JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「うずいてほてる未亡人」

2013-06-25 | 映画(DVD)
「うずいてほてる未亡人」新東宝 監督:渡辺護
2008年「喪服の未亡人 ほしいの・・・」改題

夫の西村を事故で亡くしたいずみは、遺品の中に女の歌声が入ったカセットテープを見つける。彼女はそれを浮気の証拠だと思い、西村の友人・藤井に相談する。彼女の妄想は膨らみ、裏切った夫への復讐のため藤井と関係を持とうとするが・・・。

荒木太郎監督作品の脇役でよく目にする淡島小鞠(脱ぎ無しの場合も多いような)は三上紗恵子の名で脚本(かなり破綻を来たしているホンが多いような)を手がけたり助監督をやっったりしている人だけど、主演映画を見るのは初めてかもしれない。
その淡島小鞠が本作では冴えない未亡人役。何か台詞回しも狙って演劇的であり、不思議ちゃんの雰囲気を醸していて、これがなかなかよろしいのです。
脱ぐとお世辞にも豊満といえないスレンダーというよりも貧相と言ってしまいたくなるヌードが役柄に合っているし・・・。脱ぎ無しの出演が多いのも妙に納得。
裸とは違う所で勝負するという一風変わったピンク女優としての存在は前から気になっていた。
対象的に夫の友人藤井(岡田智)の女房(幸田李梨)がとても明るいどスケベ女房という取り合わせも面白い。

巻頭に淡島小鞠の泣き顔のアップ。夫に先立たれて泣いているのか、夫の不倫疑惑を発覚して泣いているのか。いずれにしても棺の前で泣いている。客も坊主もお経も無いのけれど、立ち上がろうとすると足が痺れてこけてしまい、ナイスなパンチラ。良いアイデアです。
誰も居ない所で律儀に正座を続けていたのでしょうか。それは夫への愛?

藤井夫妻の性生活の主導は女房。痴女ばりにあれこれ夫に命令して貪欲に快楽を貪る。未亡人となった夫の友人の妻の事を気にしているようだが、理由は身体が火照ってたまらないんじゃないかしらときわめて下品。そんな彼女がふと口にする「あなた、死なないでよ」の台詞が響く。そうですピンク映画は愛が題材なのです。
また、ヌカ2を試みる(それはいずみの言う一発という言葉を敬遠するためなんだけど)夫に対して、「そんな事しなくていいよ、明日も仕事でしょと」と夫を気遣うのはあまりにも意外。ベッドに頭をぶつけて「バカっ!」も良い。久しぶりにピンク出演数の多さを誇る幸田李梨の輝きを見たような気がする。終盤のマスクを使った夫婦間の台詞のやりとりも面白い。

さて淡島小鞠は夫に不倫疑惑を抱いているが、その理由がカセットテープに納められていた歌と嬌声。これ、いつの時代に録音されたか定かじゃないし、多分に被害妄想的。
復讐のため藤井へ迫るその様子から、これは彼女が夫婦生活に何らかのコンプレックスを抱いていた事が想像できる。愛してはいたけれども何らかの虚無感とか、性的なコンプレックス。
夫の不倫相手が妄想とも幻ともつかない結城レナ。
結城さんもとても注目しているピンク女優さんなんだけれども、今回は出番が少なかったのが残念。ま、そこまで欲張っちゃいけないか。

他愛もないストーリーの中にそれぞれの夫婦間の関係が見え隠れする、これはなかなかの佳作だったじゃないですか。GOODですよ。
脚本は井川耕一郎という方です。

上野オークラ劇場

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