古代日本の歴史を謎解き

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平安時代末期「今昔物語集」

2018-11-12 17:27:47 | 歴史
平安時代に書物として有名なのが
「今昔物語集」
皆さんご存知の通り全ての話の始まりが「今ハ昔・・・」のくだりで始まります。
日本の昔話で「昔々、あるところに、おじいさんと・・・」で始まり下りが多いです。
既にあった本などをまとめたものでしょう。
作者は不明です。

その内容の多くは仏教です。
天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)の三部が始まり
仏教が漢字を使った漢語の写経をわかりやすく日本語の漢字とカタカナに訳しています。
それもインドのお釈迦様の時代から中国、そして日本での仏教とその歴史もきちんと記しています。
天皇家が神社制度確立し神道を進める一方、仏教が広く布教した事でしょう。

最後に、本朝世俗部が登場して、当時の日本の状況を文芸の分野から表現しています。
その中に「かぐや姫」も登場しているようです。
武勇伝は、源氏から藤原氏のお話になっています。

何者とも知れぬ女盗賊の話
ある男が美しい女性に騙されて強盗の手伝いを・・・
男が家に戻ると女は消えていた・・・
現在の私達が読んでもドキドキさせられます。
「今ハ昔・・」のくだりは、今となっては昔の話となりますが・・・と訳されていますが
このくだりでまとめた作者には頭が下がります。

一方「古事記」は全て漢字ですが
イザナギとイザナミの国産み、神産み
イザナギの黄泉の国訪問など
そのストーリーの雄大さと面白さに驚かされます。
平安時代に現在の日本語が生まれと云えるでしょう。
宗教、文芸など平和な時代ですが、後に武力の世界 武士の時代に突入します。


日本昔話「竹取物語(かぐや姫)」

2018-11-12 15:43:28 | 歴史
桃太郎の物語の次は、かぐや姫のお話です。
登場人物を見ても、平安時代初期のお話
後の今昔物語(平安時代後期)には、既にその形が出来ています。
物語 昔々、お爺さんとお婆さんがいました。
・お爺さんが山へ竹取に行く
・明るく光り輝く竹を見つける
・竹を切ると小さな女の子が
・次の日に竹を切るとお金が出てきます。
・お爺さんとお婆さんは裕福になります。
・女の子はすくすく大きくなり3か月後には、「なよ竹のかぐや姫」と名付けられます。
・沢山の若者がかぐや姫見るために家の周りに集まる。
・五人の貴公子が求婚する。
かぐや姫が難題を出します。
石作皇子には「仏の御石の鉢」
車持皇子には「蓬莱の玉の枝(根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝)」
右大臣阿倍御主人には「火鼠の裘(かわごろも、焼いても燃えない布)」
大納言大伴御行には「龍の首の珠」
中納言石上麻呂には「燕の産んだ子安貝」
いずれも、幻の珍宝ばかりです。
嘘をつくものがあり、お金で偽物を買って来る等します。
最後に大伴が海に出ますが、奇病にかかり死んでしまいます。
結果、誰とも結婚しませんでした。

・帝と和歌を遣り取りするようになって三年
・自分はこの国の人ではなく月の都の人であって、十五日に帰らねばならない。と告げます。
・二千人の兵で家を守り、かぐや姫を中に閉じ込めます。
・その夜、雲に乗った人たちが下りてきます。
・兵は力を失って、矢を打ってもあらぬ方向へ飛んでしまいます。
・かぐや姫も外に出てきて、屋根に浮かぶ車にのります。
・かぐや姫泣き出して、手紙を書きます。
・手紙と天の羽衣の入った箱と不老の薬が入った箱を残して去っていきます。
・後に帝は「会うことも無いのに・・・不死の薬が何になろう」と詠み
・手紙と不老の薬を駿河国にある日本で一番高い山で焼くように命じた。
ざ~っとこんな感じです。
桃太郎よりかなり複雑ですね。
・竹から生まれたかぐや姫
・お金が出てきてお爺さん、お婆さんが金持ちに
ここまでは、桃太郎の女性版です。
多分、後に桃太郎伝説が真似をした。
一人の美女に、五人の金持ち
現代のアイドルを交えてテレビドラマに出来そうですね。
・大陸思想に出てくる五つの珍宝
やはり古代大陸の文化が出てきます。
・かぐや姫は、月の国の人でした。
天照が太陽神ですので、新たに天上界の月の国として登場させた。
天照は結構わがままで拗ねてしまったりしますが
かぐや姫は純粋で美しい女性です。

