JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「怪猫トルコ風呂」

2018-04-20 | 映画(DVD)
「名脇役列伝Ⅲ ピラニア軍団・役者稼業」

「怪猫トルコ風呂」1975年 東映 監督:山口和彦

トルコ嬢・谷ナオミが殺され、死の真相を探るため妹が潜入捜査を開始する。ポーの『黒猫』、ポルノ、怪談が夢の合体!?女王・谷ナオミが壁の中で復讐の時を待つ化け猫を怪演すれば、鬼畜王・室田日出夫が悪行の限りを尽くす!モンドな音楽もイケているカルト作。




本カルト作は12年ぶりの鑑賞。思えば一番最初の「妄執、異形の人々」特集で観たんでした。
もう随分、いや、ほとんど記憶が薄れてるからね。
それにしても劇伴がこんなにもモンドでカッコ良かったとは、記事にも記憶にも無かったよ。
特に裸婦・谷ナオミをターンテーブルで回しながらのオープニング・テーマは短いながらも秀逸すぎ!音楽は馬場浩って人。

いろいろ小さな見所に富んだカルト作。それでも見終わってそれほど面白いと思えないのは、谷ナオミが化け猫となって以降の展開。最初観た時はとんでも展開を愉しめましたが二度目となるとね。
谷ナオミは流石で、その魅力は妹の隣室で襖越しの室田日出夫との情事とか、屋外の緊縛リンチ被虐にある。化け猫メイクでスケ襦袢とかなり頑張っているけれど珍というだけで、そこに魅力を見出す方じゃないから・・・入江たか子に任せておきなさい(よう知らんけど)



室田日出夫の演じる鹿内の外道ぶり、性獣ぶりの熱演はホントに素晴らしい。後背好みの鹿内が暴行に凄みを増す。
妹を手籠めにした事を察しられストーブで手を温めながらとぼける様子の直後「できちゃったものはしょーがねぇーじゃねぇか!」

新人の大原美佐は谷ナオミ・雪乃の妹真弓ちゃん。田舎娘から姉似せのメイクの売れっ子トルコ嬢まで、芸の未熟さは台詞を少なくするなど工夫を凝らしているものの肝心の仇討台詞で化けの皮剥がれちゃって残念。ま、エロいからいいか。

猫目線になるモノクロシーンとかカーセックスのセットなんかも捨てがたい見所。

脇も充実、殿山泰司は眼鏡を泡まみれ、血まみれにしての好演だし、佃煮屋の貝太郎の山城新伍のキャラなんかコメディリリーフとして味付けが良くて、大泉滉も外人嬢を交えた三輪車プレイでちょこっと登場。
そして逃げまどう全裸ギズスの東てる美。

黒猫とか燃える材木とか、現場スタッフが投げ入れてる姿が想像できて微笑ましいB級感。

ポーの怪奇、ポルノ・SM、化け猫スリラー、コメディと多くの要素を取り込みながら盛り込み過ぎ感が無いのは良くまとまっているって事なのかも。ただし面白くは無いです、念押しとこ。





妄執、異形の人々 「怪猫トルコ風呂」

シネマヴェーラ渋谷


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