室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

お幸せに・・

2009-10-25 11:52:23 | Weblog
昔、お教えしていた生徒の結婚式に招待されて、出席しました。

花嫁は、有名な俳優さん、林隆三さんのお嬢さんで、劇団『円』に所属する女優で声優としても大活躍している真里花ちゃんです。

「うしゃぎバスにのって、ようちえんいくの」「しぇんしぇいは、おとな?こども?」
学校を卒業したての私に、目をキラキラさせて一生懸命お話していた、おとぎ話のお姫様みたいなお嬢ちゃんでしたが、大きくなりました。辻堂のお宅に出稽古で伺っていたので、弟の征生ちゃん、お母様の一子さんも一時ピアノをお教えして、おばあ様も、お隣の妹さんご一家までも存じ上げる、林家とは深いおつきあいでした。

その真里花ちゃんが、桐朋学園の演劇科を卒業し、劇団『円』に入団して、舞台上でピアノを弾く役をやったり、座付き演奏役などでピアノを弾く姿を客席で観ることは、私にとって大きな喜びです。“冬ソナ”のチェリン役あたりから、吹き替えのお仕事でも大活躍となり、益々期待されています。

七月末に三軒茶屋で、隆三さんとのドラマ・リーディングを見せて頂いて、その時は何にも言っていなかったのに、八月に結婚式のご招待状が届き、びっくりしました。


素敵な結婚式でした。
大きなステンドグラスのあるチャペルで、参列者からは逆光で見えない花嫁の父の表情。花嫁の衣装の身繕いを正す母のシルエットを見ると、思わずジワーッと涙があふれ出てしまいます。バージンロードを歩く父親の役は何度も演じてこられたでしょうに、役とは違う、パパの緊張感が伝わってきました。花嫁を祭壇前で花婿に引き渡したあと、隆三さんは会場の係りの人に促されるまで、そのまま立ち尽くしていました。

混声四部のハレルヤ・コーラスに見送られて退場すると、チャペルの階段でフラワーシャワー、ブーケトス(ほぼやらせで、同劇団の水町レイこさんの手に。密かに狙っていたのに・・、ウソぴょん!)全員集合写真、家族集合写真などののち、披露宴会場へ。


ご新郎も劇団『円』の俳優さんなので、ご家族、ご親戚以外は、ほとんど劇団関係者。幹部の方達、若手俳優さん達の華やかな雰囲気に囲まれて、私は真里花ちゃんの舞台を楽しみに見守るPTA応援団席へ。

劇団代表(?)の橋爪功さんの主賓祝辞、演出家の小森さんの乾杯祝辞、ウェディングケーキ入刀、ファーストバイト(ケーキの食べさせっこ)と、ずっとアットホームな劇団の雰囲気そのままに進行。お色直し中座は、それぞれ姉弟が付き添ったのが雰囲気を一層和ませました。真里花ちゃんと征生ちゃんは1つ違いで仲良しの姉弟。まだまだ少年のままのような征生ちゃんは、その後もずっと、時々涙をこっそり拭いながらカメラマンを務めていました。ご新郎のお姉様も女優さん(?)のような華やかな雰囲気の美人で、この姉弟つきそい中座はどちらも、微笑ましく、見栄えのするものでした。

新郎の茶花健太郎さんは、外見はひょうきんだけれど知的な、温かい雰囲気の方で、この人といると真里花ちゃんは安心してのびのびとしていられるんだろうなー、良い組み合わせなんだろうなー、と思いました。


実は私は、披露宴の音楽の仕事を数え切れないくらい沢山やってきているので、披露宴に関してある意味、プロ中のプロでありますが、そのワタクシから見ましても、本当に良い結婚式でした。お色直しで再入場してきた新郎新婦は各テーブルを回って写真を撮ったり談笑しあったりの、ゆったりとした時間がたっぷりあって、こういうのがいいなーと思いました。

こんな、演奏しなくていい、スピーチしなくて、ただお食事してればいい披露宴はかつて出席したことが無い。・・と思っていたら、最後にテーブルスピーチが、突然やってきました。「真里花さんの恩師の・・」えっ、私のことですか?

そんな風におっしゃって頂いては申し訳ないみたいで、こちらこそ、色々と刺激を受け、勉強させて頂いた面もいっぱいあるのに・・と思いながら、何をしゃべったかよく覚えていませんが、想い出をいくつか思い出すままにお話したようです。すでに何度も“おめでとうございます”は言っているので、その場でちゃんと言えたのかどうか、今になって心配になっていますが、どーにか「お招きいただき、ありがとうございました」だけは言ったと思います。


花嫁からの両親への感謝の手紙、花束贈呈、花嫁の父の謝辞、新郎の父の謝辞(お父様、大変ご立派なご挨拶でした)、新郎茶花さんご本人のご挨拶・・と、最後までアットホームなご披露宴でした。最後に、近頃多い《エンドロール》上映。わずか3時間前のチャペルでの挙式から披露宴が始まるあたりまでの映像を編集して、列席者全員の名前を載せて、歌1曲分に合わせて上映するのです。映像には、誰もがよく知っている花嫁の父が、祭壇前でおじぎをするスローモーション・シーンもありました。

こうして、背が高く、大変に見栄えの良い新郎新婦の結婚式は終わりました。本当に、心から「末永く、お幸せに」


真里花ちゃんの幸せな、可愛らしい花嫁姿を見届けられて、本当に嬉しかったです。

あー、でもね、計算したくないですけどね、○○十年経っちゃってるんですねー。オトロチーこってす。

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