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喫煙し続ければ、肺がんにならなくとも、つらい人生が待っている

2018年03月11日 05時27分53秒 | 離煙ニュース: 科学編

タバコがいかに害のあるものかがよくわかる専門医が書いた記事です。記録しておきましょう。

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喫煙と肺がんの実はよく知られていない関係 タバコは一体何が体によくないのか

禁煙できる人とできない人の差はどこにあるのでしょうか? 『吸いたい気持ちがスッと消える 医者が教える最強の禁煙術』を著した山王病院副院長の奥仲哲弥氏が知られざるタバコの影響を解説します。

「タバコを吸うと肺ガンになる」は本当?

もはや常識になっている「タバコを吸うと肺ガンになる」という因果関係ですが、それがウソだとしたらびっくりしますか?

ある意味ではウソなのです。

私が最近手術をした肺腺ガンの患者さん100人のうち、半数以上の60人が非喫煙者でした。肺腺ガンは、肺ガンの半分以上を占める代表的なガンですから、このデータを見る限り「タバコを吸うから肺ガンになる」とは限らないと思います。

もちろん肺腺ガン以外の肺ガンはタバコとの因果関係が明らかになっていますが、それは80歳くらいまで生きた場合の統計です。たとえば30〜40代の人たちでみれば、30代の男性が40代までに肺ガンを含めたすべてのガンになる確率というのはわずか0・5%しかありません。

中年以前の年齢の人に限っていえば、「タバコを吸うと肺ガンになる」という事実は、喫煙とは無関係です。

これを聞くと多くの喫煙者が「なんだ、肺ガンにならないのか」と安心してポケットからタバコを取り出そうとします。でも待ってください。私がお伝えしたいのは、タバコが肺ガンの原因かどうかという話であって、タバコが健康によいということではありません。

タバコの恐ろしいところは、肺ガンになった後なのです。

喫煙者のガン患者は、医師から次のような事実を告げられて真っ青になります。この段階で必死の禁煙を始める人がたくさんいます。

喫煙者の肺ガン患者は、手術をなかなか受けられない

これは本当のことです。私自身の場合でも、たとえば手術のスケジュールが空いていたとしても、目の前の患者さんが喫煙者とわかったら、少なくとも禁煙して1カ月経過しないと手術はできません喫煙者の手術は困難で、予後もよくないからです。ほとんどの病院では、禁煙できない方の手術は断り、ほかの治療法も行いません。文字どおり門前払いというわけです。

喫煙者の肺ガン患者は、治療の選択肢が少ない

これも事実です。非喫煙者の治療の選択肢が5つあるとしたら、喫煙者が選択できるのは、そのうちの半分以下でしょう。話題の特効薬も喫煙者には使えないことが多く、手術をするにしても喫煙者の場合は患者の体を大きく切り開いて処置しなければならないことがあり、非喫煙者より傷口が大きくなる可能性があります。

肺ガンになってからひどい目に遭う

たとえば現在は「分子標的薬」という画期的なガンの治療薬があります。従来の抗ガン剤はガン細胞も健康な細胞も区別なく殺してしまうのに対して、分子標的薬はガン細胞を標的にして作用するので、通常の抗ガン剤に比べて副作用が比較的少なく、劇的な効果が期待できます。

しかし男性の喫煙者の場合、この治療薬が使える可能性は女性の非喫煙者と比べて明らかに少なく、たとえ使えたとしても重篤な副作用が出ることが多くなります。非喫煙者が大喜びで受けている治療が、タバコを吸っているという理由で受けられないのです。残された選択肢がつらく厳しいものであっても、それを甘んじて受けるしかありません。

私は外科医で、肺ガン手術の専門家ですから、タバコを吸っていなければ生きられた人をたくさん見てきました。だからはっきりいいます。「タバコを吸って肺ガンになる心配はあまりしなくていいです。でも肺ガンになってからはひどい目に遭うことを覚悟してください。それがいやなら、今すぐタバコをやめてください

