どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

今日は休みにする

2015-04-18 02:19:38 | 日記

 

写真をとりすぎると何が起きるのかというのは、あまり経験しないほうがいいことだ。どういったことが起きるのかといえば、土門拳は「鬼が来る」と表現した。冥界と幽界が混雑した世界が目に広がるというものだろうか。

私の場合、目の前にある物体の意味が消えた世界が現れる。ものすごく異様な世界だ。ただその等質性の世界を無邪気に切り取って行けば、なぜかいい写真になる。もともと写真を撮る時には先読みばっかりするわけだが、意味のない世界では物理法則のみで世界が動いているわけで、先読みも簡単だ。車という色の塊が目の前を通り過ぎ、建物はリズムを不規則に刻む。人の意味もなくなり、その眼の動きと光だけがこちらに純粋に伝わる。その世界を切り取る反応速度はおよそ0.3秒から0.2秒で一定しているのはカメラのせいだ。そのリズムが狂うたびにイライラする。

要は過集中現象なのだ。ゾーンという人もいるがあまり健全ではない。コントロールは可能なのだが、それがボーっと出っぱなしになるとヤバイ。それが出たのは昨日の午後だった。

 

 

どうもこういった状態になると事故率が高くなる。夢中になって、というやつなのだが、それより深刻なのは立体感のない世界だからだ。意味のなさは距離までも失わせてしまう。目で見えているものではない世界だからしょうがない。そして意味のない世界なら、罵詈雑言言いたい放題になる。さすがに経験でこれは避けているが、今私にあって話を聞くと爆裂トークを聞く羽目に陥るだろう。

だから今日は昼に仕事をして、あとは泳ぎにいった。だがそれでも収まらない。さてどうしよう。

松園の春は綺麗なのに。イタヤカエデの並木の花も綺麗だし桜も綺麗。それに気がつかないのは、意味のある世界に生きている人なのでしょうが、今年のイタヤの花は美しいぞ。


「ハルサイ」祭り勃発

2015-04-18 00:57:41 | 日記

 

2012年にデッカが発売した、ストラヴィンスキー「春の祭典」デッカグループ録音音源全部というオバカなセットがあった。完璧なマニアアイテムだ。これを見逃すわけにはいかない。ドラティが全部あるというのは強い。あとはCBSに録音したブーレーズの録音とあまり良くないので有名なストラヴィンスキー自作自演盤があればいうことはない。

その前にデッカは有名指揮者に「ハルサイ」の録音を勧めていたのではないのかと思うほど、いろんな指揮者がいる。だから、ナゼこの人が?という盤がある。コリン・デイヴィスとかハイティンクなんてなんでこの人が2回も録音するのかがわからない。ハイティンクは若い時と最晩年だが、コリン・デイヴィスは時期が近いので、何かあったのだろう。

そして同じ人がなんども録音をしている。ドラティなんか3回だ。アンセルメとかショルティも納得の2回、先のコリン・デイヴィスとハイティンクも2回だ。当然のようにカラヤンも2回。コリン・デイヴィス以外は録音方式の違いで再録音することになったと思われる。ドラティなんてモノラル・ステレオ・デジタルと三種類あるわけだ。そうするとカラヤンのデジタル版もありそうなのだが、本人が断ったのだろう。ストラヴィンスキーが合わない人はいる。

ブーレーズはCBS盤があるので実は2回録音をしているが、バーンスタインも確かそうだったような気がする。

さてなぜ「ハルサイ」の録音がこんなにあるのかだ。確かに第一次世界大戦後の曲は現代音楽とはいえまだ聞きやすい。そしてリズムに慣れた現代人にとってはリズムしかないこの曲は割と分かりやすいだろう。とはいえ決して親しみやすい曲ではない。普通は売れるものではない。

だが売れるから出すわけだ。理由の一つには演奏機会が少ない事。現代のオケでは難曲とは言えなくなっているが、それでも周到な準備が必要な曲には変わりない。特にファゴット奏者には辛い曲だ。次が現代音楽にしては珍しく、版が6種類あるということだ。1913年版、21年版、29年版、43年版、47年版、67年版とあるわけだ。そして指揮者がミックスして使う場合もあり、指揮者の解釈の幅が残されているというのも大きい。だから買い集めたくなるマニア心をくすぐるのだろう。

そしてなのだが、5管編成の打楽器多用のリズムだらけのこの曲は、オーディオマニアにとってうってつけの曲なのです。再現しにくい曲の一つです。だから新録音が出るたびに購入する人がいるわけです。演奏に定評のあるドラティが三回も録音した理由はこれでしょう。アンセルメも同様です。ブーレーズもそうなのですが、この版はなにかCBS盤の素直さがないところが面白いところです。嫌だったんでしょう。

さて最速演奏は、ドラティの1回目のモノラル録音です。29分56秒です。CBS盤のオーマンディは29分47秒です。最遅はバーンスタイン82年録音の36分57秒です。これは意外です。まあこういった音楽になると、バーンスタインはなんか悪い癖があります。まだ聞いていないので期待しています。だいたい32分から35分の間に収まっているというのは意味がありそうです。

そのうち版の違いを無視して、時間だけを並べて感想にしてみようかな。こんだけヘビーローテーションにしても苦にならないのは、変人の証拠です。