
ジャズの中でも近代音楽的位置づけである、「モード・ジャズ」風のアレンジの手法を考察しています。
まずは聴覚的に理解していただくためにすでにアレンジしたものをMP3にしています。よろしかったら以下にULされておりますのでDLして聴いていただけるといいかと思います。
「チューリップ アレンジVer.1」
「モード・ジャズ」風のアレンジの手法を考えるにあたり素材として「チューリップ」の歌を使います。キーはハ長調とします。
2小節目はメロディが1小節目と同じです。そこでこの小節の役割としては2通りが考えられます。1つは1小節目から見て少ない変化で1小節目で発生させた無調性感を持続すること。もう1つは逆に大きく変化させて無調性感を一旦排除して調性感を持たせること。
今回は後者の方針で行きます。
そこでこの曲のオリジナルのキーであるハ長調に少しでも戻すことを考えました。このあたり冒険心不足にも感じますが何事も程度問題です。
とりあえずハ長調の平行調であるイ短調の主和音、Amに進行するコードを2小節目に置きます。イ短調のドミナントであるE7ですがこの場合もメロディの音を最低限は和声音にする必要から、E7+5としました。この段階でのこの小節のモードは「E音で始まるハーモニック・マイナー・パーフェクト5thベロウ」が比較的使い安いと思いますが、1つ前の小節で使用している「スーパー・ロクリアン=A音で始まる旋律的短音階の上昇形」を使えば2小節を同じモードで通すことが可能となります。
細かい説明が続くので大変でしょうが毎回1小節づつ説明させてください。
つづく・・・
あえてトニックを使わないのは何故なんでしょうか?
まぁ…試しにトニックで弾いたら非常にダサかったのですが・・・
スーパーロクリアンとして考えると
なかなかスケールが思い浮かばなかったのですが、
Cリディアン#5って考えると結構使いやすいような気がしました^^;
・・・勉強不足です(苦笑)
トニックにしてみればわかるとおりダサいからです・・・。っていう回答はダメっすよね?
一番の理由はいかにもハ長調的な旋律にリディアンをあて続けると、和声の進行が収集つかなくなりそう。と言いますか冒頭のCのリディアンもファースト・インプレッションとしての一時的なものですので、文中にあるとおりこの段階である程度調性を戻しておくほうがいいかも。という判断ですね。
かと言ってトニックは能なさすぎですよね(笑。
次にこの手の曲で重要なのはアドリブをする前提条件ですね。
実演奏でも、他のメンバーとアドリブで使う基本のモードを決めたりすると思いますが、やはりできるだけ全編に渡ってインサイドで共通の音が含まれているモードを中心に据えて、そこからアウトサイドに移行する部分はプレイヤーの個性にまかせるのが理知的でかっこいいパフォーマンスになると思います。そのためできるだけ前の小節から音の変化の少ないモードが使用できるようなハーモナイズをしています。
そのかわりモードの変化が少ない中で、聴覚的にある程度のインパクトを出すのにベース・ラインのクリシェは有効なので、ベースが一音下がるようなハーモナイズも狙いの一つです。旋律とベースで作られた減5度のハーモニーが、2小節めで短6度になるのも狙いです。少し聴いていて「ホッ」としませんか?
あまりいい回答になりませんがいくつか考えた根拠を書かせていただきました。
丁寧に読んでいただいてありがとうございます。またご感想やご意見をお待ちしております。