内田春菊(選), 日本ペンクラブ / ランダムハウス講談社(2007/11/01)
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妄想・暴走・ほら話のアンソロジー!
筒井康隆・選の「人間みな病気」のアンサーブックって所。
妄想って言うのは映像にしても文章にしてもトチ狂って行くので良いですな。好き者なんです。

トップの椎名誠 「真実の焼うどん」が気味悪くてブキミのTOPに相応しい。

嗚呼、でもこの手の大御所、筒井康隆に嵌りこんだ経験から他の人の似たような作品には今ひとつ乗れないのです。
結局は当方の勝手な思い込みに過ぎないんですけど・・・
椎名誠のSFはいくつか読んで独自世界を味わえるほどまでにはなりました。が・・・・
喰わず嫌いを修復する役割をアンソロジーに求めたってしょうがないですけどね。
原田宗典 「駅のドラマツルギー」、中島らも 「沈没都市除霊紀行 大阪の悪霊」あたりは、やっぱりダメでした。

中島らもの「沈没都市除霊・・・」当時は面白かったんでしょうか。今やネットなどでもこの手の話題で面白がるというのは確固たるジャンルとなってしまい新鮮味が無い。実はつまらないので途中までで止めてしまった。(だからこの本は読了していないのです。)

「寝ずの番」を読んだのでもらったまま積読状態の「今夜、すべてのバーで」を読もうと思っていましたが、これでは萎える。

その筒井康隆先生の作品からは 「YAH!」

いや、懐かしい。思えば短編集「おれに関する噂」を手にとったのが事の始まり。
この「YAH!」は秀作そろいの中では並の印象でしかなく「どうもどうも、どもどもども、田中です、田中です」というフレーズくらいしか憶えていなかった。
もっと不条理的な作品と思い込んでいたけれど以外と田中さん確信犯で・・・
社会批判風刺の匂いがしてしまいますが、当時売れっ子作家の筒井氏では仕方の無いことかもしれません。その後やりたい放題に飛び立つ筒井さんの真面目(?)な初期作品。
原田宗典、中島らも同様、今一のめりこめない清水義範。「冴子」これは良かった。老人日記ですから、ついつい先を読みたくなる。「瘋癲老人日記」「敵」には及ばずとも楽しめた。

日記の最後に時々出てくる×丸囲み数字。何を表したものなのかは判らず仕舞い。たいていあの事を想像するけど老人の割りに数値が7とか8とか11とか高いので謎。
妄想を働かせましょう。
水島裕子 「人形の脳みそ」・・・「てん・ぱい・ぽん・ちん体操」でお馴染みの彼女のもう一つの才能。噂に違わず・・・怖いです。

それにしても文豪の作品はやはり読んでいて楽しくなる。
芥川龍之介 「虱」
夏目漱石 「硝子戸の中(抄)」
他に内田春菊 「すてきなボーナス・デイ」、江戸川乱歩 「目羅博士」、田辺聖子 「おかしな人」、室井滋 「趣味」、遠藤周作 「ニセ学生」所収。


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