JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ウルフなシッシー」

2018-10-29 | 映画(DVD)
「ウルフなシッシー」2017年 楽しい時代、モクカ 監督:大野大輔

売れない女優アヤコは、舞台のオーディションに落選した憂さ晴らしのため、こじゃれたバーで親友ミキと盛り上がっていた。そんなさなか、アヤコの彼氏の新米AV監督・辰夫が呼んでもないのに彼女たちの前に現れる。アヤコと辰夫は破局寸前の微妙な関係。空気を読まない辰夫によって、場の空気が一気に険悪なムードへと変わっていく。ミキが帰り、残された辰夫と泥酔したアヤコは互いの不平不満を吐き出し、罵詈雑言の応酬へと突入する。



石井輝男の「異常性愛記録 ハレンチ」を観て以来、いつか現代版のモラハラ作品をどなたか作ってくれないものかと思ってる。モラハラまで行かないまでも西村賢太の秋江ものの映画化とか。要するにそういうのが好物なのだ。
厳密に言うと本作はモラハラ物とは若干異なるのだが、大野監督自ら演じる男の理屈攻撃は、素なのか演技なのかかなりモラハラ才を感じる。
そして本作はいかにも現代の男性監督によって作り上げられた感が強く、なんだか好ましいのだ。



女の利口と男の馬鹿はつっかう感が良い。最近はそういうの少ないように思う。
最低男ではあるものの従前のダメ男典型とは少し違ってる。
ダメ男の象徴である経済力の無さや金銭感覚の欠如、博打に走る性向。それらは全て女側に置いているのは興味深いし、現代的と感じる。



ダメな女、根矢涼香による一万両にも値する「睨み返し」は必見。
結局なんだか丸め込まれて、それでもなんだか一応ハッピーな感じになるのホントいい。



鑑賞動機は脇役のしじみだったけれど、しじみの扱いの贅沢さ、もったい無さ。なんたってほったらかし。それでも先端恐怖症のAV嬢役で存在感示してる。

これは案外と好ましい作品だった。






新宿ケイズシネマ

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