源説」が有力で、翼は手の進化の結果と考えられている。だが骨格部分となって翼を支えている鳥の手と、恐竜の手には、起源が同じとは見なせない大きな違いがあり謎だった。

 日本の国立科学博物館の真鍋真研究主幹は「最大の疑問だった手の構造の違いを合理的に説明できる重要な発見だ」と話しており、恐竜起源説の有力な証拠になりそうだ。

 化石はジュラ紀後期の約1億6千万年前のぬかるんだ泥だった地層から出土、恐竜の体長は約1・7メートルと推定される。ティラノサウルスを含む獣脚類の仲間とみられ、ラテン語で「泥」を意味する「リム
ス」から「リムサウルス」と名付けられた。

==========================

人類が知る限り、過去、脊椎動物は3度空を飛んでいます。「翼竜」「鳥」それから哺乳類の「こうもり」です。魚のトビウオとか哺乳類のムササビは滑空しているだけですので除きます。

そしてこれらの脊椎動物は人間の「手」と「腕」にあたる部分に翼を持っていて、それを羽ばたいたり広げたりして飛翔しているわけです。
翼竜やこうもりは人間で言う「指」が長く伸びて、その長い指と腕や足の間に大きな膜がはられて、これが翼になっています。指や腕についた膜なので人間が手のひらを閉じるように翼をたたむことができるわけです。

ところで翼竜やそれによく似たモンスターを描かれると、翼をこうもりのように描いてしまう方がおられるのでは無いかと思います。あのコミック版デビルマンの翼のような感じです。ちなみに最初に放映されたアニメ版デビルマンの翼は、ヒーローらしく三日月を背中合わせにしたような形状でしたが、とりあえず関係無いですね・・・。

少し脱線してますが、次回せっかくなので翼竜とこうもりの翼の違いを簡単に書かせていただきます。

漢(をとこ)は肉

2009-07-20 00:05:20 | お料理
料理を作るのも実は好きなevnc_chckでございます。

男は総じて肉好きでは無いかと持論をふりかざすわけですが、かく言う私も日ごろ(夜毎)の生活は草食系男子でありながら、食生活に関しては何を食べようかと思案するとまず肉を選択してしまいます。

そんな肉好き男子の私は子供のころ近所の肉屋さんで母が「極めて稀に」買ってくれた焼豚(チャーシュー)を、一度でいいからたらふく食してみたいものだ。と五位のようなつつましやかな夢を持ちつつ大人になりました。

結局、私の前には藤原利仁は現れず、大人になった今では我が家はもらい物でもしない限りチャーシューは私の手作りです。

チャーシューは肉の塊にタレをかけながらオーブンで焼く方法と、肉の表面を焼いておいてタレの中で煮込む方法の両方を使い分けていますが、最近は手間の要らない煮込む方法がもっぱらです。

肉は豚のバラ肉の塊かロースの塊を使います。脂たっぷりがお好みなら迷わずバラ肉ですが、最近ちょくちょく目にする皮付きのバラ肉はチャーシューにするより角煮にすることをお薦めします。

ロースの塊を使用する場合はそのまま使いますが、バラの場合は一手間かけると見た目が良くなります。バラ肉はたいてい幅100mm、厚み40mm、長さ300mmくらいの棒状で売られていると思います。もちろんプロ用はまさにアバラからはずしたままの姿もあるでしょうが、一般にスーパーなどではこの形状に切り分けパック詰めされています。
で、これを厚みが15~20mmくらいになるように包丁でスライスします。厚み部分から包丁を長手方向に入れていきますが、最後まで切らずにはじを少し残します。もう少しわかりやすく言うと幅100mm、厚み15~20mm、長さ600~800mmくらいのテープ状に加工するわけです。
そしてこの肉のテープを長手方向に巻き込んでロールケーキのようにします。更にそのままでは焼いたり煮たりしているうちにほどけてしまいますからタコ糸でグルグルと縛ります。糸と糸の間からはみ出るボンデージ風のお肉がとてもエロティックで・・・い、いかんぞ!料理作れよ!

軽く肉に塩コショウをふり、こげないように少しすり込みます。そしてフライパンに油を引いて表面が少し焼色が付く程度まで焼きます。
あとは焼き色のついた肉の塊を煮汁の中で煮込むだけでできあがりです。

<煮汁>
・たまねぎのすりおろし(肉の塊が6個までくらいなら1個で十分)
・にんじんのすりおろし(肉の塊が6個までくらいなら1本で十分)
・にんにく、しょうがのすりおろし少々(チューブで市販のものでOKです)
・しょうゆ1:酒2:みりん1の配合で鍋に入れて肉がかぶるくらいで調節してください
・砂糖(量は好みで 甘めが好みなら当然多く)
・ゴマ油(香り付けなので大さじ1くらいで十分ですがお好みで調節してください)
・牡蠣油(香り付けなので大さじ1くらいで十分ですがお好みで調節してください)
・塩コショウ少々
・中華スープ少々(入れるとコクが出ますがせっかく豚肉を煮込むのでほどほどに)

