いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第8話>初めての戦闘! / ガンダム外伝

2007-06-19 17:38:48 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
「<第6話>MS戦闘論」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8c95957df215b12e4eb73b298b0bc0f5
「<第7話>索敵!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/261f46ba13114524daf67b7b59e8b46a
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


私がミィ少尉を視認した時、ミィ少尉のジムは3時方向を指さしていた・・
私も3時方向に目をやった・・  なにぃ!! 戦闘中か!!
バーニア炎とビーム交差の輝きが目に入る・・ 距離は2500といった所か・・
私はまた、214号機の背中部分にMSの手を触れた・・

「ミィ少尉 行くぞ!」

ん?返事が無い・・

「どうした? ミィ少尉?」

「あっ・・ ハッ・・ハイ・・ 大丈夫です・・」

少々パニックになっているのか?・・ そうか・・少尉は初めての実戦だ! 
作戦を少し考えないとまずい・・・

演習の時のロックオン回数の多さ・・ それがミィ少尉の武器だと感じる・・
それを生かすためには・・、 距離を取らせよう・・ 狙撃&射撃だ!
その分、私が接近戦になるのだが、
この新型の機動力があれば、そうやすやすとはやられる事もあるまい・・
ただ、ジオンのパイロットがベテランであった場合、この新型でも1対1になると
苦戦するだろう・・ それほど、ジオンのパイロットの技術は高い!
それに対応するためには、機動力とチーム戦・・ それが全てだ・・

「ミィ・・ いいか良く聞け・・
 お前には私が付いている、心配するな、絶対に守ってやるからな・・
 でも・・ あそこで戦ってる仲間は、守ってくれる仲間がいない・・
 それを守ってあげれるのは・・ ミィ・・ お前の勇気だ!」

「ハイ・・ 隊長!」

「よし! いい子だ!♪ 近くまでデブリの陰を伝わって行くぞ!」

戦闘区域と我々の間にデブリがある位置に移動し、スロットルをくれてやり、
1000ほどの距離があるデブリに取り付いた・・

ジオンのMSは3機・・ ザクが2機に新型のゲルググが1機だ・・
味方のジムは初期生産型で、以前に私が乗っていたタイプだが・・
右腕と左足をやられている・・ だが・・パイロットの腕が良いのだろう、
バランスが取りにくい状態であっても、機敏な動きをバーニアの制御で行っている・・
スラスターは使用していない・・ どうやら推進剤がなくなっているのだろう・・
右腕がやられている事から、ビームスプレーガンは持っていない・・
残った腕のシールドと頭部バルカンで、果敢に応戦している・・
それだけで、ベテランのパイロットである事が見て取れる・・
しかし・・ 形勢は極めて不利だ!

「ミィ・・ いいか?・・ 敵さんの動きを見ろ・・
 敵さんはザクが2機、そして新型らしいトサカ付きが1機だ・・
 奴らは、ジムの母艦が無い事を承知の上で、チーム連携も無く、
 ジムを追い詰めているのが解るか?・・
 また、奴らはこちらを全く意識していない・・
 やれるな?・・
 動きの単純なトサカ付きをここから狙え! まず新型の足を止めたい
 私は、奴らの背後に回り射撃位置に付く、
 私が撃つのが合図だ、私が撃ったらミィも撃て!
 狙撃後は、私の援護に回ってくれ! 距離は保てよ!
 私は、奴らの懐に飛び込み、かく乱する・・
 お前なら出来る! 大丈夫だ! 私が保証する!」

「了解です! 隊長!」

言葉に力が戻ってきたか・・
1つだけ、言葉を飲み込んだ・・ 
私がやられたら全速力で逃げろ・・きっとヒロ中尉たちと合流できるから・・
伝えておきたかったが、それを言うと不安が増大するだろう・・
今は、言ってはいけない・・
大丈夫だ! 私も出来る!
ミィ少尉に言った言葉を私自身にも言い聞かせていた・・

