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嫌煙トレンドを増税トレンドに変えさせるな

2005年11月24日 10時07分20秒 | 離煙ニュース: 国内編
公共の場所での迷惑喫煙に対して断固とした反対を唱えているゴウ先生であります。受動喫煙による健康被害がその基本的根拠です。

ところが、禁煙推進の動きをタバコ税の引き上げなどの経済政策として使いたいといわれると、安易に賛成できません。アンチ・スモーキングの時代風潮を利用して、うまうまと増税の流れを作ろうとする意図が見え隠れするからです。

そして、タバコ税がOKとなれば、酒税、一般消費税と次々に増税が行われていくことでしょう。それもきちんと行政構造改革が進み、支出削減が大幅に行われて「小さな政府」が誕生した後ならば、考えないわけではありません。しかし、いまは時期尚早です。

そういう考え方から、このブログでは自民党内部から湧き上がっているタバコ税引き上げの議論の動きを静観していました。

しかし、次のような社説が書かれるようになれば、黙っていられません。

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11月24日付・読売社説(2)[たばこ税]「引き上げ論には一理がある」

 巨額の財政赤字の削減に、政府がもっと目を向けていい税がある。増税しても経済活動に与える悪影響が少ない酒、たばこなど嗜好(しこう)品に対する課税だ。

 与党の一部から、たばこ税の引き上げ論が浮上している。他の先進諸国に比べ、日本の税率は格段に低い。政府・与党の大勢は、引き上げに消極的だが、真剣に検討してはどうか。

 代表的な銘柄のたばこ小売価格(20本入り1箱)は、今年1月現在で日本のマイルドセブン270円に対し、イギリスが982円、フランスが621円だ。米国はニューヨーク市で736円、ヒューストン市で376円となっている。日本の安さが突出している。

 外国で高いのは、高率のたばこ税がかかっているためだ。

 日本の税は、たばこ税と消費税を合わせて171円だが、イギリスは758円、ニューヨーク市は428円を税金で占めている。

 今年度のたばこ税収は、国と地方を合わせ約2兆2000億円と見込まれている。仮に税率を倍に引き上げ、消費量が変わらなければ2兆円以上、消費税率1%分に近い増収を期待できる。

 平成に入ってたばこ税の増税は3回実施された。しかし、旧国鉄職員の年金債務の穴埋めなど、予算のつじつま合わせに利用されることが多く、本格的な増税は実施されていない。

 たばこが肺気腫(きしゅ)、心筋梗塞(こうそく)、肺がんなどの原因の一つになることは医学的に実証され、箱にも記載されている。増税で消費量が減れば、結果として医療費の削減につながる可能性が高い。

 政府が本格増税に消極的だったのは、消費減に伴って山間部に多い葉タバコ農家や、零細な小売り事業者の生活が苦しくなると考えたため、とされる。何らかの配慮は必要としても、財政や国民の健康といった大きな観点に立った政策を阻害することがあってはならない。

 厚労省は先にまとめた医療制度構造改革試案に、禁煙など生活習慣病予防対策を盛り込んだ。喫煙率の引き下げに目標値を設定し、啓発活動を展開する。

 日本たばこ産業によると、日本人の今年6月現在の喫煙率は男性46%、女性14%で29%に達する。男性は毎年下がっているが、女性はわずかに上昇した。

 増税で価格を上げることは、未成年者の喫煙防止にも効果があるはずだ。

 自民党の厚生労働部会は、たばこ税の増税を党の税制調査会に要望した。その税収は健康増進対策に充てるというが、使途の特定は予算の硬直化を招く。あくまで一般財源として扱うべきだ。

(2005年11月24日1時48分 読売新聞)

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この社説は、タバコ税引きあげ効果を二つ挙げています。

  ①タバコ税を上げても喫煙者が減らなければ、税収はアップする。

  ②タバコ税を挙げた結果喫煙者が減れば、医療費がダウンする。

ゆえに、タバコ税を引き上げることは、国民全体に大きなメリットとなるというわけです。

ノン・スモーカーの人たちは、タバコ税を上げるべきだと思う方もいらっしゃるでしょう。自分はタバコを吸わないからタバコ税の引きあげには関係ないし、嫌ならタバコをやめればよいというわけです。

しかし、じわじわと増税に議論を向けようという発想には断固として抵抗せねばならないと思うのです。

たとえば、いまはタバコの話ですから賛成する方も多いかもしれませんが、社説の冒頭で触れられている酒税アップの話になったらどうでしょう。タバコ税の引きあげに賛成された方の多くの方が、反対を表明される場合もあるはずです。

つまり、タバコのイメージの悪さを利用して、無駄な歳出カットを優先せずに、国民に形を変えた増税を容認させる動きに納得がいかないと申し上げているのであります。

しかも、そうした安易な増税を許す考え方を読売新聞というマスコミが誘導するようでは、情けなくなります。(ここでゴウ先生が述べているようなことを読売の編集委員は考えなかったのでありましょうか。)

読売が、国民の意志を代弁するつもりであるならば、まだまだ多い行政の無駄を追求させることを優先してキャンペーンしてはいかがと思うのであります。

そして、国民として、政府・与党ならびに大新聞の安易な増税議論をしっかり監視することを忘れてはいけないと考えるのでありました。
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