goo blog サービス終了のお知らせ 

「勘竹庵」evnc_chckの音楽やそれ以外

音楽の話題が中心になるかもしれませんが日々の雑感など書いていけたらと思っています。

遠い記憶のトラウマ・コミック「コインロッカー氏」(最終回)

2009-06-14 00:07:50 | コミック
幼少の頃に強烈に印象に残り最早トラウマと化したコミックを紹介しています。
*かなり子供だったんでややうろ覚えウロボロス・・・。

途中でロッカーの中の男が喫煙していて、ロッカーを借りに来た客に見つかり火事騒ぎになりかけたり、学校帰りに街で遊ぼうとロッカーの陰で私服に着替えている女子高生を見て、男たちがロッカーの壁をコツコツと叩いて情報共有するので女子高生がおびえたり。といった軽いエピソードが挿入されついにクライマックスです。

ある朝、謎の男が「朝一番の電車が大型店の前を通る時があの店の最期だ」と告げます。
そして始発電車が通ります。すると、まるで地震が起こったかのような地響きとともに大型店は巨大なエレベーターのように地面にもぐって行き、2階くらいまで地面に埋まったところで止まります。

つまり例の柔軟な200人は夜毎ロッカーから這い出てはビルの土台を白蟻のように破壊していたのでした。

驚いて見つめる八百屋(青果屋?)の若者に向かって謎の男は言います。
「もうあの店は当分は使えない。」
立ち去る男に若者が尋ねます。「なぜこんなことをするのか?」と。

すると謎の男は答えます。
「私の母は高層ビル火災で命を落とした。私はすべての高層ビルをなくすことが夢だ。」
*注)この理由は少し違ったかも・・・。

えぇ!それってこの大型店には罪が無いような・・・。

つーか、こんなこと偶然の事故ではすまないから、2度も3度も実行したらすぐ捕まって、どえらい補償要求されるよなぁ・・・。すべての高層ビルをどうやってなくすんだろう?
余計なツッこみはやめて、素直にこの奇抜なアイディアと、内容はミステリーなのにホラーにしか見えなくしてしまう古賀新一さんの見事な画力に酔いしれてください。って古本屋を回れば一冊ぐらいは手に入るんでしょうか・・・?

子供の記憶ですが、この作品が描かれた当時、「大型店舗に客を取られあえぐ商店街」や、新生児がコイン・ロッカーに捨てられる事件が相次ぎ社会問題化していたと記憶しています。
そのあたりをアレンジした作品だと思いますが、こんな社会性を反映した作品が少年漫画雑誌に掲載された時代。漫画が娯楽だけでなく社会的地位まで渇望して奮闘していた時代を思い、どんな漫画も最後はバトルが始まる昨今の某人気少年漫画雑誌の現状に、一抹の憂いを感じました。って毎週購読しているその口が言う・・・?

それにしてもトンネルやダムの工事のように、最新のダイヤモンド刃を装備した高性能なドリルでカメの歩みのように慎重に掘り進んでも、崩落事故で犠牲が出たりしているのに、わずか200人程度、しかも総手作業でこの大事業を成し遂げ一人の犠牲者も(たぶん)出さなかった彼らの勇気と技術を讃えたいと思います。

これは「黒部の太陽」にも勝るとも劣らない漢たちの熱いドラマでした(大ウソ。

遠い記憶のトラウマ・コミック「コインロッカー氏」(2)

2009-06-12 00:03:12 | コミック
幼少の頃に強烈に印象に残り最早トラウマと化したコミックを紹介しています。
*かなり子供だったんでややうろ覚えウロボロス・・・。

そして暗いロッカーの奥から目だけ光らせた人間がのっそりと這い出て来ました。コインロッカーの数だけの人間が這い出て来たわけですからかなりの人数です。200人くらいいるんじゃないでしょうか?全員半そでシャツに短パンという休日のお父さんのような出で立ちです。