「よし、あいつを助ける事を優先するぞ!
 敵をやっつけようと思うな・・ 足を止めろ、稼動しなくなれば良い!
 帰ったら、おいしいミルクでもご馳走してやろう!
 ミルクパーティだ♪ 楽しいぞ!」

「うふっ♪ 楽しそう!・・ 大丈夫です、 やれます!!」

「よし! 作戦開始だ!」

本当にミルクパーティをするつもりなど、全く無いのだが・・
無事に帰る・・ つまり「生きて帰るのだ!」というメッセージが
ミィ少尉には確実に伝わっただろう!
そうそう・・ 戦闘区域内では、酒はご法度だ・・

私はデブリを蹴り、敵MSの背後に回りこんだ・・ 距離が近づく・・
ビームガンの照準をジオンの新型ゲルググに合わせ、ビームを放った!
すかさず、ゲルググが反転し、私の攻撃をかわした瞬間に
ミィ少尉が放ったビームガンの一閃が見事にゲルググを貫いた!
ゲルググは機能を停止した・・

  1機撃破!

すかさず2機のザクが左右に飛ぶ! どっちだ?
ミィ少尉が左のザクの行く手をさえぎるようなビームを打ち込んでくる!
いい援護だ!
素早く、足が止まった左のザクの懐に飛び込み、ビームサーベルを振りぬいた!
ザクはザクマシンガンで私のサーベルを受け止める・・ 手馴れだ!
モニター全面にザクのモノアイが赤く不気味に光った
ザクの肩にはドクロマークが描かれている!趣味が悪い! しかしエースか?
やはり、新型は新人だったか! ザクのパイロットの方がはるかに腕が上だ!!
バルカンを一制射したあと、得意の蹴りをドクロ野郎のザクの腹部に見舞ってやった!
ザクとの距離が離れる・・
その瞬間にもう1機のザクにビームガンを合わせ、打ち込んだ!・・
こいつは動きが速い! このザクはF型ではなく、高機動の改良型か?!!
長引くと分が悪くなりそうだ・・
ミィ少尉が狙撃位置から射撃位置までポジションを変えて援護射撃をしてくれて
いるが・・ まずい・・ ミィ少尉が狙われる! 近づきすぎだ!

先ほど蹴り倒したドクロ野郎が、ミィ少尉に向かって攻撃を仕掛けていた・・
迷わずミィ少尉に向かうドクロ野郎の進路方向に、ビームを数発打ち込むが・・
「ピーピーピー・・ ちぃ!! ロックオンアラームか!」
高機動の奴が私を狙ってやがる! 機位を反転させ、フルスロットルをくれてやる!・・
ミィ少尉もフルスロットルで転蛇し、ドクロ野郎の攻撃をかわしていた・・

その時ふと気が付いた・・ ドクロ野郎はマシンガンを使用していない・・
そうか! 先ほどの私のビームサーベルの攻撃をマシンガンで受けたため、
マシンガンを損傷しているのだ!・・
すかさず、レーザー通信の回路を開いた(傍受されてもかまわん!!)

「ミィ! ドクロ野郎はマシンガンが使えねぇ! 距離を取れ!」

そうなると、こっちは・・
「お前さんが私の相手だ!」・・と 高機動型のザクにビームガンを発射した!

「ちょこまかと良く動く奴だ!」
相手もそう思っているだろう・・ こちらも新型だからな スピードなら互角だ!
近づいてはクロスし、また離れては射撃での応戦!
こいつ・・ 喰らいついてくる! 先ほどのジムはこんな奴らと戦っていたのか!
離脱が難しい・・

ビーム残数が1発になった・・ ミィ少尉にかかっているドクロ野郎に打ち込む!
ドクロ野郎は感も良く、方向を変える・・
ここから、ビームガンが15秒使用できない、懐にもぐりこむか・・
それとも距離をおいて時間を稼ぐか?・・
時間を稼げばヒロ中尉達も到着するだろうが・・
手負いのジムのパイロットの様子も心配だし、ミィ少尉も追い詰められている・・
更に悪い事に、推進剤の残量アラームが赤く点滅を始めている!
ミィ少尉も同じだろう・・ 時間は掛けられない!

