白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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LeelaZero

2018年08月04日 23時57分03秒 | AI囲碁全般
皆様こんばんは。
日本棋院ネット対局幽玄の間では、毎日棋士とAIの練習対局が行われています。
DeepZenGoは引退してしまったので、AQのみになっていましたが・・・。
最近、新たに2つのAIが加わりました!
今回はそのうちの1つ、LeelaZeroの対局をご紹介しましょう。
相手は芝野虎丸七段です。

1図(テーマ図)
芝野七段の黒番です。
黒△は危なっかしいようですが、白もA、B、Cと断点が多いのでギリギリ成立する手です。
シチョウ関係の問題さえクリアすれば、黒△は取られません。





2図(実戦)
・・・そのはずでしたが、白2、4と取りにきました。
芝野七段がシチョウを間違えた?
いえ、そんなことはありません。





3図(実戦)
黒△まで進みました。
黒Aのシチョウと黒Bの切りが見合いです。
白は両方を防ぐことはできません。
もしシチョウ白良しなら、Bの方を防げば良いわけですが、実際はシチョウ黒良しです。
白が困ったように見えますが・・・。





4図(実戦)
ご覧の通り、白×が取られました。
元々白の構えがあったところだけに、上手く捨てたとも見えませんね。
しかし、何事もなかったかのように白9へ・・・。

これで右辺が良い構えになったということなのでしょう。
部分的に損な分かれを選び、全局的に得をする打ち方はAIが得意とするところです。
それにしても、この打ち方は真似できませんね。