白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

10/3の対局

2020年01月08日 23時59分59秒 | 対局

<本日の一言>
昨日、昨年の賞金ランキングによる昇段者が発表されました。
小池芳弘五段は4年連続、安達利昌七段は3年連続、姚智騰六段、大西竜平五段、大竹優四段、広瀬優一四段は2年連続の昇段ですね。
昇段者は11人ですが、誰にも勝てる気がしません。



皆様こんばんは。
昨日はお休みしました。
本日は更新しなければと思っていたのですが、カルロスゴーンの会見を見ていたら遅くなりました。
ひたすら喋り続けていましたが、流石に凄いバイタリティですね。

そして先ほどトランプ大統領の声明発表が始まり、通訳を聞きながら書いています。
当面は大事になりそうもなく、ほっと一息でしょうか。

さて、本日は十段戦予選のマイケルレドモンド九段との対局を振り返ります。
ネタが無さすぎて、3ヶ月前の碁を持ち出す有様です。

1図(実戦)
私の黒番です。
白1のツケに対して、一度は黒2と受けました。
しかし、受けてばかりではいられないので、白3には黒4とハネ出して反撃しました。
強引なようですが周囲には黒石が多いので、黒が取られる心配はありません。



2図(実戦)
取るか取られるかの戦いは白が不利なので、白×を捨ててきました。
柔軟な打ち方ですね。



3図(実戦)
見たことの無い振り替わりになりました。
白は2子を取られた代償に、上辺を良い形で破っています。
問題は黒に張り付いた白×です。
白にとっては明らかにマイナスですが、それがどの程度のものなのか・・・。
黒が取りにいけば捨ててくるでしょうし、右辺を黒地にしようとすると、白Aのコウ仕掛けが残っていることが気になります。
結局、数字にして何目という評価ができず、これが原因で後々まで形勢判断に苦労しました。




4図(実戦)
そして、左下でまたしても部分戦になりました。
攻め合いは黒が有利ですが・・・。




5図(実戦)
またしても捨て石作戦でした。
白×が取られるまでには時間がかかります。
その時間を利用して、下辺に黒石を偏らせ、白石を将来性の高い左辺に持っていこうとしています。




6図(実戦)
結局、白×を全部捨てることになりましたが、左辺白は相当な構えです。
当初の姿からは想像もできないような大変化ですね。

ここに至るまでにひどいミスがあり、対局中はどんよりとした気分でした。
しかし、こうして振り返ってみるとなかなか面白い碁かもしれませんね。
振り替わりは碁の華だと思います。



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