正月は、キノコです。
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ヘルシーリポート:キノコキトサン メタボの敵、内臓脂肪を燃焼
◇中高年は機能性食品で
高脂血や高血糖、高血圧などを特徴とするメタボリックシンドロームにならないために最も重要なことは肥満防止だ。メタボリックシンドロームが内臓脂肪症候群と呼ばれるように、特におなかの内臓脂肪が増えると要注意だ。肥満防止の基本はバランスのとれた食事と運動だが、キノコに含まれる繊維の一種のキノコキトサンが内臓脂肪の代謝に関係することが分かってきた。【小島正美】
■細胞膜の構成成分
キトサンといえば、一般にはエビやカニの殻から抽出されるキトサンが知られる。実は、エノキタケなどキノコにも植物性繊維のキトサンが含まれる。これがキノコキトサンで、キノコの細胞膜などの構成成分だ。
キトサンを摂取すると、食事に含まれる脂肪を吸着して、便と一緒に排出されるため、脂肪の吸収を抑える働きが知られてきた。
甲殻類キトサンとキノコキトサンのどちらも脂肪吸着の働きをもっているが、最近の研究で、キノコキトサンの方には脂肪を燃焼させる働きがあることが分かってきた。
キノコキトサンと脂肪燃焼の関係などを研究する渡邉泰雄・日本薬科大学薬学部教授(薬理学)は「キノコキトサンが肥満や生活習慣病の予防になるのではないか」とさまざまな試験研究を続けている。
■摂取量の差を解析
そのひとつが、キノコキトサンの摂取で体脂肪率や内臓脂肪が低下するかどうかの試験だ。
男女46人(30~59歳)を大きく2群に分け、一方にはキノコキトサンのサプリメント、もう一方には本物そっくりの偽のサプリメント(プラセボ群)をそれぞれ12週間摂取してもらい、体重や内臓脂肪の面積、体脂肪率などを比較した。
46人は肥満の指標となる体格指数(BMI)が25以上の肥満タイプの成人。キノコキトサンの摂取量は、1日あたり200ミリグラム、400ミリグラム、800ミリグラムの3群に分けた。どの摂取群の人も、食習慣や運動などは普段と変わらないように指導し、キノコキトサンの摂取量の差が客観的に解析されるようにした。こういう厳密な科学的治験を二重盲検法という。
■1日400ミリグラムで十分
結果はどうだったか。体重の比較では、プラセボ群に変化がなかったのに対し、キノコキトサンの摂取群は試験前に比べ、平均して0・9~1・8%減少した。
体脂肪率でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少し、キノコキトサンの摂取量が多いほど減少する傾向が見られた。
内臓脂肪の面積でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少した。ただ400ミリグラムと800ミリグラムでは大差はなく、1日あたり400ミリグラムの摂取で十分だと分かった。
■皮下脂肪は変化なく
コンピューター断層撮影(CT)を使った画像解析では、皮下脂肪はほとんど変化しないのに、内臓脂肪の面積は153平方センチメートルから約半分の74平方センチメートルになる例があるなど、内臓脂肪の顕著な減少が数多く見られた。
同じ脂肪でも、メタボリックシンドロームに関係するのは皮下脂肪よりも内臓脂肪だ。渡邉さんは「一般に内臓脂肪は落ちにくい。サプリメントを摂取して、健康な状態のままで3カ月程度で内蔵脂肪が減る結果に驚いた」と話す。
■血糖値下げる作用も
このほか、キノコキトサンには中性脂肪や血糖値を低下させる作用も報告されている。
キノコキトサンのどの成分が脂肪燃焼にかかわっているかの解明は今後の課題だ。脂肪細胞にあるアドレナリン受容体(用語参照)が脂肪燃焼に関係していることが分かってきただけに、渡邉さんは「キノコキトサンがアドレナリン受容体の働きを高め、レプチンやアディポネクチン(用語参照)の働きの低下を抑えることで脂肪燃焼を促しているのではないか」と作用メカニズムを推定している。
植物性のキノコキトサンは、エビやカニにアレルギーのある人でも摂取できる利点がある。渡邉さんは「体脂肪を下げる基本は適正な食事と運動だが、効果の出にくい40歳以上の中高年ではキノコキトサンのような機能性食品の摂取も選択肢のひとつになるのでは」と話している。
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■ことば
◇アドレナリン
副腎髄質ホルモン。交感神経を刺激し、心臓機能の高進、血管を収縮させることで血圧を上昇させるなどの作用がある。アドレナリンが作用するには、アドレナリンを受け取る細胞の側にスイッチの役目を果たす受容体が必要。いくつかある受容体のひとつにβ(ベータ)3受容体がある。脂肪細胞にはアドレナリンβ3受容体があり、脂肪の分解と燃焼にかかわっている。β3受容体の働きが悪いと脂肪の燃焼が悪くなり、肥満や糖尿病になりやすくなる。
◇レプチン
脂肪細胞が分泌するホルモンの一種。血液中のレプチン濃度が高くなると「たくさん食べた」というシグナルが脳に送られ、食欲中枢は抑制され、食欲は落ちる。レプチンはエネルギーの消費を促す働きをもつ。
◇アディポネクチン
脂肪細胞が分泌するホルモンのひとつ。肝臓や筋肉で脂肪を燃焼させ、血糖値を下げる働きがある。肥満になるとアディポネクチンの分泌量が低下する。
毎日新聞 2008年12月27日 東京朝刊
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キノコを食べてこれだけ内臓脂肪が減るのなら、食べないといけません。個人的には好きな食材ですから苦労もないし・・・。
しばらくキノコだけでも・・・。それは無理?
