いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第6話>MS戦闘論 / ガンダム外伝

2007-06-05 20:07:52 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
・・・・・

突然艦内放送が鳴り響いた・・

「・・・ ブー、ブー、ブー・・ エマージェンシー!エマージェンシー!
 ・・・ これは訓練です。これは訓練です・・
 ・・・ 13時方向、距離20000に不明艦発見!
 ・・・ MS隊緊急発進よろし!・・」

「・・・ 緊急配備! 第1次戦闘配備
 ・・・ 艦内員は全員ノーマルスーツを着用の事!・・・」

放送が鳴り止まぬ間に、ノーマルスーツ(宇宙服)を着込む・・
パイロット用のノーマルスーツは艦内作業員の物とは異なり
窮屈だが、非常に薄く動きやすく出来ている。
気密確保のためのジョイント部分には注意し、腕を通した段階で
ヘルメットを小脇に抱え、私は部屋を出た・・
同様のタイミングでヒロ中尉が飛んでくる・・

エマージェンシーコールの場合はブリーフィングは行わない、
その代わりに、オペレーターからの指示に従い、作戦行動するのだ。
そのため、エマージェンシー発令時は、作戦室には向かわず
そのままMSデッキに向かう事になる。

気密ブロックを越えると3階部分のベランダがあり、そのままMSデッキの
自分のMSへ飛び移るのだが・・ 既にミィ少尉がコックピットに取り付いているのを
確認した・・

「やるな・・ 」

「おい! 中尉!」

「なんすか?隊長!」

「ミィ少尉が、早い・・ 良い事だが・・注意しておけ!
 ハイテンションも必要だが、自分を見失う可能性もある・・」

「了解っす! リン少尉にも伝えておきます!」

整備員が準備をしてくれている・・
彼らの錬度も高い! サミー曹長も中々やり手だ・・

「どうだ?」

「各部、異常ありません!」

「よし! ありがとう!」

「お気をつけて!!」

整備員が離れていく・・ 私はコックピットに座りジムのハッチを閉めた・・
閉まったタイミングで前方のスクリーンがオープンになる、カメラからの映像を
コンピュータ処理してモニターに映し出しているのだ・・
3枚のモニターで視野はおよそ160度である。全方向を目視できた戦闘機に
比べると、少々不安があるが・・ 後方等はセンサー類に頼るしかない・・
各部のコントロール類を確認しつつ、マニュピレーターを動かしビームガンを取る・・
OKだ! オールグリーン!!

「・・・ ベリーベースより、ベリーチームへ・・」

おっ!ユカ少尉も配置についたか?

「こちらベリーワン ワサビィだ 状況を報告してくれ!」

「・・・ ハイ! 本日の1to2訓練の設定を説明します
     隊長がアグレッサ-(仮想敵)ですので、最後に発信します。
     あとは、エマージェンシーとの仮想ですので、
     出発準備が出来たユニットから、随時発信します。
     順番はこちらのコントロールに従ってください!」

「・・・ ベリーフォオ 了解よ!」

「・・・ ベリーツー 了解っす!」

「・・・ ベリースリー 了解したわ!」

「・・・ MSデッキの扉を開くわよ? ジムのハッチは閉まってて?」

「大丈夫だ!
 こちらベリーワン! 本日の小隊長はヒロ中尉だ!
 中尉・・ 任せたぜ!」

「・・・ 隊長! ベリーツー 了解であります!!」

「・・・ え~っ・・ 中尉に従うのですかぁ?・・」

「リン少尉・・ たまには中尉の言う事も聞いてやれ!
 そういう、かわいらしさが、女の子には必要なんだぜ!・・」

「・・・ もう!! 隊長ぉったら!!」

「よし! いい子だ!」

「おい! ミィ少尉! 聞こえているか?」

「・・・ は・・ ハイ! 隊長!」

「緊張しなくていいぞ、自分のペースで良いからな・・
 ただ、皆の動きを良く理解しろよ! そして、中尉に甘えろ! ♪」

「・・・ そうそう、ミィちゃん 俺様に任せとけってね?
     全部、教えちゃうから!! 手を取り、足を取り、あそこ取りぃ・・
     そして、あんな事やこんな事もぉ ♪」

