白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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マトリョーシカ?

2016年04月16日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日も実戦を元にした問題を出題します。
問題化のために改造した結果、実戦の面影があまりなくなってしまいましたが・・・。



黒番です。
苦しい形ですが生きる方法を探してください。





黒1ではスペースが足りません。
黒5とやってみてもシチョウです。





黒1と一歩進めてみるのも、やはりダメです。





「2目にして捨てよ」の格言通り、黒1と下がるのが第一歩です。
最初の図でこの手が思いつかなかった方は、ここからどうなるか考えてみてください。





黒1と打つのは、白2でダメです。
既に出ている図と同じになってしまいますね。





2目にしただけでは足りないので、3目にして捨ててみましょう。
1の点に白に打たれて失敗しているので、「敵の急所は我が急所」でもあります。
すると、どうなっているでしょうか?





白2、4と取りに来た時に、利きが増えています。
黒AとBが見合いになり、黒生きです。





しかし、ここでまた問題です。
簡単には生かさないと、黒1に白2と応じてきました。
どう対応しますか?





黒1と受けるのは失敗です。
目を作るスペースが足りません。





黒1と真ん中にツケるのが正解です。
白2と渡りを止めるのは黒3で先にアタリです。
白Aと来ても黒Bで問題ありません。





白2なら黒3で渡れています。
曲がり4目の形で生きとなります。





実はまだ終わりません。
黒1に白2と来たらどうしますか?
最後の問題です。





うっかり黒1と打つと白2で5目ナカデです。
今までの苦労が水の泡になってしまいます。





ナカデにされないよう、黒1が正解です。
白2と来られても攻め合いは黒が勝っています。
これらの図が全部読めてこの問題は読み切りとなります。
実戦で読めれば、プロにも3子以内の腕前でしょう。


問題を解くために次々と小さい問題が出てくる、マトリョーシカ人形のような構成になったと思います。
皆様、楽しんで頂けましたか?
作者としては手間がかかりすぎるので、もうやらないかもしれません(笑)
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