JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「エドワールとキャロリーヌ」

2021-05-29 | 映画(DVD)
「ソフィスティケイテッド・コメディへの招待」

「エドワールとキャロリーヌ」1951年 米 監督:ジャック・ベッケル
Edouard et Caroline 

ベッケルのパリ下町三部作”第三弾”芽が出ないピアニストの夫とお嬢様育ちの妻。妻の叔父が社交界の名士を集め演奏を披露させようとするが・・・。演奏当日、ベストがないことから大喧嘩に!服をきっかけに魅力的なドラマを引き出すベッケルの演出は最高。シャツ+ブリーフ一丁でうろつく夫も可笑しい。



「幸福の設計」に続いて、ジャック・ベッケルのラブコメがこんなにも可愛くて洗練されててお洒落だなんて知らなかったよ。早く三部作残るもう一本も観たい。



対照的な性格の若い夫婦の痴話喧嘩。
陽気なアン・ヴェルノンの可愛さったら。
好きな音楽かけてお着替え、鏡目線はカメラ目線。やたら物を隠す、壊す、夫のチョッキは誤って捨てる。
売れないピアニスト、ダニエル・ジェダンはブリーフ姿でウロチョロ。
取っ組合の喧嘩で押えられても噛みつかんとす若妻。



質素なアパートから富裕な親戚のパーティシーンへ。群像的に描かれるそれぞれが手際良く気持ち良い。
個人的にはしかめっ面の給仕がシブカッコ良かった。
50年代パリ、カッとしても嫁に手を上げたら即離婚。これ常識。覚えとこうね。



ピアノ演奏シーンが何度も。贅沢に尺を使っているのでここはパーティ客とともにうっとり。柱時計とのデュオにクッスリ。



神対応のはずが大恥かかされ帰ってしまうご婦人。
いつも話題の中心に居たい美人マダム(エリナ・ラブルデット)の旦那が救世主。

ラスト、パリ街並みに移る視点にあっ晴れ。
物語はアパートの一室、豪邸のパーティ会場と基本的に室内で展開されるんだけど、冒頭とラストで窓から臨むパリの街を入れてくるセンスは鑑賞後心中大拍手案件。できました!

喧嘩の後のアイスは美味しいだろうと思わせる素敵なラスト。

※カネコアヤノの歌詞でレビュー、細々とやってます。


シネマヴェーラ渋谷
2021年1月

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「プーサン」 | トップ | 「地獄の警備員」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事