古代日本の歴史を謎解き

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二人の女流作家「清少納言」と「紫式部」

2018-11-12 19:04:42 | 歴史
平安時代に文学を書いたら、この二人を省略するわけにはいきませんね
二人とも同じ時代に都で生活した二人の女性です。
清少納言「枕草子」の作者
春はあけぼの・・・での始まり春夏秋冬の表現が有名です。
966年頃、あまり身分の高くない受領階級の娘として生まれました。
16歳頃、清少納言は橘則光と結婚
993年(30歳くらい)一条天皇の妃である藤原道隆の娘、中宮定子に仕える。
枕草子は、清少納言が宮仕えをしていた7年間の出来事や考えたことを日記に書いた随筆です。
定子とのやり取りや宮中での恋愛ごとなど書かれています。
日記なので、短編の連続で 「〇〇きもの」で始まります。
最後は
ただ過ぎに過ぐるもの。
帆かけたる舟。人の齢。春、夏、秋、冬。

ただもう過ぎていってしまうもの。
帆を上げた舟。人の年齢。春、夏、秋、冬。

ちょっと遅れて
紫式部が仕えたのが藤原道長の娘である彰子
何と、藤原道長は彰子を一条天皇に嫁がせる
定子と彰子 どちらが正室になるか、どちらが先に子供を産むか?
スポーツに例えるなら、定子と彰子の二人の選手を育てるコーチみたいな立場です
他にも補佐役がいたでしょうから
チーム定子(清少納言)とチーム彰子(紫式部)の争いですね。
別に戦争ではありませんので、時は平和だと言う事ですね。
戦況は、接待上手、男扱い上手の清少納言有利です。
一方、紫式部は高飛車で男ウケが悪かったのです。
藤原道長が編み出した対抗策
紫式部がかねてより執筆していた「源氏物語」の執筆活動を支援
紙や筆記用具は藤原道長から無限に与え
墨をする要員など紫式部の執筆活動を手伝うアシスタントまでを雇用
その数20名

戦況の結果は??
残念柄、定子が亡くなり清少納言の負けとなります。
紫式部は彰子の出産を見届け、子育てのやり方を教えながら
源氏物語をどんどん終結の方向へ進めてる。
12歳の娘に自分の後を継がせて隠居
こんなこともあり、源氏物語は長編作品となります。
「枕草子」と「源氏物語」の背景には、かなりドロドロとしたものがありました。
定子と彰子の正室争に生まれた二人の女流作家
二人が同じ時代に登場した理由があったようです。

平安時代末期「今昔物語集」

2018-11-12 17:27:47 | 歴史
平安時代に書物として有名なのが
「今昔物語集」
皆さんご存知の通り全ての話の始まりが「今ハ昔・・・」のくだりで始まります。
日本の昔話で「昔々、あるところに、おじいさんと・・・」で始まり下りが多いです。
既にあった本などをまとめたものでしょう。
作者は不明です。

その内容の多くは仏教です。
天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)の三部が始まり
仏教が漢字を使った漢語の写経をわかりやすく日本語の漢字とカタカナに訳しています。
それもインドのお釈迦様の時代から中国、そして日本での仏教とその歴史もきちんと記しています。
天皇家が神社制度確立し神道を進める一方、仏教が広く布教した事でしょう。

最後に、本朝世俗部が登場して、当時の日本の状況を文芸の分野から表現しています。
その中に「かぐや姫」も登場しているようです。
武勇伝は、源氏から藤原氏のお話になっています。

何者とも知れぬ女盗賊の話
ある男が美しい女性に騙されて強盗の手伝いを・・・
男が家に戻ると女は消えていた・・・
現在の私達が読んでもドキドキさせられます。
「今ハ昔・・」のくだりは、今となっては昔の話となりますが・・・と訳されていますが
このくだりでまとめた作者には頭が下がります。