「・・・ ベーリーベースより、ベリーチームへ
     おしゃべりはコントロールデッキに垂れ流しよ ♪
     クロヒッツ少佐が不機嫌そう・・ 中尉 大丈夫?・・
     艦長が「ヒロ中尉は ヒロ注意だね♪」って 
     じゃ、カタパルトの射出順を言うわね・・
     射出はベリーツー、ベリーフォオ、ベリースリーの順で射出します
     順次カタパルトに移動の事 以上!」

「・・・ えっ・・ 今なんて言ったの? ねぇ・・」

「・・・ さぁ♪・・ 」

「・・・ そんなぁ・・」

「中尉・・ あきらめるんだな・・
 ただ、逆に考えると 女性に「注意」なんて言われるのは男の勲章だぜ!」

「・・・ そうすか?・・  勲章かぁ! よっしゃぁ! やるぞぉ!!」

「あと・・ 少佐殿が不機嫌というのは?・・ 中尉、なにか心当たりは?」

「・・・ え~ ・・ あっ!ゲートが開きま~す! 」

何人かの笑い声が入ってきた。これぐらいの余裕があればOKか?

MSデッキの空気を抜いて真空状態にするために、整備員への警告音と
パトランプが激しくまわっている・・ 音がスピーカからの音だけに変化した・・

MSデッキ正面のハッチがゆっくりと開き始める・・
漆黒の宇宙に、ポツンと浮かぶ月が見えている・・ 
月があると機位を見失う事が少ない・・ ロケーションも良い感じだ・・
ヒロ中尉の212号機がカタパルトに向かい、台に乗った。

「・・・ ベリーベースより、ベリーチームへ
     シグナルオールグリーン 進路クリア ベリーツー、射出OKです! 」

「・・・ ベリーツー、グリフィン212・・ ヒロ 行きま~す!」

ズン!という重い感じと衝撃が艦に伝わる・・
前方の月の位置がドンドン変わって行く・・ 
艦のスラスター制御を行わなかった時の艦への影響は、予想以上に大きそうだ・・

突然スピーカーが唸った!

「・・・ 艦の前でチョロチョロするんじゃないわさ!
     ケツにミサイルぶち込むわよ!」

クロヒッツ少佐だ! 見ると、艦の前をヒロ中尉が飛んでいる。
私はデッキの扉の所まで移動した。中尉は搭載艦勤務が始めてなのだ・・

「すまん すまん ベリーツー聞こえるか?」

「・・・ こちらベリーツー! 怒られちゃいました・・
     ケツにミサイルなんて・・ オカマになっちゃったら
     どう、面倒見てくれるんでしょうね ♪」

「ああ・・ 言っておくのを忘れていた・・ 皆も聞いておけ!
 艦から離れたら、進路を下げろ、艦のビーム砲の軸線には近づくなよ!
 砲雷長のクロヒッツ少佐からオカマを掘られるぞ♪
 戦闘時は必ず援護射撃があるからな・・
 また敵艦船のビーム砲の軸線でもある、
 艦船のビームなど喰らったらお陀仏だからな・・ 解ったな?」