・やはり出てきた不老不死の薬と羽衣
・帝(みかど)つまり天皇だけがかぐや姫と文通をしています。
・日本一高い山、富士山(駿河国:静岡側)で焼き捨ててしまう。
かなり平和な平安時代の京都だったようです。
漢字が伝わり、ひらがな、カタカナが出来て
文学でも発展します。
特に清少納言や紫式部と二人の女流作家も登場します。
建物も立派になり、十二単など女性の着物も派手になり美しくなります。
美しい女性の条件に歌を詠むなど知性も必要になりました。
「古事記」の編集時期と重なる時代設定ですが
日本神話に登場する神様や神社のお話は登場しません。
日本神話の神様は色々と癖のある生々しい神様が多い中で
かぐや姫は一層、美しく感じられたのではないでしょうか。


日本昔話「桃太郎」

2018-11-11 22:26:33 | 歴史
奈良の地で開花した飛鳥時代
・漢字の普及
・仏教のの普及など朝鮮半島を経由した大陸文化が
大和朝廷の源となったようです。
平城京、長岡京と遷都を繰り返し
京都の平安京時代に
漢字からひらがなが出来て文字が広がります。
・「古事記」「日本書紀」など日本の歴史書が完成
・紫式部の「源氏物語」、清少納言の「枕草子」と女流作家も登場します。
・「竹取物語」のかぐや姫もこの時代が背景です。
沢山の昔話も出来たようです。
その中で、最初に「桃太郎」の昔話
昔々
・おじいさんとおばあさんが
・おばあさんが川で大きな桃を拾って帰る。
・桃を割ると元気な男の子が(桃太郎)
・桃太郎が大きくなって鬼退治に出かける。
・きび団子を持たせる。
・犬、キジ(鳥)、猿が子分になる。
・鬼を退治して、財宝をもって帰る。
・おじいさん、おばあさんが金持ちになる。
まあ、大体こんな流れです。
しかし、諸説ありますが
・桃太郎は、拾った桃をお爺さんとおばあさんが食べて若返り
 桃太郎が生まれた。
 桃から生まれた話は明治に書き換えられた。
・桃太郎は、第7代孝霊天皇の第3皇子彦五十狭芹彦命(吉備津彦命)
 何と欠史八代の時代です。
・きび団子は、稗、粟、キビ のキビなのか、岡山の吉備なのか
・猿、犬、キジ(鳥)は十二支から、方向的に西です。
・鬼退治は、大和朝廷と吉備の争い??
ここに歴史の真実があるのでしょうか。
桃は仙人の食べ物で日本神話のイザナギのお話でも出てきます。
西方向の十二支が登場するなど、やはり大陸思想の影響があるようです。
奈良の纒向(まきむく)遺跡から出土した桃の種が2世紀ごろと発表されて話題になっています。
しかし、古代の桃(すもも)の種は縄文時代の物が長崎から出土する等
各地にあったようです。

現在の白桃は明治の出来事で岡山が最初の産地です。
仙人が食べる不老不死、長寿の食べ物が桃で、古代から桃伝説があった。
平安時代に天皇家の皇子を桃太郎とした物語に
・桃を食べて強くなった皇子が西の守り神、猿、犬、鳥をつれて出発
・吉備(岡山)を平定し貢物(宝物)を持って帰った。
後の時代に
・岡山が出発地になり、きび団子(吉備団子)が登場
私たちが知る大きな桃(白桃)から生まれる桃太郎は明治に作り直されたようです。
以上、私の勝手な妄想ですが、如何でしょうか。


