白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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昨日の対局

2020年12月18日 23時59分59秒 | 対局

<本日の一言>
天元戦は一力遼挑戦者(23)が井山裕太天元(31)を破ってタイトル奪取しました。
これで碁聖と合わせて2冠です。
実力がありながらも昨年まで七大タイトルは取れていなかったのですが、いよいよ本領発揮してきましたね。



皆様こんばんは。
昨日は王座戦予選で鶴山淳志八段(39)と対局しました。
印象に残った場面を振り返ってみたいと思います。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。

1図(実戦)
私の白番です。
白2子を捨てて外勢を築きました。
実利と厚みの分かれなどという表現をしばしば見かけますが、これは実利とハリボテの分かれですね
白が悪いことは分かっていましたが、これで打ってみたいと思いました。
しかし、思い切りよくいったわけではなく、時間の使い過ぎで後々苦労しました。



2図(実戦)
白1の飛びはヌルく、白3とハネる一手でした。
実戦も後から白3とハネ出して黒を切断したものの、黒Aなどの反撃を狙われて白が薄くなっています。
本局で最も反省した場面です。



3図(実戦)
白1と逃げたのはひどい手でした。
黒4の後白A、黒B、白C、黒D、白E、黒F、白Gと進めば黒大石を分断でき、黒Hには白Iで生き・・・。
との読みでしたが、白Iには黒Jで簡単に死んでしまいます。

残り1分の秒読みになっていたとは言え、流石に白1と打つ直前で気付いたのですが、手が止まりませんでした。
逃げずに白3なら、隅の白地に限れば9目も違ったのですが・・・。
形勢が苦しい中でのポカには心が折れかけました。



4図(実戦)
下辺白大石に眼が無く、白×も心配です。
しかし、安全第一で打っていては勝ち目が無さそうなので、白6まで反撃したのは必死のところでした。
とは言え、ここから白×を取りにこられたら、刺し違えで黒×を取ってもダメだった気がします。
実戦は黒が自重しましたが、両方の白石を凌ぐことに成功しては逆転したようです。
ほぼ全局を通して苦しい碁でしたが、運が良かったです。



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