「タバコの害」というと、多くの人が煙とタールばかりに注目します。そして煙とタールが少ない加熱式タバコなどに人気が出ます。

タバコの害は煙とタールだけではありません。たしかにタールは発ガン物質を多く含み、おもに肺や咽頭をターゲットにします。ところがタバコの三大毒物といわれるタール、ニコチン、一酸化炭素のうち、ニコチンと一酸化炭素は全身に被害を及ぼします。とくに血管に対するダメージはひどく、中年以降の突然死の多くが、タバコによるものではないかと疑われています。

ニコチンにはさまざまな毒性がありますが、血管に関することに限定すると、「血管を収縮させる」という作用があり、それによって血圧が上がります。

体内に吸収されたニコチンが副腎を刺激することにより、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどのホルモンが分泌されますが、これらのホルモンが血管を収縮させる働きをするためです。

ニコチンは交感神経を活発にしますが、そのことによっても血圧は上がります。ニコチンは高血圧症の原因になるだけでなく、血管を傷めることにより動脈硬化を招きます。タバコを吸うたびに血圧が10〜20㎜Hgも上昇するので、1日に何回も血管が余計な負荷をかけられるためです。

吸った本人はリラックスしていると思い込んでいるため、血圧が上がっていることを意識しません。これにより、自覚しない高血圧状態がタバコを吸うたびに繰り返されます。ニコチンと一酸化炭素のダブルパンチが血管を傷めていることは、意外に知られていません。しっかり認識して、大切な血管を長持ちさせたいものです。

タバコの毒が「合わせ技」で血管の若さを奪っていく

タバコは血管をどんなふうに老化させ、痛めつけていくのでしょうか。

まずは「活性酸素」です。タバコの煙には活性酸素を発生させる成分が含まれているため、タバコを吸うと血液中に活性酸素がたくさん発生します。これが血管を老化させ、血栓を作り出すもとになります。

ニコチンはHDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させ、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させます。ご存じのとおり悪玉コレステロールは血管内に沈着して動脈硬化を起こしますから、これもまた血管を傷める原因になります。

タバコのさまざまな作用で正常な血流が乱されると、交感神経が活発になり、体を正常な状態に戻そうとします。その際に血圧が上昇するので、弱った血管に強い圧力がかかり、どんどん血管はボロボロになっていきます。

タバコで怖いのは肺ガンだけと思っている人は、ぜひ認識を改めてください。血管の障害で恐ろしいのは、血管が完全に詰まってしまったり、裂けてしまったりすることです。その場合、かなりの確率で生命が脅かされます。

血管が詰まる症状としては、心筋梗塞や脳梗塞がよく知られています。動脈硬化を起こして柔軟性が失われた血管にコレステロールなどが沈着して流路が狭まり、そこに血栓が流れてきたりすることで血流がストップして起きます。場所が心臓や脳ですから、すぐに治療しないと生命が失われます。

そのほか、突然死の代表格である大動脈解離も血管の病気です。これも喫煙などで血管が繰り返し痛められることが原因となります。

肺がスカスカになって膨張してしまうCOPD

COPD」という病気をご存じでしょうか。正式名称の「慢性閉塞性肺疾患」という病名を聞いても、ピンとこないかもしれません。この病気はそれほど世の中に知られていないのです。

人気テレビ番組「笑点」の司会者だった桂歌丸師匠がかかっている病気というと、少しは関心をもってもらえるかもしれません。テレビで見る歌丸師匠の姿はいかにも苦しそうで、「がんばってください」と声をかけたくなります。

COPDとは、簡単にいうと「肺がスカスカになって膨張してしまう病気」です。

タバコの熱や煙、タール、一酸化炭素などにより、肺の細かいメッシュが破壊されてしまい、使い古したスポンジのようにスカスカになるのがCOPDです。そうなってしまうと、吸った空気が肺に溜まって出すことができません。溜まった空気を吐き出すことができないので、新しい空気を吸えなくなってしまいます。とても苦しくてつらい病気なのです。

若くてタバコを吸っていない人は、たいてい吸った空気の95%以上を吐き出せます。ところが、80歳を超えてタバコを吸っている人は、半分くらいしか吐き出せません。

60歳くらいになると、「なんだか階段で息が切れる。年のせいかな」といった症状が出てきます。これは年のせいではなく、空気を吐けなくなっているために、空気の交換がしにくくなっているからです。

