白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

10/5の対局

2020年10月07日 23時00分01秒 | 対局

<本日の一言>
明日は天元戦博多・カマチ杯準決勝が行われます。
どちらも日本棋院ネット対局幽玄の間での中継があり、天元戦の方は伊田篤史八段の解説付きです。
博多・カマチ杯の方はYoutubeの日本棋院囲碁チャンネルでも配信されます。
また、女流棋聖戦本戦1回戦の上野梨紗初段(14)-仲邑菫初段(11)戦も幽玄の間で中継されます。
ぜひご覧ください。



皆様こんばんは。この碁で後悔する手はあまり無かったのですが、右辺の折衝で大きな反省点がありました。
本日は10/5に碁聖戦予選で王立誠九段(61)と打った碁を振り返ります。

1図(実戦)
私の白番です。
ここで素直に白Aと出るか、白Bと切るかで迷いました。
白Bはなかなか洒落た手で、続いて黒C、白D、黒E、白Fという進行になるでしょう。
地を得しながら右下白を治まり、右上白も生きさえあれば良いという、かわす打ち方ですね。
ただ、後に黒A、白Gと利かされると黒が厚くなってしまうのが嫌で、実戦は白Aと出ました。
実は、理由はもう1つあったのですが・・・。



2図(実戦)
それは、右辺黒は黒Aの利き筋があっても、まだ生きていないだろうということです。
しかし、平然と放置されて愕然としました。
読んでみると明らかに生きています。
黒AとBの2つの利き筋があり、ギリギリまで決めないのがポイントですね。
ポカと言えばポカですが、基本的な確認を怠ったことによる失態と考えるべきです。



3図(変化図)
白1の置きが急所ですが、黙って黒2と受けておいて大丈夫です。
黒6まで、AとBが見合いで白が困ります。



4図(変化図)
また、利き筋を無くす白1には、黒2と急所に守って生きています。
一応セキで黒地0にはできますが、大した利益ではありません。
しかも、うっかり黒Aの当てから黒Bと抜かれたりすると、8目の黒地ができてしまうリスクもあります。

死活の間違いは致命傷になることも多いです。
しかし、前提条件を見誤っていたものの、私が打った手は自体は悪手ではなかったようです。
今回は運が良かったですね。



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