「勘竹庵」evnc_chckの音楽やそれ以外

音楽の話題が中心になるかもしれませんが日々の雑感など書いていけたらと思っています。

モード・ジャズを意識した新曲の解説

2008-08-30 00:13:13 | 音楽(DTM)

このブログで少しモードについて書いていたら無性にモードを使ったジャズが創りたくなりました。
曲の方はいつものとおりE-Windさんで公開させていただいておりますが、自身の備忘録も含めて解説を書かせていただきます。

編成はシンプルなワン・ホーン編成
テナー・サックス
ピアノ
ベース
ドラムス
です。
冒頭テーマはDのドリアン・モードで組立てたメロディです。そこにビル・エヴァンスから現在のチック・コリアやハービー・ハンコックまで連綿と続く、いかにも新主流派風のハーモナイズがくっつけてあります。
複雑そうに聴こえますが基本はDを中心にしておりますので、アドリブも実はドリアンにところどころで経過音が入るだけなんですけどね。まぁ新主流派なんて大なり小なりそんなもんです
言葉ではわかりにくいので冒頭部分だけせっかくなんで楽譜を掲載します。私の愛用シーケンサ「SingerSongWriter」のスコア・モードの画面をキャプチャしました。シーケンサのインターフェイスなんできっちりとした楽譜ではありませんが、ご参考までに。

使用音源はSonicCellに拡張ボードの「SRX-03」「SRX-11」を追加しています。
以下に使用した音色です。オケ曲と違ってトラックは編成の数しかありません。
(ピアノは大譜表では無く右手、左手で2トラック使用しています。私はピアノはいつも2~4トラック使って創ります。)

テナー・サックス:SonicCellプリセット
ピアノ:SRX-11 Superb Grand
ベース:SRX-03 Upright Pizz
ドラムス:SRX-03 Studio1Kit

今回はドラムのソロを入れていますが音源をSC-88ProからSonicCellに変更して、こういった純粋にドラムスだけになるソロは初めてでしたので、ベロの加減が難しくて少し苦労しました。SRX-03にはドラム・セットが全部で9種類入っています。SonicCellのプリセットと合わせると20は超えると思うのですが、結局、midiで打ち込んだ結果が一番うまく反映されたセットを使うことになりました。もう少しセットごとのベロの具合が把握できないと思っていたようなサウンドにはなりません。精進あるのみです。

ベースはプリセットの音でもかなりらしくていいのですが、このSRX-03に収録されているUpright Pizzと言う音色は、単独で聴くとブツブツと途切れたような音で少ししょぼいイメージがあります。
ところがベロを高く設定してミックスで前に出してやると、弦を弾いたようなノイズが混じってなかなかごきげんな音です。これは気に入りました。

ピアノはSRX-11と言う拡張ボードを使っています。これは「COMPLETE PIANO」と言う商品名のとおりピアノだけという贅沢なサンプル音源です。合成したピアノの音は妙に煌びやかでアンサンブルにすると逆にチャラチャラしがちですが、このボードの音は単独だと少し落ち着きすぎに聴こえます。それがむしろ渋く響きリアルに感じるものです。42音色もあり迷いますが、今回は1960年代の録音のような音を意識してSuperb Grandという音を選びました。

4ビートの裏拍の調整は結構気を使った部分ですが、スィング・ジャズとか初期のバップのような「チータッタ、チータッタ」より、ハードバップ以降のイコールタイムに近いもの(と私は理解していますがリズムは全然ヘボなんで・・・)を意識しています。

タイトルの「No longer matters」は訳すと「もはや問題では無い」と言った意味ですが、くだけて言うと「もうどうでもいいよ」。「モードでもいいよ」です。
はいはい、そこ!寒がらない。

「No longer matters」by evnc_chck