「ええい! 南無参!」

ミィ少尉の援護が無くなっている・・ 既に弾切れか?・・ ケリをつけねば!
私は迷わず、ビームサーベルを抜いて高機動ザクの懐に飛び込んだ!
ジムのビームサーベルとザクのヒートホークとがぶつかり合い火花を散らした。

その時、私は左手に持っているシールド(盾)をザクに投げつけ、その手で2本目の
ビームサーベルを抜き、ザクに突き出した!
シールドを捨ててのビームサーベルの二刀流だ!左手のサーベルがザクの頭部を
ぶち抜いた!

メインカメラを無くしたザクは、その場を離脱しようと、後方に跳ね飛ぶ・・が・・
そこに間髪入れず、最後の力を振り絞った手負いのジムがザクの背後に回り込んだ!
ジムは迷わずバルカンをフル制射し、ザクに数発がHITした!
ザクの足が一瞬止まる! 

「よし!」

私は2本のビームサーベルを高機動ザクのコックピットを避けて突き刺した!

  2機目を撃破!

執拗にミィ少尉を追いかけていたドクロ野郎のザクは、僚機がやられたのを
見た瞬間に戦闘区域を離脱した・・ 深追いは禁物だ・
引き際が良い・・ できるパイロットの証拠でもある・・
やはり、ジオンのパイロットは錬度が高い・・

スーっと汗が引いていくのを感じた・・
各部センサーとレーダーを確認する、他の敵が残ってないか?の確認だ・・
戦闘が終了した後のちょっとした隙が命取りになることを、私は経験から学んでいた・・

サーマルセンサー、レーダーの各部に異常なし・・

「ふぅ!・・」

ヘルメットのバイザーをあげ、私は大きく溜息をついた・・ 戦闘終了だ・・
 
ミィ少尉の214号機に近づき背中部分に手で触れる・・

「ミィ、やったな!!・・ 初陣で1機撃墜だぞ! それもトサカの新型だ!」

「もう、無我夢中で、何にも覚えていませ~ん・・ ドクロ大っ嫌い!」

「いやいや・・
 本当に良くやったぞ! さすがベリー小隊の一員だけはあるな!
 ちゃんと、ミルクは奢ってやるからな♪・・ いちごミルクは美味いぞ!」

「え~・・ 隊長ぉ・・
 私は子供じゃ無いですよ! お・さ・け♪で、おねがいします♪」

「そうだな・・ お酒は、この作戦が終ったら付き合ってやろう!
 まぁ今日はミルクパーティ!だな ♪
 では・・ 私は負傷のジムの救助を行う、・・
 ミィ少尉はヒロ中尉がそろそろ到着すると思う、連絡を取ってくれ!」

「了解です! で・・ たいちょお?・・」

「なんだ?」

「さっきまで、名前で呼び捨てだったのにぃ・・
 もう、戻っちゃったな・・って ちょっと残念 ♪ ・・・
 ベリーフォオは ベリーツーとのコンタクトを取るべく哨戒任務に入りま~す!」

「おう!♪ いい子だ! 行って来い! 推進剤の残量には気をつけろよ!」


私はミィ少尉と別れ、急いで中破したジムに取り付いた・・ 
ジムの肩に手を置きふれあい通信を行う・・

「オイ! 無事か? 官姓名は名乗れるか?
 私はMS運用艦グリフィン所属のワサビィ大尉だ・・」

「援護ありがとうございます! 大丈夫であります!
 自分はサラミス級巡洋艦、サド(佐渡)のMS隊所属、クマ軍曹であります!
 本当に援護頂き・・ ありがとうござ・・うっ・・ うっ・・・・」

