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高倉健さんを支えた富山フィルムコミッション

2012年01月08日 08時15分03秒 | 高倉健

健さんは、こんな若いスタッフに支えられていたんですね。さぞ心の火花が激しく散ったことでしょう。

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電影新時代6「支援」

朝日新聞 2012年01月07日

日々奔走 不安定な組織

映画好き 難題に挑む

 富山県のフィルムコミッション(FC)スタッフの木寺彩乃さん(25)は昨年9月、映画「あなたへ」(今夏公開予定)のロケ現場から寄せられる要望にてんてこ舞いになっていた。

 大物俳優の高倉健さんが6年ぶりに主演する話題作。健さんの休憩場所一つをとっても「コーヒーがおいしくてレトロでこぢんまりした喫茶店」と注文がつく。入善町出身の木寺さんは、富山市内の地理に疎い。聞きまわって、総曲輪の喫茶店を紹介した。マスターによると2日連続で姿を見せたというから、気に入ってもらえたらしい。

 年に200本近く見るという映画好き。東京で映画に関われる仕事に就こうとしたがうまくいかず昨春Uターン。ハローワークで見つけた「県FC立ち上げの嘱託職員」の求人に飛びついた。撮影が円滑に進むよう調整する「ロケーション・コンシェルジュ」として雇われた。

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 県FCは「県ロケーションオフィス」という名前で昨年7月に誕生した。「あなたへ」の撮影支援は、発足後初めてといえる大仕事だった。

 スタッフらは、健さん主演に喜ぶ間もなく「富山刑務所で撮影をしたい」という難題に頭をかかえた。

 刑務所は、ただでさえ出入りが厳しく制限される場所。だが、健さん演じる主人公は富山刑務所の指導技官という設定なため、欠かせないロケ地という。

 木寺さんは県職員やプロデューサーと連れだって塀をくぐった。担当者から返ってきたのは「難しいでしょう」という案の定の反応。県の正式な依頼文書を提出してようやく、「できるだけ協力する」という前向きな回答を得た。

 対応した刑務所職員は「製作会社が単独で来たらたぶん断ったでしょう」。しばらくして法務省からゴーサインが出た。

   ◇

 できたてのFCが、撮影の支援をひとりでできるわけはない。ボランティアやエキストラの手配を手伝ったNPO「F―site(エフサイト)」の副理事長相本芳彦さん(55)は「とにかく現場の要求は急だった」と忙しく走り回った日々を振り返る。

 刑務所の官舎でロケをする前日夜には「駐車場に車がないのが不自然なので、明日朝までに5台ほしい」との連絡。1週間置きっぱなし、という条件まであって、3台は急きょ知り合いの中古車ディーラーから借りて、切り抜けた。

 約2週間の撮影中、すべての予定をキャンセルしてボランティアとエキストラに徹した男もいる。結婚相談所を営む西田昌史さん(47)。エキストラは受刑者役と聞き、ロケまでの1カ月、「役作り」のため腕立て伏せに励んだ。

 相本さんも西田さんも、根っからの映画好きだ。学生時代に映画研究会に入ったりロケ現場でアルバイトをしたりした経験もある。「ロケの支援は義務感でやるもんじゃない。FCのスタッフは木寺さんみたいな映画好きが務めないと続かない」と西田さん。

    ◇

 県のFCのスタッフは3人で、木寺さん以外の2人はいずれも県職員。1人は専従だが、もう1人はほかの仕事と兼務だ。公務員の常として、2人とも春には配置換えの可能性がある。 「出身地で、しかも映画の仕事ができるなんて幸せ」と喜々として働く木寺さんは、というと、半年更新の契約。組織の態勢が盤石とは、とても言えない。

 映画スタッフと同じように現場で動く木寺さんは、その熱心さが制作陣に高く買われ、全国のFC関係者の間でも「期待の新人」とか「富山にロケを持って行かれるぞ」などとささやかれている。

 先行きは不確かだが、木寺さんは前向きだ。

「『こんなロケ地ないですか?』という要望に応えられるよう、球数は多く持っておきたい。それにはふだんから県内を駆け回ることです」
(成川彩)

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25歳で、嘱託職員。過酷です。しかし、がんばってもらいたい。こういう若くて熱いひとが、日本映画の未来と言わず、日本自体を支えるのですから。

それにしても、『あなたへ』。公開は、8月25日。見らねば、シネマせん。


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