白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

NHK囲碁講座9月号

2018年08月22日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
バドミントン女子、アジア大会で48年ぶりに優勝!
おめでとうございます。


皆様こんばんは。
本日は連載中のNHK囲碁講座別冊付録をご紹介します。



9月号は8月16日に発売されました。
折り返し地点となる連載第6回は、「石がバラバラ病」です!
我ながら、なんと恐ろしげなタイトルでしょうか。

「石をしっかりつなげなさい」
どなたでも一度はこのような教えを受けたことがあるでしょう。
石のつながりは碁の基本中の基本であり、最も重要なことでもあります。
初心者はもちろん、私達プロ棋士にとっても大切です。

石は1つ1つ置いてあるだけよりも、2つの石が連絡、連携することによってより大きな力を発揮します。
それも、1+1=2となるとは限りません。
1+1が3や4、あるいはそれ以上になることもあるのです。
そのあたりは、私の著作である「やさしく語る碁の大局観」をご覧頂くと分かりやすいでしょう。
置き碁では5子局を超えたあたりから、置き石が増えるごとに急激に白の打ち方が難しくなっていきますが、それは置き石同士が強力に連携するからです。

置き石を例に出しましたが、もちろんそれ以外の石に関しても同様です。
置き碁でも互先でも、石同士が連携することは大切なのです。
それができなければ、戦いで優位を築いたり、効率の良い打ち方が難しくなってしまいます。
また、もっと酷いケースとして、近くにいた石同士がバラバラに引き裂かれ、厳しく攻められてしまうようなこともありますね。
それが今回のテーマであるバラバラ病です。

石がつながることの重要性は、どなたもある程度は理解している筈です。
しかし、それでも毎回バラバラ病を発症してしまう方は後を絶ちません。
気を付けているはずなのに何故なのかと、不思議に思っている方も多いでしょう。

その原因は大きく2つありまして、1つは石がつながることの価値を過小評価しているケースです。
例えば、石をつなげて打つるかどうかを、石が取られる危険があるかどうかだけで判断してしまうケースです。
もちろん、石がつながれば取られにくいというのは大事なことですが、つながることの価値はそれだけではないのです。

もう1つは、他のことに気を取られて忘れてしまうケースです。
例えば、相手の石を取りたい、地が欲しい、早く大場に向かいたい、などなど・・・。
しかし、自分の石の状態が良くないのに無理をしてしまうと、得たものよりずっと大きなツケを払う羽目になってしまうのでしょう。
そうならないよう、しっかりと状況確認をしておきたいものです。


石がバラバラ病は自覚しやすく、お悩みの方も多いと思います。
ぜひ今回の講座で原因を発見し、治療に取り組んで頂きたいですね。
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