これを肉と一緒に鍋に入れて落し蓋をして煮込みます。弱火で40分煮込んだら肉の上下を逆にして更に40分煮込みます。煮汁の表面に浮かぶアクと肉の脂は時々すくってください。
落し蓋が無ければキッチンペーパーに長さ1cmくらいの切れ目を20箇所くらい入れたものでも十分に代用できます。(私は落し蓋を洗うのが面倒なのでいつもこの方法です。)
ちなみに落し蓋をアルミホイルで代用する方法もありますが、少し金属の臭いがつくので個人的には好きではありません。

煮汁は肉や野菜のうまみをたっぷり含んでいるので捨てるのはもったいないです。表面の油を十分にすくって冷蔵庫に保管しておけば、野菜炒めや焼ソバの味付けに活用できます。

スライスして軽く焼いてそのまま贅沢にパクついても良し。当然ラーメンに入れても良し。残り少なくなったら刻んでチャーハンの具にしても良し。時間はかかりますが大した手間は要りませんので是非!

DTMの効能(ウソウソ)

2009-07-17 23:50:39 | 音楽(全般)
先日、家内とクルマに乗っていますと突然、家内が黒人霊歌のCDをカバンから出して「聴きたい」と言い出しました。歌はバーバラ・ヘンドリックスで、ピアノ伴奏をドミトリー・アレクセイエフが担当しているアルバムでした。家内は「ゴスペルだ」と言い張りますが、そもそもがクラシック畑の演奏家によるものですし、ゴスペルほど熱いパフォーマンスでも無いし、非常にストレートな透明感のある歌声ですので、これは黒人霊歌ですね。ゴスペルがひねくれて濁った歌声という意味では無いので念のため。

それはともかく聴きながら楽譜を出してきたので何事かと思うと、実はこの中の一曲を演奏しなくてはいけないらしいのです。

家内が勤務している音大の教授がクラシック以外の歌曲をいろいろ研究して、それを演奏会形式のゼミで発表する中で黒人霊歌が出てくるそうです。それで慌ててネタCDを手に入れて聴き始めた。というわけです。
ところが楽譜を見るとメロと歌詞の他はコードしか書いてありません。しかもドミトリー・アレクセイエフもジャズ・テイスト満載の伴奏で、コーラスごとに全然違うことを弾いており、バーバラ・ヘンドリックスは思いっきりスィングしてフェイクして唄っています。家内も必死に聴きながら音をとっているようなのですが、そのうちに「こんなん弾けないわ!」とキレ始めました。

仕方無いので後で少し面倒を見ることでその場は収めたのですが、帰って来て改めてヘンドリックスの演奏を聴くと、明らかにブルースになっていて正直ネタがわかると興味が失せてしまい、「まぁ、いっか・・・」と家内が何も言い出さないのをいいことに放置していました。

で、完全に忘れていたところ、昨日の22時過ぎに家内が「土曜日に本番だからすぐに用意して欲しい」と、勤務先でもまず耳にしない厳しい納期を指定して来ました(えぇ!)。

で、しぶしぶリハーモナイズをしながら、コード・ネームを楽譜に書いていますと、家内が一言。
「私はコードはわからない。」

・・・あぁ、そうだったね・・・って、そんなやつがこんな仕事引き受けるなよ!

結局、大譜表に和音だけで無く、ベースや経過音(アドリブみたいなもんですね)もきっちり記譜することになりました。
しかしDTMで楽器を使わずに曲を創るクセがあったおかげで一切ピアノを使わずに済んだため、40分くらいで完了しました。
こんな便利なDTM。あなたも今日から始めませんか?

しかしコード読め無い人間にコード譜を渡して、何とかなると思ってるその音大の教授。ちゃんと研究してるのか少し怪しい・・・。ウィキペディアかなんかから表面上の歴史をちょろちょろっと調べておしまい
じゃないよな?!

恐竜界の偽装王(最終回)

2009-07-13 00:03:02 | 古生物
東京の上野にある国立博物館で開催していた「大恐竜展知られざる南半球の支配者」に行って参りました。開催期間が2009年6月21日までだったのですが、もう終了しているので言いたいことが書けると思いまして、今回、思ったことを。

前回はこの恐竜展の目玉であるマプサウルスを紹介いたしました。

ところでこの記事に添付している画像をご覧ください。画像の向かって左上が今回の巨大肉食恐竜マプサウルスの頭骨部分です。なにせ13mもある生物ですから、頭も展示台を含めて4mくらいの位置にあるので、一生懸命手を伸ばして撮影しておりますがややピンボケですいません。

恐竜の頭骨は人間と違っていくつか穴が開いています。これは頭骨を軽くしたり筋肉がつく位置であったりするのですが、特に目の後ろ、ちょうどこめかみのあたりの穴を「側頭窓」と呼びます。
恐竜は顎関節が無いのでこの側頭窓から下顎に強い筋肉がついています。