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ヘルシーリポート:キノコキトサン メタボの敵、内臓脂肪を燃焼
◇中高年は機能性食品で
高脂血や高血糖、高血圧などを特徴とするメタボリックシンドロームにならないために最も重要なことは肥満防止だ。メタボリックシンドロームが内臓脂肪症候群と呼ばれるように、特におなかの内臓脂肪が増えると要注意だ。肥満防止の基本はバランスのとれた食事と運動だが、キノコに含まれる繊維の一種のキノコキトサンが内臓脂肪の代謝に関係することが分かってきた。【小島正美】
■細胞膜の構成成分
キトサンといえば、一般にはエビやカニの殻から抽出されるキトサンが知られる。実は、エノキタケなどキノコにも植物性繊維のキトサンが含まれる。これがキノコキトサンで、キノコの細胞膜などの構成成分だ。
キトサンを摂取すると、食事に含まれる脂肪を吸着して、便と一緒に排出されるため、脂肪の吸収を抑える働きが知られてきた。
甲殻類キトサンとキノコキトサンのどちらも脂肪吸着の働きをもっているが、最近の研究で、キノコキトサンの方には脂肪を燃焼させる働きがあることが分かってきた。
キノコキトサンと脂肪燃焼の関係などを研究する渡邉泰雄・日本薬科大学薬学部教授(薬理学)は「キノコキトサンが肥満や生活習慣病の予防になるのではないか」とさまざまな試験研究を続けている。
■摂取量の差を解析
そのひとつが、キノコキトサンの摂取で体脂肪率や内臓脂肪が低下するかどうかの試験だ。
男女46人(30~59歳)を大きく2群に分け、一方にはキノコキトサンのサプリメント、もう一方には本物そっくりの偽のサプリメント(プラセボ群)をそれぞれ12週間摂取してもらい、体重や内臓脂肪の面積、体脂肪率などを比較した。
46人は肥満の指標となる体格指数(BMI)が25以上の肥満タイプの成人。キノコキトサンの摂取量は、1日あたり200ミリグラム、400ミリグラム、800ミリグラムの3群に分けた。どの摂取群の人も、食習慣や運動などは普段と変わらないように指導し、キノコキトサンの摂取量の差が客観的に解析されるようにした。こういう厳密な科学的治験を二重盲検法という。
■1日400ミリグラムで十分
結果はどうだったか。体重の比較では、プラセボ群に変化がなかったのに対し、キノコキトサンの摂取群は試験前に比べ、平均して0・9~1・8%減少した。
体脂肪率でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少し、キノコキトサンの摂取量が多いほど減少する傾向が見られた。
内臓脂肪の面積でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少した。ただ400ミリグラムと800ミリグラムでは大差はなく、1日あたり400ミリグラムの摂取で十分だと分かった。
■皮下脂肪は変化なく
コンピューター断層撮影(CT)を使った画像解析では、皮下脂肪はほとんど変化しないのに、内臓脂肪の面積は153平方センチメートルから約半分の74平方センチメートルになる例があるなど、内臓脂肪の顕著な減少が数多く見られた。
同じ脂肪でも、メタボリックシンドロームに関係するのは皮下脂肪よりも内臓脂肪だ。渡邉さんは「一般に内臓脂肪は落ちにくい。サプリメントを摂取して、健康な状態のままで3カ月程度で内蔵脂肪が減る結果に驚いた」と話す。
■血糖値下げる作用も
このほか、キノコキトサンには中性脂肪や血糖値を低下させる作用も報告されている。
キノコキトサンのどの成分が脂肪燃焼にかかわっているかの解明は今後の課題だ。脂肪細胞にあるアドレナリン受容体(用語参照)が脂肪燃焼に関係していることが分かってきただけに、渡邉さんは「キノコキトサンがアドレナリン受容体の働きを高め、レプチンやアディポネクチン(用語参照)の働きの低下を抑えることで脂肪燃焼を促しているのではないか」と作用メカニズムを推定している。
植物性のキノコキトサンは、エビやカニにアレルギーのある人でも摂取できる利点がある。渡邉さんは「体脂肪を下げる基本は適正な食事と運動だが、効果の出にくい40歳以上の中高年ではキノコキトサンのような機能性食品の摂取も選択肢のひとつになるのでは」と話している。
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■ことば
◇アドレナリン
副腎髄質ホルモン。交感神経を刺激し、心臓機能の高進、血管を収縮させることで血圧を上昇させるなどの作用がある。アドレナリンが作用するには、アドレナリンを受け取る細胞の側にスイッチの役目を果たす受容体が必要。いくつかある受容体のひとつにβ(ベータ)3受容体がある。脂肪細胞にはアドレナリンβ3受容体があり、脂肪の分解と燃焼にかかわっている。β3受容体の働きが悪いと脂肪の燃焼が悪くなり、肥満や糖尿病になりやすくなる。
◇レプチン
脂肪細胞が分泌するホルモンの一種。血液中のレプチン濃度が高くなると「たくさん食べた」というシグナルが脳に送られ、食欲中枢は抑制され、食欲は落ちる。レプチンはエネルギーの消費を促す働きをもつ。
◇アディポネクチン
脂肪細胞が分泌するホルモンのひとつ。肝臓や筋肉で脂肪を燃焼させ、血糖値を下げる働きがある。肥満になるとアディポネクチンの分泌量が低下する。
毎日新聞 2008年12月27日 東京朝刊
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キノコを食べてこれだけ内臓脂肪が減るのなら、食べないといけません。個人的には好きな食材ですから苦労もないし・・・。
しばらくキノコだけでも・・・。それは無理?
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