JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「さがす」

2022-03-20 | 映画(DVD)
「さがす」2022年 アスミック・エース 監督:片山慎三

大阪の下町に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と言う智の言葉を、楓はいつもの冗談だと聞き流していた。しかし、その翌朝、智が忽然と姿を消す。警察からも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にされない中、必死に父親の行方を捜す楓。やがて、とある日雇い現場の作業員に父の名前を見つけた楓だったが、その人物は父とは違う、まったく知らない若い男だった。失意に沈む中、無造作に貼りだされていた連続殺人犯の指名手配チラシが目に入った楓。そこには、日雇い現場で出会った、あの若い男の顔があった。



「岬の兄妹」同様重いテーマをエンタメに昇華する片山慎三監督。その構成・脚本の妙。面白えのなんの。
まだ記憶に新しいあの事件とあの事件を複合させている。

本作では智(佐藤二朗)にALSゲーリック病の妻公子(成島瞳子)を配したのが出色。車椅子のムクドリ(森田望智)の前で涙する佐藤二朗。
確かにこの夫婦の生死葛藤の場面に娘である楓不在は惜しい。何年前だろう?何故かな、一人子役探すことはできなかった?



山内照已(清水尋也)の冷たい狂気。
「ここには2通りの患者が来る。本当に生きようとする人と、家族が生かそうとしてる人。後者は誰も幸せにしない。」
「本当に死にたいと思ってる奴には出会ってない。」



楓に思いを寄せる同級生の中坊感も良いアクセント。


ムクドリのテーマとして「亡き王女のためのパヴァーヌ」

都合600万ゲットの作戦が300と6万某に終わるため警察の疑惑から逃れられるとかユーモア要素も良い。







それにしても楓も伊藤蒼も出来た娘や。

佐藤二朗と伊東蒼の父娘、演技とピンポン上手。ピンポンの方は加工されてるだろうけど、あのくそ長いラリーで二人も観客も緊張を伴いながら物語を整理する。

果林島の爺のコレクション。
果実のしたたり。

和田光沙出てたんだ、見逃す不覚。公子のリハビリ看護師役でした。













テアトル新宿
2022年2月


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