マプサウルスはテタヌラ類という分岐分類学上の分類に入っていますが、これはジュラ紀を代表する肉食恐竜のアロサウルスを含みます。向かって右上の画像が福井県立恐竜博物館に展示されているアロサウルスの頭骨です。頭骨の高さがアロサウルスは高く、マプサウルスは低いので、マプサウルスの頭はややほっそりした形状ですが、下顎の形状や鼻の形状、歯の形状や顎への歯の付き方などに共通点がありますね。
また同じテタヌラ類で、マプサウルスと同じ南半球にあるアフリカ大陸で発見された巨大肉食恐竜に、「カルカロドントサウルス」がいます。アロサウルスに近い仲間と考えられていますが、画像の向かって左下がそのカルカロドントサウルスの頭骨です。上野の国立博物館の地球館の地下1階で常設展示されているものを撮影してきました。

同じテタヌラなのですが、マプサウルスの側頭窓とアロサウルス、カルカロドントサウルスの側頭窓を見比べてください。妙に後ろに広がっているように感じませんでしょうか?マプサウルスはカルカロドントサウルスに近い種と言う事で、カルカロドントサウルス科と分類されているのですが・・・。

実はこの恐竜を発掘して復元したコリア教授は、以前にやはり南米で発見された巨大な肉食恐竜「ギガノトサウルス」も発掘・復元しています。画像右下がその「ギガノトサウルス」です。こちらも上野の国立博物館の地球館の地下1階で常設展示されているものです。

1998年に日本で開催された恐竜展の目玉の一つが、この「ギガノトサウルス」でした。当時も「ティラノサウルスをも凌駕する巨大肉食恐竜!」として喧伝されていたものです。
この恐竜もカルカロドントサウルス科で分類されていていますが、こちらの側頭窓はもっとはなはだしく広がって、もはや丸窓の様相を呈しています。

この恐竜の復元が発表された当時、多くの学者が側頭窓の復元に疑問を表明しているのですが、化石自体はこの部分がつぶれて未発見であったため、コリア教授自らが「ケラトサウルス類」を参考にした。と回答しています。ケラトサウルス類はテタヌラ類より原始的な肉食恐竜の分類で、一般に側頭窓が広い種類なのですが、ギガノトサウルスを「テタヌラ」で分類しておいて、ここだけケラトサウルス類を参考にしたことに、「最大級の肉食恐竜」にこだわるあまり、人為的にここを伸ばしてサイズを稼いだのでは?と疑問視する意見が多く見られます。
そしてマプサウルスもどうやら同様の復元方針が採られたのでは無いか?という意見があるようですが、この4つの画像をご覧いただきみなさんはどう理解されますか?

以上、恐竜ファンなら「もう知ってるよ!」なエピソードですが、恐竜業界(ってあるのか?)でもやはり、「自分の発見した恐竜は史上最大の○○」みたいなインパクトが欲しいのは、どの世界でも同じだという意味で1つ紹介させていただきました。

恐竜界の偽装王(2)

2009-07-11 00:09:19 | 古生物
東京の上野にある国立博物館で開催していた「大恐竜展知られざる南半球の支配者」に行って参りました。開催期間が2009年6月21日までだったのですが、もう終了しているので言いたいことが書けると思いまして、今回、思ったことを。

今回のこの恐竜展の目玉は、アルゼンチンで発見された巨大な肉食恐竜「マプサウルス(Mapusaurus roseae)」です。
最大で13mくらいにはなったであろう。という巨大さが恐竜界のトップ・スター(なんじゃそりゃ)「ティラノサウルス」を超える(かもしれない)巨大さ。という期待なんでしょうが、本当にこの恐竜化石の発見が重要なのはその産状でした。

このマプサウルスの化石が発見されたのは1997年ころのようです。2000年にドン・レッセムという、映画「ジュラシック・パーク」の監修を努めたらしい人の書いた記事に、アルゼンチンでこの恐竜化石が発見されて2000年2月に調査結果の中間報告がされた。と書かれていました。報告を行ったのはカナダの学者でアルバートサウルスの研究で有名なフィリップ・カーリー博士と、アルゼンチンのロドルフォ・コリア教授でした。
この恐竜の化石はアルゼンチンのパダゴニアの砂漠の同じ場所から、実に大小いろいろな成長過程の7体もの個体が発見されたのです。カーリー博士とコリア教授は殆ど同じ時期に、カナダのアルバータでやはり同じ肉食恐竜のアルバートサウルスの9体の大小さまざまな個体を発見しています。
つまりマプサウルス発見の意義は、「巨大肉食恐竜」がライオンのような群れを形成して生活していたという仮説の証拠の1つなのです。

しかしやはり興行である以上は「群れを作って生活していた肉食恐竜!」よりも「あのティラノサウルスをも凌駕する巨大肉食恐竜!」のほうがインパクトがあるのでしょう。どうもそちらばかりがクローズアップされているようでした。

この恐竜展の目玉であるマプサウルスを紹介いたしました。
次回こそこの恐竜にまつわるおもしろいエピソードをご紹介いたします。