「軍曹!! どうしたんだ!?」

「いえ、こうして生き残ったのが・・ 信じられなく・・ 仲間にも申し訳なく・・」

「そうだな・・ せっかくの生き残った命だ!
 仲間の分まで生きていかないといけなくなったな・・
 しかし! 重荷にはするなよ!」

「は・・はい! あ・・ ありがとうございます!・・」

「他にお前の隊の生き残りはいないのか?」

「隊長は・・ 小隊長のマーク少尉は・・ 戦死されました・・
 あと曹長が・・ オーリン曹長のジムが・・
つい先ほどまで、そこに居られたのですが・・・」

そういえば・・
デブリの中に我連邦軍のジムやボール、そして敵のザクが流れていた事を思い出した・・


「そうか・・ 私達の母艦がそこまで来ている・・輸送船の改造艦だがな・・
 皆で捜索することを約束しよう!
 艦についたら、今は何も考えず、ゆっくり休め!・・ わかったな・・」

「大尉殿・・  ありがとうございます!・・」


・・・

「・・・ たいちょ~ぉ・・どこっすかぁ~」

おっ? ヒロ中尉の声だ! 

「おーい!! ここだぁ!
 推進剤を使い果たしてしまった・・ もう一歩も動けないぞー
 グリフィンに至急連絡してくれ、生存者がいる、受け入れ準備を頼む!」

私はジムコマンドの両腕で光るビームサーべルを振り回し叫んでいた・・

「<第9話>捜索・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/b0d54d30299ac0b2dd3cbc2f50ff1da2に続く・・・

(2007/06/19 17:38)



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1 コメント

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この記事へのコメント(投稿順 (いちごわさび)
2007-11-12 06:07:42
この記事へのコメント(投稿順)

kumachan
や、登場させてくれてありがとさんです!!(爆笑)
臨場感あふれるストーリに変わりましたねー。
本当は早く戦闘シーン書きたかったんでしょ?
行間に滲み出てますよ(笑)
(2007/06/19 21:02) [返信]


いちごわさび
(^O^)ははは・・ ばれていますね!
戦闘シーンが書きたくって書きたくって・・
で・・最初は何も考えすに少尉とか決めてたのですが・・
ベテランが話の中に欲しかったのです。
イメージは「08小隊」のサンダース軍曹・・ 死神サンダースって(^O^)
レンタル屋などで、「第08MS小隊」ってDVDを借りてみてください。
好きなキャラクターなんです。

さて・・この後の活躍をご期待ください!
(2007/06/21 18:36)


豆葉
はぁ…
ドキドキした。

戦闘終了後のヒロ中尉の、のんびりした声かけが、対照的で面白かった(笑)
(本筋より、わき道ばっか気になる豆葉ですw)
(2007/06/19 21:26) [返信]


いちごわさび
本道もそうですが、豆葉艦長の言われる通り、わき道もストーリーを考えてはいますが・・ こちらも、今後の展開をご期待ください σ(^^)
(2007/06/21 18:38)


ヒロ中尉ぃ~
う~む、やっぱり、クマちゃんはやり手だったか。
それに思いの外早い登場ww
今は軍曹だけど、こりゃすぐにランク塗り替えられそうだ…
さっさとたいちょぉ抜いて偉くなろ~っとw
(2007/06/20 01:29) [返信]


いちごわさび
たいちょぉ、交代しましょうか(^O^)
何でもありなので、ストーリーはドンドン変わっちゃいます。

軍曹ってのは、補講にも書いているように、若手の少尉さんより、
頼りになる奴!って意味が含まれています。
今の自衛隊や他国の軍隊でも同じで、
下士官が居ないと、隊って存続できないのも現状ですから。
ある意味、ヒロ中尉のライバル出現! っす!

じゃ・・ ヒロ中尉は、本日誕生日だから、小隊長にしちゃおうかなぁ~ (^O^)/

たんじょび おめれと~
                 (^_^)/Y☆Y\(^_^) 乾杯~♪
(2007/06/21 18:45)
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