「魏志倭人伝」にも登場する「淮南子(えなんじ)」

2018-11-03 17:51:39 | 歴史
古代中国(紀元前二世紀ごろ)の宇宙観、思想をまとめた「淮南子」(えなんじ)に記述されたいる事が
三世紀ごろ大陸の歴史(三国時代)の史記「三国志」の「魏志倭人伝」に登場していました。

「魏志倭人伝」
とは
中国より東部の地域を
烏丸,鮮卑,夫餘,高句麗,東沃沮,挹婁,濊,韓,倭人に分けて
倭人について記述した部分が「魏志倭人伝」
その「魏志倭人伝」に紹介される女王国(倭国 或いは 邪馬台国)の南の国
侏儒(こびと)国
女王(国)を去ること四千余里
さほど遠くではないです。

裸国(はだかの人の国)・黒歯国(お歯黒の人の国)
東南に在る。船行一年でいたることが可(能)であろう。
こちらは、はるか南の国です。

「淮南子」に紹介される周囲の36国
裸民(西南至東南方)
黒歯人(東南至東北方)

東北至西北方の7国
跂踵人、拘纓人、深目人、無腸人、柔利人、一目人、無継人
はモンゴルから樺太でしょうか。
東南至東北方
長人、君子人、黒歯人、玄股人、毛民、労民

烏丸,鮮卑,夫餘,高句麗,東沃沮,挹婁,濊,韓,倭人
で一致する国があるのではないでしょうか。
倭国(倭人)の 倭 は「漢委奴国王」の金印に 委ねる と文字だと思われますが
国の名前だったのか?「委ねる」の意味だったのか?
それ以前は、何と呼ばれていたのでしょうか。
君子人(くん しじん)を後に 君子(きみこ)と発音
卑弥呼になった説は如何でしょうか。

日本神話「天地開闢」の原型が古代中国の書にありました。

2018-11-03 14:15:49 | 歴史
日本神話の天地開闢は「古事記」などに登場する最初の神話で
日本列島を産んでくれる国産みの神話の前の時代です。
お話の内容は
太古、天地は分かれておらず、互いに混ざり合って混沌としていた。
しかし、その混沌の中から、清浄なものは上昇して天となり、重く濁ったものは大地となった。
そして、神が生まれる。

このお話、実は紀元前の古代中国の書『淮南子』
詳しくは 「淮南子より学ぶ!修身、人間万事、塞翁が馬!」に紹介されていました。
紀元前二世紀ごろの書で後漢の武帝らも登場します。
何と云っても
巻二 俶真訓
「天地未だ剖(わか)れず、陰陽未だ判(わか)れず、四時未だ分れず、萬物未だ生ぜず……」

『日本書紀』の冒頭「古(いにしえ)に天地未だ剖(わか)れず、陰陽分れざりしとき……」
と全く同じ漢字で引用されています。

1、大陸から移住した弥生人が伝えて、文字がない時代に伝説として残った。
  当時「漢委奴国王」の金が贈られた時代です。大陸との交易も盛んでした。
2、漢字が普及し遣隋使、遣唐使らによって大陸の思想や文化が伝わり
  まもなく、「古事記」「日本書紀」の編集者ら参考にした。
他にも、キトラ古墳壁画の宇宙観 や
『日本書紀』神武天皇の言葉「掩八紘而爲宇」に引用されているようです。

漢字まで引用していますので、 2 は間違いないでしょう。
弥生時代に、その伝説が伝わっていて神様の存在になっていた可能性もあります。
もし、「古事記」「日本書紀」が完成する前に
鎌倉時代~江戸時代と武士の時代に突入していたら
今の神社制度、天皇制度は全くなかった事になっていたかもしれませんね。