そしてこの謎の男の指示の元、彼らは大型店の地下で何やら土木工事のような作業を始めるのでした。
ん?道具とかどこに隠してたんだ?ま、いいか・・・。

ところでこの謎の男がどうやって夜中の大型店の地下に来られたのかどうにも思い出せません。どこかに隠れていたのか?入り口の鍵を持っているのか?鍵を持っていたのならわざわざ人間をロッカー何かに隠す必要は無いので、喫煙中の高校生みたいにトイレにでも隠れていたんでしょう。多分。
あとコインロッカーの開錠ですが、こんな夜中に照明など無いでしょうから懐中電灯片手に、大量の鍵束から目的の鍵を探し出して開錠するのです。慣れていても1個あたり20秒かかり、200個開けるとして・・・約1時間強!毎日となるとなかなかの重労働ですね?ま、いいか・・・。

ところどころで商店街のおやじたちの会話が断片的にはさまれ伏線となります。
「しかし人間がコインロッカーなんぞに入っていられるのかねぇ?」
「いや体積だけで考えればコインロッカーは人間よりずっと大きいのだそうだ」
「それにしたって相当な訓練が要るだろう」
てな具合です。
つまりこの謎の男はめちゃくちゃ柔軟な男を200人くらい雇って、昼間はコインロッカーに隠しておいて夜中になるとこっそり地下で何やら働かせているわけです。

古来から実在する拷問に「三尺牢」というのがあります。
「もう無理!無理以外の何ものでも無い・・・。」と言うつぶやきが聞こえそうな、もの凄くうちひしがれた体操座りの体勢にした状態で、箱のような牢屋に入れて長時間放置する刑罰ですが、磔刑や逆さづりなどと同様に長時間のストレスを与え続ける刑です。この柔軟な男たちは来る日も来る日も「三尺牢」で責められているわけですが、大丈夫なんでしょうか?エコノミークラス症候群がとっても心配・・・。ってことはスルーしないとおもしろさ半減でした。すいません・・・。

しかしこの男、こんなことをして何になるのでしょうか?
こうしてこの物語は思わぬ結末を迎えるのでした。ってまたまたですが長くなるので続きは次回に持ち越しということで・・・。すいません。

遠い記憶のトラウマ・コミック「コインロッカー氏」(1)

2009-06-09 00:08:41 | コミック
以前から腰痛持ちのevnc_chckです。
今日も腰が痛くてヒョコヒョコ歩いていますと、勤め先の会計士が「つま先を持って引っ張る腰痛体操がいいですよ」とすすめてくれるのもいいんですが、こっちゃダイヤモンドもはだしで逃げ出すくらい体がかたいので・・・。
で、ここで脈絡無く幼少期のトラウマ・コミックが頭に浮かびました。

多感な年頃の記憶はやはり根深いものがあり、そのコミックのストーリーはよく覚えているのですが、タイトルなどがどうにも曖昧です。

恐らくですが
・1973~74年頃
・今は無き「少年キング」に読みきりで掲載された
・「エコエコアザラク」で有名な古賀新一さんの作品で
・「コインロッカー氏」というタイトル
というコミックだったんじゃ無いかと記憶しています。

ストーリーはこんな感じでありました。

ある下町の商店街の八百屋(青果屋?)。店先で一生懸命に通行人に声をかけながら野菜(果物?)を売る若者。しかし通行人はまったく興味も示さずすっかり落ち込む若者。すると店の奥からこの若者の父親が話しかけます。
「客なんてみんな駅前にできたデパートに取られちまったんだよ・・・」
そう、大店法の規制まっただなかにありながら、この商店街は大型店に客足を取られて明日をも知れない状態であったのです。
実際にこの時代は大型店舗の出店が盛んになりかけ、既存の中小小売店は風前の灯火になりかけていた時代ではありましたが、このコミックが掲載されたときには「大規模小売店舗法」が施行され(1973年のこと)、一時的に中小小売店は国家に保護されたような形になり、流通業界黒歴史が始まっていたのですが、恐らく古賀新一さんそのあたりあまり詳しくないんでしょうねぇ・・・まぁ余談です。