一方「古事記」は全て漢字ですが
イザナギとイザナミの国産み、神産み
イザナギの黄泉の国訪問など
そのストーリーの雄大さと面白さに驚かされます。
平安時代に現在の日本語が生まれと云えるでしょう。
宗教、文芸など平和な時代ですが、後に武力の世界 武士の時代に突入します。


日本昔話「竹取物語(かぐや姫)」

2018-11-12 15:43:28 | 歴史
桃太郎の物語の次は、かぐや姫のお話です。
登場人物を見ても、平安時代初期のお話
後の今昔物語(平安時代後期)には、既にその形が出来ています。
物語 昔々、お爺さんとお婆さんがいました。
・お爺さんが山へ竹取に行く
・明るく光り輝く竹を見つける
・竹を切ると小さな女の子が
・次の日に竹を切るとお金が出てきます。
・お爺さんとお婆さんは裕福になります。
・女の子はすくすく大きくなり3か月後には、「なよ竹のかぐや姫」と名付けられます。
・沢山の若者がかぐや姫見るために家の周りに集まる。
・五人の貴公子が求婚する。
かぐや姫が難題を出します。
石作皇子には「仏の御石の鉢」
車持皇子には「蓬莱の玉の枝(根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝)」
右大臣阿倍御主人には「火鼠の裘(かわごろも、焼いても燃えない布)」
大納言大伴御行には「龍の首の珠」
中納言石上麻呂には「燕の産んだ子安貝」
いずれも、幻の珍宝ばかりです。
嘘をつくものがあり、お金で偽物を買って来る等します。
最後に大伴が海に出ますが、奇病にかかり死んでしまいます。
結果、誰とも結婚しませんでした。

・帝と和歌を遣り取りするようになって三年
・自分はこの国の人ではなく月の都の人であって、十五日に帰らねばならない。と告げます。
・二千人の兵で家を守り、かぐや姫を中に閉じ込めます。
・その夜、雲に乗った人たちが下りてきます。
・兵は力を失って、矢を打ってもあらぬ方向へ飛んでしまいます。
・かぐや姫も外に出てきて、屋根に浮かぶ車にのります。
・かぐや姫泣き出して、手紙を書きます。
・手紙と天の羽衣の入った箱と不老の薬が入った箱を残して去っていきます。
・後に帝は「会うことも無いのに・・・不死の薬が何になろう」と詠み
・手紙と不老の薬を駿河国にある日本で一番高い山で焼くように命じた。
ざ~っとこんな感じです。
桃太郎よりかなり複雑ですね。
・竹から生まれたかぐや姫
・お金が出てきてお爺さん、お婆さんが金持ちに
ここまでは、桃太郎の女性版です。
多分、後に桃太郎伝説が真似をした。
一人の美女に、五人の金持ち
現代のアイドルを交えてテレビドラマに出来そうですね。
・大陸思想に出てくる五つの珍宝
やはり古代大陸の文化が出てきます。
・かぐや姫は、月の国の人でした。
天照が太陽神ですので、新たに天上界の月の国として登場させた。
天照は結構わがままで拗ねてしまったりしますが
かぐや姫は純粋で美しい女性です。

・やはり出てきた不老不死の薬と羽衣
・帝(みかど)つまり天皇だけがかぐや姫と文通をしています。
・日本一高い山、富士山(駿河国:静岡側)で焼き捨ててしまう。
かなり平和な平安時代の京都だったようです。
漢字が伝わり、ひらがな、カタカナが出来て
文学でも発展します。
特に清少納言や紫式部と二人の女流作家も登場します。
建物も立派になり、十二単など女性の着物も派手になり美しくなります。
美しい女性の条件に歌を詠むなど知性も必要になりました。
「古事記」の編集時期と重なる時代設定ですが
日本神話に登場する神様や神社のお話は登場しません。
日本神話の神様は色々と癖のある生々しい神様が多い中で
かぐや姫は一層、美しく感じられたのではないでしょうか。