白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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問題解答

2018年08月08日 23時28分55秒 | 問題集
皆様こんばんは。
東京に台風が近付いています・・・。
明日は対局がありますが、無事市ヶ谷に到着できることを祈っています。

さて、本日は昨日の問題の解答を発表します。



<1図>
まず、黒1と放り込まなければ何も始まりません。
白のスペースを狭める手筋ですね。





<2図>
そして、白1と取った時に黒2と押さえてダメを詰めておく手が好手です。
白3を待って黒4の急所に置き、白5には黒6と突っ込むのが白を欠け眼にするための手筋です。
白はダメ詰まりで、ちょっと嫌な形になりましたね。





<3図>
白1と取る一手に対し、黒2の放り込みがまた手筋です。
次に白Aなら黒Bと打ち、欠け眼になって白死となります。
白が困ったように見えますが・・・。






<4図>
放り込みには白1とつなぎます。
黒2と5子を抜かれますが、おや?
この形は・・・。





<5図>
白1と切る手がありますね!
これで黒2子を取れているので、白生きとなりました。
結局、黒は地を得しましたが、白も全体は無事に済んだということです。

この白1を「石の下」もしくは「跡切りの筋」と呼びます。
アマの皆様の中で、実戦でこの筋を使ったことのある方は少ないかと思いますが、しばしば実戦の死活に潜んでいるものです。
一方、プロの対局では両者分かっているものの、結果が見えているゆえに手を出さないということも多いですね。
知名度が高い割に、不遇な手筋と言えるかもしれません(笑)。