「・・・ ベリーツー了解です! 進路下げます!
     ケツに喰らって、目覚めたらどうすんのよぉ~ ♪・・」

「・・・ あら? 本当に撃って欲しいのかしら? 艦長?どうしましょ?」

「・・・ あっ 少佐! ウソウソ! 撃たないでぇ~
     お婿に行けなくなっちゃう!」

「・・・ 貰ってあげましょうか? うちに来ない?」

「・・・ あっ!料理得意っす!
     専業主夫で良いなら、考えちゃおっかな~w って・・♪」


クロヒッツ少佐も中々やるなぁ・・
さて・・チームの射出後の動きや連携を見ておきたいが・・
MSデッキの入り口ではどうも見にくい・・ 外に出るか・・

「ベリーベース ・・ ワサビィだが・・ 先に出るぞ!」

「・・・ えっ? 隊長?」

私はMSデッキの床を蹴って艦の外に飛び出しスラスターを軽く吹かせ艦から
離れた・・

「・・・ ベリーワン!応答せよ 隊長! どこですか?」

「ああ・・ すまんすまん・・ 艦の外に出た・・ 
 私は単独行動を行う・・
 記録上はカタパルトが故障したときの訓練とかにしておいてくれ・・以上だ!」

「・・・ こちらベリーベース 了解しました。
     続いて、ベリーフォオ、スタンバイOK、発信します!」

「・・・ ベリーフォオ ミィ 出ます!」

艦からミィ少尉が飛び出してきた・・ ヒロ中尉と編隊を組む・・
ヒロ中尉が出てからここまでで、やはり30秒ほど経過している
もう少し早めないと、エマージェンシーの意味が無い・・
それとも、先に1機だけでも現場に先行させるか?
時間リスクという目に見えない危険性をどのように把握し、指揮するのが
私の役目なのだが・・ 判断基準がその時で異なるので判断が難しいが・・
今は、チーム戦術に特化しよう・・ そう決めたじゃないか、ワサビィ・・

「・・・ ベリースリー、スタンバイOK、進路クリア!発信します!」

「・・・ ベリースリー リン いくわよ!」

今度は25~6秒で、リン少尉が飛び出してきた。
ターチン軍曹も頑張ってくれているようだ・・

リン少尉が出てきたタイミングで ヒロ中尉のスラスターが光った!
続いてミィ少尉も加速し、リン少尉に合わせて行く・・

「全開にしたな・・  よし、私も戦闘態勢に入ろうか・・」

識別信号をオフにした 皆のモニターには隕石か何かの浮遊物として
表示されているだろう・・ 熱を放出したら、アンノーン表示になるはずだ・・
暫く、隕石になって様子を見よう・・

3機のジムは当初の指示通り艦の13時方向に進み、その後、演習に入るため旋回し、
こちらに向かってくる、演習予定区域に入った瞬間から1to2演習の開始だ!

後ろの一機の動きが単純だ・・ ワン・・ツー・・・・ ワン・・ツー・・・・
ジグザグに軌道を変えるのは教科書通りだが、規則性があるので次の動きが
予測できてしまう・・
ガンカメラが214号機を捕えた・・ HIT!

「・・・ こちらベリーフォオ やられました!!」

「・・・ こちらベリーツー どっちからだ?」

「・・・ 10時の方向です!」

「・・・ ベリースリーは援護に回れ、ベリーフォオは距離を取れ!
     くそお・・隊長め・・どこにいるんだぁ?」

無線がチーム内の通信を伝えてくる・・
今日は通信ONで行こう・・

「宇宙に出たらケツに目を付けろ!
 体の中の全てのチャクラを開けるんだ!
 360度だけでなく上下も全てを意識しろ!
 違和感を感じたらすぐに動けよ!
 浮遊物(デブリ)を確認したら軌道を変えろ!
 ザクが潜んでいて、狙っているかもしれんぞ!
 潜んでいるとサーマルセンサー(熱源探知機)には反応しにくいからな!
 今の私は、デブリだろ?・・・」

通信に怒鳴った瞬間、スラスターをオンにした!
急激な加速だ・・
この新型・・ すごいな・・ リミッターを解除したらどうなるんだ?
奴らも面食らっているかもな・・

「よし! 演習開始だ! かかって来い!!」

「まず、ミィ少尉! 一発当っただろ?
 慣性運動は等速度運動だ! これほど狙いやすい標的はないんだ!
 ましてや、止まるなんて、もってのほかだ!
 方向転換のタイミングが同じだぞ! 予測できたら駄目なんだ!
 ランダムな間隔で方向転換しジグザグに航行しろ! 基本だ!
 相手に動きを読まれるなよ!

 次にAMBAC(Active Mass Balance Auto Control)での方向転換だ!
 バーニアで方向を変えるだけでなく、ジムの手や足を振って、その反動で
 方向転換しろ、向きが変わったらスラスターを全開だ!
 足は飾りじゃないんだぞ!
 逆噴射と同じになるからGに注意しろよ、気を失う事もあるからな・・
 さっき、全開にしたが、この新型、パワーがすごい・・
 演習中はリミッターは解除にするな! 

 そして、噴出剤(重金属の粒子)の残量は常にチェックしろ!
 戦闘時以外はバルブを閉めろよ! 無駄使いは命取りだ! 艦に帰れなくなるぞ!

 ただ、戦闘領域に入ったら、常にフルバーニアだ! バルブは全開にしておけ!
 全体の戦闘時間は長くて10分だ!、判断が遅れるな!、離脱するタイミングを
 意識しろ!