そこへ現れた一人の謎の男。濃い色のダーク・スーツにグラサンという怪しさ満載の風貌ですが、商店街の組合に対して「あの大型店をつぶしてやろう」と持ちかけます。「そんなバカな」と言いながらも彼の計画に乗る人々。
次の日から彼はこの大型店の地下のコインロッカーをすべて借り切り、コインロッカーのコーナーの前でただうろうろしているのでした。ロッカーを借りに来る客は「なんだよ、全部借りられてるよぅ」とかブツクサ言いながらあきらめて帰って行きます。

夜中になり大型店が閉店するとこの謎の男は件のコインロッカーにやって来て、借り切っていたロッカーをすべて鍵を開け、そして一人で話始めます。
「それでは諸君いつものようにまず右手から!」
するとロッカーの扉が開き、中から人間の腕が出てくるではありませんか!

2頁見開きで描かれた薄暗いロッカー・ルームに立つ謎の男。そして半開きになったロッカーからニュッと出ている腕、腕。
「な、なんだなんだ!何が起きるんだ?」
幼い私はトラウマで失神寸前です。

いきなりのホラー的展開に度肝を抜かれますが、気になる(誰が?)続きは次回で・・・。

TK逮捕で「オルフェウスの窓」を思う・・・

2008-11-05 00:35:59 | コミック
なんか小室さんおそまつな容疑で逮捕されちゃいましたね。あ、「等さん」じゃ無いですよ。「哲哉さん」です。
私はあまりJ-Popやダンス音楽に興味が無いのですが、私世代の方々は彼の音楽が青春だったんじゃないでしょうか?
殆ど聴いたことのない音楽についてどうこう書ける情報は何も持って無いのですが、彼が自作の著作権をエイベックスの関連する音楽出版会社と、自分が役員を務める会社に二重譲渡しているのをニュースで読んで、ふとどうでもいい記憶が戻りました・・・。

池田理代子さんの「オルフェウスの窓」。言わずもがなの「ベルサイユのばら」と並ぶ彼女の長編大作少女漫画です。
ストーリーはロシア革命やハプスブルクの凋落、第一次世界大戦などの史実と音楽学校に通う若者たちの半生を絡めた壮大で複雑なものですが、その中にピアニストを目指すイザークという若者が登場します。
彼は才能がありながら貧しい生まれのため苦労するのですが、なんとかウィーンで努力して世界的ピアニストとして成功します。そんな中で不幸な人生を歩んできた娼婦のロベルタと知り合い彼女の優しさに惹かれ、身分の違いや周囲の猛反対を乗り越えて結婚します。このあたりイザークの人の良さが感じられます。
やがてオーストリア・ハンガリー帝国の凋落とともにイザークの生活も苦しくなります。更に人の2倍、3倍努力するイザークなだけに指を壊してしまいピアニストとしてはもう演奏できなくなってしまいます。
でここで小室さんを思い出したのですが、イザークの妻であるロベルタはホントけなげなくらい心優しいのです。ただ育ちが育ちなので世間知らずで思慮深さが無いがため、生活を助けるつもりでイザークの自作曲の出版権を二流の出版社に二束三文で売っちゃうんですよ。イザークはイザークで一流の出版社と出版権の譲渡契約を進めていた矢先にこのことが判明し、契約先からは「二重譲渡だ!」と契約を白紙にされてしまいます。イザークは怒り狂ってロベルタを叱責します。
この後いろいろあって最後までロベルタは「けなげ」なんですが、それは是非機会があればこの大作少女漫画をお読みください。音楽好きの方にはなかなか楽しめますよ。

同じように生活が厳しいあまり自分の創作物をなりふりかまわず切り売りするアーティスト。もうその譲渡行為が正式なものなのか二重、三重になっているのか本人も冷静な判断もつかなくなっていたことでしょう。
違うのは生活が困窮した要因が「激動の時代に翻弄された」結果か、「欠けたることの無い」ように見えた「わが世の春」を満喫しすぎた結果か、ですね・・・。

