白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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囲碁と年齢

2018年08月24日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)
<本日の一言>
大統領経験者が皆不幸になるというのは凄い話ですね。
なり手がいなくなると思いますが・・・。


皆様こんばんは。
本日は囲碁と年齢についてお話しします。

「子供の頃から囲碁をやっている人にはかなわない」
このようなことを仰る方は多いです。
これ自体は正しい面もありますが、誤解を含んでいることも多いです。

そもそも、棋力向上を目的とする場合、幼少期から囲碁を始めることのメリットは何でしょうか?
これを、語学や音楽の例に当てはめて考えている方が結構多いように思いますが、それは間違っていると思います。
私は、幼少期ならではの特別な学習能力というものは、囲碁においてはほとんど無いと考えています。
幼少期から囲碁を始めて有利な点は、人より多くの時間が使えるということでしかないのではないでしょうか。

4歳、5歳で碁を覚えたプロは珍しくありませんが、それから1年や2年で高段者になるケースは極めて稀です。
ですが、碁を10歳前後で覚えたプロの大半は、あっという間に有段者、高段者になっています。
上達速度に関して言えば、ピークは幼少期ではないということです。
むしろ10歳よりももっと上ではないかと思っています。

これは大人が碁を覚えたり、上達を目指す際にも意識しておくべきことだと思います。
上達のピークが10代だとすれば、20歳を過ぎたあたりから段々学習効率は落ちてくるでしょう。
しかし、身に付けられなくなるものは無いのです。

上達したいという意思を持ち、正しい努力をしているならば、どれだけ年齢を重ねていても囲碁は上達できます。
ぜひ諦めずに頑張って頂きたいですね。