 最後に!無駄弾は撃つなよ!
 ジムコマンドのビームガンはビームスプレーガンの強化型だが、
 収束率が高くなっているので命中率が低くなっているぞ・・
 ヒロ中尉とリン少尉は、前の感覚が残っているだろう、早く感覚で覚える事!
 まぁ、地球上では無いのでビームの減衰率が低いから、
 長距離からの射撃ができることが魅力だが・・
 ライフルではない事は十分に意識しろ!

 そうそう・・ビームガンのチャージ時間も意識しろ!
 残弾数にも注意だ! 限りがあるからな!
 今までのジムのビームスプレーガンは20発でチャージは約10秒だったが、
 今回のビームガンは12発しか撃てんぞ! そしてチャージは約15秒かかる。
 いちいちモニターチャックしなくても良いように感覚を身に付けろ!
 尚、再チャージは1回だけだ、エネルギーCAPが空になったら、終わりだからな
 臨機応変に対処し、白兵に持ち込むのも手だ!
 白兵時には頭部バルカンも有効だ! ただし、発射時反動には気を付けろ!
 弾数にも制限があるぞ! 連続掃射は控えろ!
 敵が上からかかってきたら、バルカンを掃射しろ! バルカンの発射時反動で
 機体がのけぞり、上を向く時間が早くなるのと同時にバルカンの弾幕にもなる!
 宇宙だけで使える技だ! 覚えておけ!」
 
「・・・ た・・ 隊長ぉ そんなに沢山・・ 一度に言わないでよぉ・・」

「何を言っている・・ いつも言ってる事じゃないか! 読者サービスだ!」

「・・・ ええ?? 読者って? ♪ 」

私のジムコマンドとヒロ中尉のジムコマンドが交差した!
漆黒の世界にピンク色のビーム粒子が輝きながら弾け飛ぶ!!
それは、花火のように一瞬美しく輝き、また闇の世界に戻っていく・・


「<第7話>索敵!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/261f46ba13114524daf67b7b59e8b46aに続く・・・

(2007/06/05 20:07)

 



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この記事へのコメント(投稿順) (いちごわさび)
2007-11-12 06:00:40
この記事へのコメント(投稿順)

kumachan
あっはっはー。笑えるー。(笑)
しっかしこれで実戦となったらどうなるんでしょうね?(笑)
(2007/06/05 20:26) [返信]


いちごわさび
ですね・・ でも、これぐらい余裕がないと駄目だ・・って設定なので(笑)
で・・来週には登場するかもね? Kumachanさん!!
(2007/06/06 02:43)


ヒロッぴ
(クッソ、たいちょぉ、実戦経験生かして、次々言いやがる…
ま、経験不足なのは認めるが、俺だって、選ばれてGM乗ってるんだ、このまま言われっぱなしでは居ないぜ!)
たいっちょぉ?今日は艦長何も言わないっすね~?!
何かイタズラでもしたんすかぁ~?!
(動揺させて、後ろから撃つ!)
(2007/06/06 02:37) [返信]


いちごわさび
いやいや・・ そんな出来ない奴に小隊長代行はさせませんって!
きっとやってくれる奴と信じて待ちましょう!(笑)
実は・・ この話も長かったので2つに分けたのですね。
来週のUPを! 乞うご期待!!

で・・ うっ・・ 艦長が何か言ってたのか? (動揺・・)
(2007/06/06 02:48)


豆葉
スピード感出てきましたね!
言葉の意味は、全然わかりませんが(笑)
カタカナ語だけじゃなく、漢字の言葉も、まったくの憶測で読んでます…
日常的に使う言葉じゃないから、しょうがないか。

こんな読み方でもおk?かな?
(2007/06/09 18:05) [返信]


いちごわさび
次回はもっとスピード感が増しますよ・・
でね・・ 意味がわからない言葉があったら、コメントで書いてください! 簡潔に説明しま~す!(雰囲気で読んでいくのも方法ですが、意味がわかるともっと深く理解できて楽しくなりますよ!)
 
できるだけわかりやすい言葉に変えて書いているけど、これ以上変えちゃうと、今度は物語が変になっちゃうので、そんな不明な部分は本編以外で説明したほうが良いだろう・・って考えています σ(^^)
(2007/06/10 10:50)
返信する

コメントを投稿