COPDを知らない人は加齢のせいと思いますが、タバコを吸っていたための病気なのです。タバコでは肺ガンにならないとすでに述べましたが、このCOPDには、すべての喫煙者がかかります

患者数は多いのにあまり知られていない

COPDの恐ろしいところは、なかなか死ぬことができないことです。まるで首を弱い力で絞められるような状態で5年も10年も生きていく。思うように呼吸ができず、酸素吸入をしながらよたよた歩く。

そんな老後でいいですか?

そのうちに誤嚥性肺炎を繰り返して何度も救急車で搬送され、最後はガリガリにやせて亡くなりますCOPDは日本人の死因の第10位で、男性では8位です。

しかし、その順位のわりには注目されていません。現在、日本国内でこの病気の患者は、700〜800万人といわれています。それほどいるのに、なぜ有名ではないのでしょうか。

それは、患者のほとんどが「年のせいだ」と思って病院に行かないからです。COPDが「急を要さない病気」と思われていて、優先度が低くなっているのです。そのために、患者のみなさんはCOPDと診断してもらえません。

COPDの患者さんが最後に肺炎で死んだ場合、死亡原因を「肺炎」と書くことがあります。これを鑑みると、COPDの死因ランキングは男性で6位くらいに上がるのではないでしょうか。

私は、COPDが世の中に知られていない理由のひとつは、言葉が悪いからだと思っています。「COPD」とは、いかにもむずかしい言葉であるためです。現在、COPDの治療を受けている人は、日本で50万人くらいでしょう。早く気づいて、残りの人生を少しでも豊かにしたいものです。

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ポイントをまとめると、次の3点です。

(1)喫煙が肺がんの原因とはいえないが、喫煙者が肺がんになったら、ひどい目に遭う。そのまま死んでしまうことも多い。

(2)喫煙者は、血管がボロボロになり、心筋梗塞・脳梗塞・大動脈解離になる可能性が高い。

(3)喫煙者は、間違いなく、COPDになる。

勉強になりました。

タバコと縁を切った離煙生活に入って15年。いま肺がんになっても、スモーカーとは違ってすぐ手術してもらえるのですね。ホッとします。抗がん剤治療も、少しは楽だとか。うれしいことです。

タバコをやめて、血圧は本当に低くなりました。どんなに高くても上が140、下が80を超えることはまずありません。普段は、上が120、下が70ぐらいです。タバコを吸っていたときには、40歳ぐらいのときですが、上が170、下が100というときがありましたから。

50年以上タバコを吸った母をCOPDで亡くしました。そして、その母を見送った年に離煙しました。

母は、晩年酸素ボンベを始終つけて、苦しそうにしていました。その姿を見ていましたから、何としてもタバコとは縁を切ろうとおもった次第です。最終的に、母は血管がボロボロになって大動脈瘤ができ、それが破裂して死にました。タバコを吸っていなかったら、母はもう少し長生きしてくれたはずです。

これまたスモーカーであった父親も、70歳前のときに心臓発作を起こし、一時心臓が停止してしまいました。たまたま近くにいたお医者様のおかげで蘇生できたのですが、タバコのせいで動脈がボロボロになっており、その後動脈を広げる手術を受け、タバコと縁を切りました。すると、その後は、89歳まで生きたのです。タバコを吸っていなかったら、心臓が止まることも、手術も必要なかったのでしょう。

このように、タバコのせいで苦しんだ両親を見ています。離煙後は、二度とタバコを吸おうとはおもいません。すばらしい教訓を与えてくれた両親だとおもっています。

あのまま1日60本以上もタバコを吸い続けていたら、40代で死んでいたはずです。そう考えると、空恐ろしくなります。

しかし、そういうタバコの被害を間近で知らない若い人たちは、いまでもタバコを吸っています。愚かで哀しいことです。

タバコと縁を切った離煙生活は、空気も食べ物も飲み物もすべてが美味しく、清々しいもの。後悔しないためにも、タバコとは縁を切るべきです。


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