白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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本日の対局

2017年08月24日 19時34分10秒 | 対局
皆様こんばんは。
本日は第66期王座戦予選林子淵八段と対局しました。
明日は王座戦挑戦者決定戦、一力遼七段芝野虎丸七段の対局が行われることは昨日お伝えした通りですが、そちらは第65期です。

プロ碁界では年中様々な棋戦が入り組んで行われています。
棋戦の年間スケジュールをご覧頂ければ、何となくイメージを掴んで頂けるでしょう。
ただ、実際にはこの表に加えて、前後の期も絡んで来る訳です。
ややこしい限りですね。

さて、それでは対局の方を振り返って行きましょう。



1図(実戦)
私の白番です。
白1ではAやBが定石ですが、一路広く開いてみました。
最善手はとても分かりませんが、最近はこういう時に打ちたい手を優先させることにしています。
打ちたい手を打っていれば、仮に上手く行かなかったとしても後悔はありません。
中心からずらした白7の開きも、似たような気分です。

ところで、この後隣で石音が聞こえたので、チラッと見やったところ・・・。





2図(隣の対局)
白△と打ったところでした。
配置が全く違うので、真似した訳ではないでしょう。
しかしこの瞬間、心なしか隣から視線を感じたような・・・(笑)。





3図(実戦)
黒1に白2、4のツケ伸びも、打ってみたくなった手です。
両ガカリされた時以外のツケ伸びは、プロの対局ではあまり打たれません。
私も初めて打ったはずです。
一言で言えば、左辺を立体的に構える目的です。





4図(実戦)
黒5と侵入されて左上隅が弱くなりました。
白8、10のツケ伸びは、頭を出しながら隅に根拠を求める打ち方です。
この系統のツケ伸びは実戦によく現れますね。





5図(実戦)
出来上がり図です。
左下黒△とほぼ同じ形が左上でもできました。
妙な碁になったものです(笑)。
この後白8から左辺黒を攻める展開になりました。

この後優勢になりましたが、例によって勝ち切れず、残念な1局になりました。