JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「独立愚連隊」

2015-03-17 | 映画(DVD)
「KIHACHI OKAMOTO RETROSPECTIVE 岡本喜八監督特集」

「独立愚連隊」1959年 東宝 監督:岡本喜八

第二次世界大戦末期の北支戦線。クズ兵士ばかりを集め危険な任務に当たらせる“独立愚連隊”と呼ばれる部隊に、従軍記者の荒木がやってくる。交戦中に中国人慰安婦と心中したという、見習士官のことを調べに来たという。実は荒木の正体は大久保元軍曹であり、彼こそ見習士官の実の兄であり、弟の死の真相を知るため戦地に赴いたのだった。死んだ慰安婦の妹から紙片を渡された大久保は、弟が上官の不正を部隊長に告発しようとして、その上官から逆に殺されたことを知る。

岡本喜八の戦争アクション。2作目の「西へ」を観て、前年に作られたこの最初の奴も観ておかんとと欲して早8年の月日が流れてしまった。どうもタイミングが合わんかったのよね。
「西へ」の記憶もかなり薄れてしまった。シリーズ2作といっても別物語で内容はかなり違うものという認識はある。確かに随分と雰囲気は違うようです。
て、言うか、本作は岡本喜八が戦後初めて戦争という題材を純粋娯楽アクションとして撮り上げた作品と教わってきたはずなんだけど・・・
お涙ちょうだいの反戦映画で無い事は確かだけれど、娯楽の背景に反骨、批判精神がキッチリと息付いてるではないですか。誰だ、娯楽でしかないと吹き込んだ奴は!

佐藤允の従軍記者は饒舌でキザに過ぎる処がナニだけれど、独立愚連隊を率いる石井軍曹(中谷一郎)やカタコト怪しい馬賊(鶴田浩二)とのやりとりがイキでカッコ良い。
副官の中丸忠雄も悪役としての資質をいかんなくを見せてくれる。

看護婦から慰安婦となった若き雪村いづみの扁平な顔立ちが上戸彩っぽくてキュート。
ハズキーな声も良い。若き雪村いづみに魅せられたのは2回目と思うけど、最初は何だったっけかな。

そして、最近のお気に入り中北千枝子が花子という中国人慰安婦。怪しげなカタコトでコメディ要素を務める。
もう、最高に面白い。中北さん、大好き。
美女といえば上原美佐を見る事が出来て良かった。黒沢映画を観る機会が無いもので・・・
鶴田浩二が弟だと紹介するけれど、どう見ても女やん。

三船敏郎の使い方もご立派。

独立愚連隊の面々は派手には描かれないもののクズ兵士としてそれぞれいい味出している。特に賭けばかりしている二人組が良いね。
ミッキー・カーチスは運転兵のペーペーで酒も飲ませてもらえない。

石井軍曹「例え上官がどんな奴でも、俺は命令だけは守りたいんだ。愚連隊の抵抗だ。意地だ・・・。死んでくれとは言ってるわけじゃない。俺は死ぬのは御免だ、バカバカしいからな。」
・・・・
独立愚連隊は全滅。続編を作るにはまったく違った物語を用意しなければならなくなった。

今回見逃したけれど「どぶ鼠作戦」「血と砂」も忘れずに観たいリストに入れておこう。



シネマヴェーラ渋谷

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