まぁ一時とは言え海外に豪華な別荘を持てただけでも良しとするか。

ピクルはトホホに好き

2008-09-25 00:16:14 | コミック

実は格闘技(を見るの)が好きなevnc_chckです。

「みんなは私のことを貧弱な坊やと呼んだ」な典型的もやしっ子の私ですが、子供のころはTVで「BI砲」が毎週のように「悪い外人レスラー」を倒すのをワクワクしながら観戦し(時々悪辣な反則で負けますが・・・お約束)、猪木が空手家や柔道家をKOするのに興奮し、馬場さんのフライング・ネック・ブリーカーが出ると飛び上がって狂喜し、ヴォルク・ハンの華麗なサブミッションに唸ったもんです。

まぁそう言うわけで日本を代表する格闘技コミック「バキ」シリーズは「グラップラー刃牙」からずっとかかさず、番外も含めて読んでいるわけです。

しかし今、「範馬刃牙」に出ている「ピクル」はちょっとなぁ・・・。親父の「勇次郎」が北極グマをぼこってクマちゃんがおいおい泣くのも大概でしたが、ティラノ(ですよね?一緒に発掘されたあのでっかい恐竜の骨格)と闘った姿で塩漬けになってた。というマイケル・クライトンですら書かないような細胞学的にも首をひねる背景は目をつぶっても(本当はここが一番無視できないんですが・・・)、ティラノと言うことは白亜紀の終盤、だいたい6,500万年前です。この時代の哺乳類については現在「福井県立恐竜博物館」で開催されている特別展のレポートで触れましたがが、何にしてもようやく爬虫類と肩を並べられるかどうか。の進化段階であった哺乳類の中で大型肉食恐竜を凌駕するHPの霊長類(ピクルが霊長類とはどこにも書かれていないようですが)の存在はやっぱ私的には無理っすわぁ。
ピクルが食餌のために油断しているシベリア・トラを一撃でへし折ってましたが、現生のマウンテン・ゴリラでも、2メートル近く成長したオスの大型のやつならそれくらいやっちゃうかもしれません。ですがさすがにティラノとタイマンは無理ですよね。ヴィジュアル重視も結構なんですがピクルの妙にウェストがくびれてるのも変。
刃牙もピクルを倒したらさっさと親父と決着つけないと、次は宇宙から来た「スーパーなんとか人」と雌雄を決することになりかねない。これだけの人気シリーズになると連載も手を変え品を変えて長期化し、「強いやつインフレ(by 竹熊健太郎&相原コージ)」になってしまいますね・・・。

ちなみに番外編の「疵面-スカーフェイス」でも子供なのに通風で悩む怪力少年が出てくるエピソードで、「ティラノサウルスは通風だったそうですなぁ。肉ばっかり食ってるんで云々」みたいなセリフを医者が話す場面がありました。
この話の元ネタは不明ですが推測するに「ブラックヒルズ地質学研究所」のピーター・ローソン氏による「ティラノサウルス・レックスの病理学」では無いか?と思います。このレポートは非常におもしろく自身の目で確認した事実に基づいた素晴らしいものです。

しかしいかにもそのレポートの上っ面だけ読んで確実とも言えないネタを冒頭に提示して、最後までこのネタをより所に話を展開させたのはちょっと浅はかだと思います。
確かに史上最強最凶の肉食生物という説もあるティラノサウルスが実は通風で苦しんでいた。と言うのはネタとしてはおもしろいです。人間は太古より爬虫類におびえながら生きていた過去の記憶が遺伝子に存在し、いまだに爬虫類に理屈の無い恐怖や畏敬、不快感がある。と言われていますから「あのティラノが通風ね。プッ。」といったところでしょうか。

なんにしても生命に関する過去のあらゆる学術的常識を一蹴したピクル!今後の活躍にトホホ感の混じった期待がかかるというものです。

ところで現在、週間少年ジャンプで連載されている「トリコ」の主人公と勇次郎がダブるのは私だけ?

範馬刃牙 第14巻