生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

勤務医さん 潰れるまえに声をあげて欲しい

2010-07-02 20:59:59 | 日記

 「勤務医」と一言でいってしまえばそれまでですが、その実態は様々です。
 半分昼寝しておいても済むふざけた感の老人病院もあれば、夜間救急だけで日に30件も対応しなくてはならない病院もあります。また産科や小児科は四六時中息を抜く間もありません。しかし、その厳しい勤務実態やリスクに見合うペイはそれほどではありません。ペイの面では、銀行や証券の管理職のほうが余程恵まれているでしょう。ただ、仕事の格調の高さや自己満足度・社会貢献度の点では、医師のほうが数段も上まわることは間違いありません。だからこそ、”先生”と敬われているのです。
 尊敬されるべき仕事を3K・4Kの環境やリスクを強いられている勤務医の方々には、心から敬服する次第です。是非 脱落や逃避をしないで頂きたいとお願いします。

 私は、医師集合体としての「医師会」を常に批判し続けている立場です。個々の医師の批判は一切しない立場です。その立場で良識ある勤務医の方々にお願いをします。

 1.悲惨な現状と改善を経営者に訴えてください。
 2.それを市民にも訴えてください。市民と共闘してください。
 3.医師会や行政にも訴えてください。
 4.勤務医・開業医間の医師偏在を、行政・医師会・市民に訴えてください。
 5.訴える力を持てる組織を作ってください。

 勤務医は肩書は様々なれど詰まるところ労働者なのですから、一般市民の感覚に馴染むところがあります。市民レベルの目線で訴えて欲しいのです。そのうえではじめて市民を巻き込んだ市民目線の医療崩壊再生がスタートできるのではないでしょうか。

 従来のような行政や医師会の医療再生方策は、所詮その立場での発想でしかありません。所詮「上から目線」ですし、その目線からは何も生まれません。

 で、いつかも採り上げましたが、中でも4.勤務医・開業医間の医師偏在 について声をあげてください。医師供給増は短期的には効果は緩慢です。一方団塊世代の受療はこれから急増します。今でも崩壊と言われているのですから、これから10年20年先はどうなりますか。今どころの話ではありません。崩壊ではなく「壊滅・死滅」といった状況ではないでしょうか。

 偏在の議論は様々ですが、詰まるところ「勤務医と開業医間の偏在」に尽きると私は結論付けています。
医学部定員を8,000名程度に限定しきた一方、「自由」開業性を続けているわけですから、勤務医不足は当然の帰結です。このお粗末な帰結に対しては、行政も医師会も責任を取りません。

 であるならば、心ある勤務医の方々が声をあげるしかないと思います。その声が結集されるべきです。そのための組織が必要です。そして市民を巻き込んで下さい。
プレーヤーは医師しかなれません。よってプレーヤーである医師自身が医療崩壊を食い止めるしかないのです。自分で自分にレッドカードを出さないでください。お願いします。
 プレーヤーにはなれなくとも市民は力強いサポーターになります。