白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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四谷大塚こども囲碁教室3日目

2018年08月12日 22時50分27秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
「3位決定戦に勝って決勝進出」
記事の間違いかと思いました。


皆様こんばんは。
実験的に、冒頭に「本日の一言」コーナーを設けてみます。
日々のニュースなどに、考え無しにコメントするだけのコーナーです。
より日記感が出るかと思いますが、如何でしょうか。

さて、本日は四谷大塚での囲碁入門教室の最終日でした。
四谷大塚は主に中学受験のための指導を行っている学習塾ですが、学力強化だけでなく、
「独立自尊の、社会や世界で活躍できる人材を育てる」ことを理念としているそうです。
そのためにも、囲碁の持つゲーム性が役立つと評価して頂いているようです。

また、私以外にも日本棋院のスタッフが何人か参加しているのですが、さらに四谷大塚の先生方もサポートしてくださっています。
子供達の案内などを担当して頂いているのですが、今年で3回目ということもあって、練習中の子供たちにヒントを出してくださる方もちらほらと。
流石先生ですね。

それでは、本日も入門指導についてお話ししていきましょう。



<1図>
「相手の石を囲むと捕まえられます。
では、この黒石を捕まえてくれる人!」
入門教室での定番中の定番ですね。
実際には、黒ではなく赤だったり、石ではなく「おうまさん」であったりしますが・・・(笑)。





<2図>
ともあれ、それで出てきてくれた子供達は必ず白1~4とポン抜きを作ってくれます。
もちろん、最初は白a~dに置いてしまう子もいますが、石を4つだけ渡しておくとすぐにミスに気が付きます。
ポン抜きは簡単なルールなのですね。






<3図>
ところが、実際に練習していると、白1と打って黒△を取ろうとしてしまうような子を沢山見かけます。






<4図>
最初に「グループ」の概念を説明していて、それ自体は理解できているのです。
ですから、黒△は1つのグループであり、それを取るためには×の所を全て囲わなければならないということも理解しています。
それでも、実際に打っていると忘れたり見落としたりしてしまうのですね。
何事も、理解と体得には大きな差があるでしょう。
これは囲碁も例外ではありません。

ですが、私はこうも思います。
理解できるものは、いつか必ず体得できるはずだと。
そこで、今回の入門教室では、とにかく粘り強く教えるということを意識しました。
4歳の子供でも、ポン抜きとグループの概念を理解できるなら、必ず囲碁も理解、体得できるはずです。
子供たちが理解、体得できるまで何度でも説明する、そんなスタンスで臨みました。

3年前に比べれば、私の入門指導のレベルは格段に上がったでしょう。
しかし、それによって今まで見えていなかったダメなところも沢山見えるようになりました。
まだまだ上級者には程遠いですね。
囲碁の棋力が上がる度に味わっていた感覚を思い出しました(笑)。
今後も精進を続けたいと思います。

ともあれ、素晴らしい3日間でした。
今後もぜひ続いて欲しいですね!