飲酒運転が増加傾向にある。県内で発生した事故件数と摘発件数は2015、16年と2年連続で前年を上回った。担当する久留米署管内では昨年、飲酒運転事故が14件発生し、警察署別で県内最多となった。福岡市東区の海の中道大橋で3児が亡くなった飲酒運転事故から10年が過ぎた。「1度ぐらい」の気持ちが事故を招き、被害者の大事な未来を奪う。教訓を風化させてはならない。飲酒運転の危険性を伝える記者自身がまず、その恐ろしさを知っておきたい。久留米署の協力で飲酒運転を体験してみた。
 
 「たぶん大丈夫」。赤ら顔の私が左前方にあったコーンをすり抜けようとすると、バコッと大きな音を立て、そばからなぎ倒してしまった。酔ったことで、明らかに距離感を間違えていた。コーンが小さな子どもだったらと考えると、ぞっとする。