JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「マザーズ」

2022-03-21 | 映画(DVD)
「未体験ゾーンの映画たち2022」

「マザーズ」2016年 丁、典 監督:アリ・アッパシ
Shelley

シングルマザーのエレナは、ルイスとカスパー夫妻の家で住み込み家政婦として働くことに。夫妻は資産家だが自給自足の生活を目指しており、家には電気も水道も通っていない。幼い息子を実家に預けて出稼ぎに来ているエレナにとって、そんな夫妻の生活スタイルは恵まれた者の道楽のように思えたが、彼らの人柄に触れるうち、家族のように打ち解けていく。ある日、エレナはルイスから代理出産を懇願される。息子と一緒に暮らせるアパートを用意すると言われ、同情心もあり引き受けるエレナだったが、妊娠直後から身体に異変が起こりはじめる。



不穏なまま始まり不穏の中、展開し、不穏なまま終わりを迎える。不安を煽るサウンド。



家政婦エレナ。胎内に別の生命を宿らせる不安、ましてや代理出産。より女性には迫るだろう。何処か他人事の冷酷男でさえ迫ってくるもの。
カスパー。父親になる曖昧な不安。こちらは良く解る。ましてや生まれてくる子は貧しいエレナの犠牲の上だから罪悪感もある。





では、妻・ルイスはどうだ?口では感謝していると言いながら、エレナをモノ(器)としか見てない。子供欲しさ一心に周りが見えずエゴで固まってしまう。そこが最大のホラーか?



事の真相を知っていそうな霊能爺は何も語らず不気味な赤子と凄絶にメンチ切り合うのみ(怖)





妊婦エレナの変調。皮膚が荒れ脱毛、だんだん人相まで変わりクマを作る。精神的にも追い詰められていく様子が、もうホラーとして確立。怪談です。









富裕層と貧困層の格差を背景に・・・。

この手の作品に当たると日頃、謎解きや説明なんてものがどんだけ作品をつまらなくしているか。なんてあらためて思ったりするよ。



ヒューマントラストシネマ渋谷
2022年1月

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